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小さなヒーロー

最近、小3の息子と同じ特性を持った不登校の子どもたちの会に入会して、彼ら、彼女たちとオンラインで交流をし始めている。

息子が参加しているグループの参加者は、毎回、小1から小5の5名くらいなんだけど、そのうちの小1の男の子が、本当に絵に書いたような

憎まれ子、世にはばかる子

らしくて、

以前から彼にまつわるどいひーなエピソードは小耳には挟んでいて、こういう子がひとりいると、確かにみんなやりづらいだろうなあ、と内心、気にはなっていた。

昨日も彼のわがままぶりは炸裂したようで、その日は元々、マイクラをみんなでやる予定だったのが、参加者の一人の男の子のパソコンの調子が悪かったため、彼のパソコンでちゃんとマイクラができるまでみんなで会話しながら待とうという話になったんだけど、その子が

「おまえらと話しててもつまんないから、そいつはホッといて、やっちゃおうぜ」

と駄々をこね始めた。

みんなが無言になる中、息子は彼に向かって優しく

「きっともうしばらくしたら回復すると思うから、もう少し待てるかな」

と諭したそうだ。

そしたら、その子は息子のことは一応、優しいお兄さんとして一目置いていたので、しぶしぶ納得したらしい。

しかし、息子は、内心では彼のことがどうしても許せなかったみたいで、いったん解散したあと、隠密理にある作戦を決行した。

それはみんなが参加する前にこっそりマイクラのワールドに忍び込んで、彼の作ったお家を破壊するという、まさに破壊工作(笑)。

しかし、この作戦が奮っているのは、決して自分の手は汚さないところだ。

どういうことかというと、クリーパーという爆発するモンスターを彼の家の近くまでおびき寄せて、そこで爆発してもらったのだ。

そして、いざみんなでマイクラをやる段になって、くだんの彼が、無惨に粉々になった自分の家を目の当たりにして、当然ながら、怒り始めた。

「なんでこんなことになってんだよ!誰がやったんだ!」

そして、案の定、以前からいじめていた同級生の男の子に向かって、

「おまえがやったんだろ!」と突っかかり始めた。

そこで、全ての展開が想定通りの息子がすかさず助け舟を出す。

「いや、彼じゃないよ。だって僕、犯人みたもん」

「えっ!どうゆうこと?」

「うん、クリーパーが君の家を破壊する瞬間を僕は目撃したんだ」

うん、確かに息子は何一つ嘘を言ってない(笑)。

で、本当に納得したかは分からないけど、この一言で彼はとりあえずおとなしくなったそうだ。

しかし、このとき、どれだけ周りのみんながスカッと胸のすく思いをしたかと想像したら、思わず顔がにんまりしてしまった(僕も性格悪いよね(笑))

僕が帰宅するなり、息子は興奮しながらこのエピソードを報告してくれたのだけど、

「この悪巧みを思いついた瞬間、思わずデスノートの夜神月(藤原竜也)みたいな表情になったよ」

とか相変わらず君の表現は奮っているよね。

でも、僕が何よりも驚いたのは、神様の存在を信じていて、人一倍、他人を傷つけることや悪事を働くことにセンシティブな彼が、こんな大胆な行動を起こしたということだ。

そしたら、やはり「神様に怒られて、天罰が下るかもしれない」と思っていたそうだ。

でも、今回は、みんなのことを侮辱して傷つけた彼のことがどうしても許せなくて、勇気を出して作戦を決行したとのこと。

う〜ん、動機といい、自分の手を汚さずに事を成す知的で冷静な戦略といい、自分の子供ながら、

これってまさにヒーローのやることやん

と思わず舌を巻いてしまった。

しかし、学校に通えなくなったこの一年間で、彼がこんなにもたくましい男の子に成長していたなんて…。

どこかのルフィのコスプレした少年Youtuberよりも、もしかすると息子のほうがよっぽどあのフレーズに説得力を持たせることができるかもしれない。

ほんと、無理して学校なんか行かなくても、本人次第でちゃんと大人になれるのかもね。

そんな息子が好きなPVを最後に貼っつけておこう。


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