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【Destination】第39話 Personality not gender

男女にはそれぞれ一長一短があり、生物としての能力に「優劣」をつけることはできない。だが、うわべだけでみた能力を単純に「比較」することは可能。

「コミュニケーション能力」

万人に共通するものではないが、一般的に女性のほうが、男性よりコミュニケーション能力が高いとされている。女性は会話のなかから、相手の情報を正確に得て物事を遂行する。

逆に男性は会話よりも、「俺の背中をみて学べ!」といったように、なんらかの行動をつうじて語り合う傾向が強い。女性がその場面に遭遇すると、「言わなきゃわからないのに……、口で言えば早いのに……、男って……」となる。

にぎやかしい男子が、女子のあいだで人気者(好きになるのとはべつの話)になるのは、性別の壁を感じさせないため。

職場のあらゆる状況で、顧客の問題を聞きだして解決できる能力は女性の大きな強み。新入社員から将来の展望や悩みを聞きだすのも男性より女性のほうがうまい。

これは職場環境の調整や人間関係の円滑化、チームを牽引するうえでも重要な能力。

インターネットを利用した情報発信、ソーシャルメディア上での業務を巧みにこなすことにも繋がっている。

「辛抱強さ」

目標達成のために優先順位を定め、ほかからの誘惑にさらされても「辛抱強く」本質を貫こうとするのも女性。

この辛抱強さの理由は、男性には想像できない、「出産」という苦痛をのり越える力があるためだとされている。

「観察能力」

相手の表情をみて感情を読みとる「観察能力」も女性のほうが優れている。ささいな信号をしっかりと見きわめ、相手に意欲がなければ会話をしながらモチベーションをあげる。

少数精鋭で運営しているチームにおいては絶大な影響力をもち、コミュニティリーダーとして、その能力を発揮。

「色彩感覚」

女性は男性よりも赤、青、緑という3原色に関する識別能力が高く、細かい色調をより正確に区別できる。広告や製品開発など、微妙な色彩が重要になるマーケティング担当者に女性が多いのはこれが理由。

この能力を最大限に応用しているのが、男性のウソや自信のなさ、下心を見破ること。

わずかな顔色の変化を区別する色彩感覚と、いつもとちがう行動(挙動不審)に気づく観察能力。この驚異的なふたつの能力に悩まされてきた男性は多いはず。

「免疫力」

女性は男性よりも免疫力で勝り、体脂肪率の高さとその分布(体表面に多い)から飢餓や外傷に強い。また、体の大きさのわりにエネルギーの消費量が微小、男性ほど動きまわらないこともあり、ケガも少なく生存性では男性を大きく上回っている。

平均寿命においても、世界のほとんどの地域で女性が男性を凌ぐ。

「苦痛への耐性」

男性は瞬間的な衝撃には強いが、ながく続く苦痛に弱い。反対に女性は毎月おとずれる月経があり、長く鈍い痛みや発熱には強いが、衝撃には耐性がないという特徴もある。

「出産

この分野では、男性は女性にまったくおよばない。新しい生命を産みだす能力は、人類にとってきわめて重要。

能力の有無となれば、「各分野のトップで活躍している者の多くが男性」という、女性にとって悲観的になる事実を相殺してしまうほど決定的であり強力な能力。

育児能力も一般男性より女性のほうがはるかに優れており、育児能力と比較的近い能力を活かせる看護師、介護福祉士、保育士などに向いているのは女性のほう。

女性の生存能力の高さは、男性がもち合わせていない妊娠・出産、そして育児という新しい生命を養う営みに対応するなかで培われた偉大なもの。

「筋力・運動能力」

筋力と運動能力では圧倒的に男性が優位。

人間の肉体がもっとも強く美しいとされるのは17〜18歳、学年でいえば高校3年生。この肉体的に最高の状態である男女が、体力測定をおこなった結果その平均値をみてみると、握力は男性42Kg、女性28Kg。

背筋力なら男性は133Kgで女性は78Kg。ハンドボール投げなら男性27m、女性15mが平均値。持久走(秒)においても、男性は女性より2~3割ほど速い。

筋力、瞬発力はもちろん、運動における筋持久力、全身持久力ともに男性のほうが優秀。

男性の筋力は女性の約1.6~1.7倍。男性を100とした場合、女性は65くらいとみるのが妥当。

この差は女性が運動部に所属していたとしても、簡単に埋まるものではなく、全国大会に出場する上級アスリートで、帰宅部最速の男性に勝てるかどうかといったところ。筋肉の「質」において男女間に差はないが、「量」には大きな差がある。

小中高の体力テストの結果だけではなく、トップアスリートの世界も同様で、さまざまな競技の最高記録はすべて男性のもの。身体能力の差は努力で乗り越えられる個人差として扱うことすらできない項目。

それだけの差があれば、公平性確保のため、スポーツなどの競技を男女でわけるのは合理的。同じ条件下での比較は平等ではあるが公平ではない。

もともと男性に有利な指標で比較すれば、男性に優れた結果がでるのは当然。



「脳のちがい」

人間の脳の重さは平均1300グラムほどだが、身長、体重、性別によって個人差がある。平均で男性の脳は1274立方cm、女性の脳は1131立方cm、男性の脳は女性の脳より1割程度大きい。

それは、男性の体が女性より大きいからであり、脳が大きいから賢いわけではなく、男女の知的能力に差はない。

しかし、脳のつくりには微妙な差があり、男性は脳の前方と後方の接続が密になっている。それは周囲の状況を知覚する能力、「空間認識能力」が優れていることを示唆。

一方、女性の脳は左脳と右脳の接続が密になっているため、情報を容易に収集し、より包括的な結論を導きだせる。(同時に多くの情報を処理できる)

「成長速度」

体の成熟は女子のほうがやや早く、男子のほうがやや遅い。それにともなって、脳が成長する時期も平均的には男子のほうが遅いが最終的な学力とは無関係。それこそ個人差が大きい。

同性間であっても、国籍・人種によって考えかたや体格差、皮膚や髪の色、髪質からもののとらえかたまで、さまざまなちがいがある。

こうしたちがいは生来のものではなく、産まれた国、育てられかたや社会の環境がもたらした、遺伝的、後天的な副産物。 

「男性は理系が得意、女性は文系が得意」といった説も、「社会や教育」の影響を受けた結果であり、すべての人にあてはまるものではない。

男女の平均値のちがいにとらわれて、枠組みをつくり、その下に広がっている多様な可能性に目を向けず、「女性だからあなたはこれが得意」「男性だからこうでないと」と性別で判断するのは大まちがい。

こうした偏見は適した能力のある人が、その能力を発揮するチャンスを奪い、個性を殺してしまうだけ。

性別ではなく個人を、個性をみるのが重要。


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