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#29 無計画日帰り敦賀旅

2024年5月4日。
GW後半戦2日目。

昨夜のAFC U23アジアカップ決勝戦の日本代表vsウズベキスタン代表の勝負の行方を見届けると、高揚していたのか、床に就くのが午前3時半を回ってしまった。
これで明日はきっと11時以降の起床になるだろう。
半ば諦めムードで目覚ましもかけずに寝入ったが、どういうわけか6時半に目が覚めてしまった。

二度寝を試みるが、眠れない。
仕方なく顔を洗って歯を磨いて、挿し木用にペットボトルに差しっぱなしの#25の啓翁桜※の水を変えたり、鉢植えのレモンやプランターの大葉やバジルのお世話をしているうちに、連れ合いが目を覚まし、リビングに姿を現した。

こういう日は珍しい。
休日は大抵、どちらかが惰眠を貪り、10、11時に起床。家でブランチをとってから午後の外出になってしまうことが多いが、この日はどういうわけか8時半の時点で外出準備が整ってしまった。

しかしながら、行き先がない。
ないならば、無理くりにでも作るしかない。

まずは、残りの連休と連休明けの分の野菜が欲しい。
美味い野菜が食べたいから『里の駅大原(野菜販売所)』に行くことにした。

大原に向かうとなると、滋賀か福井まで足を伸ばすのは必然。
季節柄、花を見に行くのはどうだろう。しかし、今年も植物の生育は早く牡丹や藤はとうに終わってしまっている。
躑躅ならまだまだ咲いてそうだから滋賀や福井の比較的京都から近いエリアで探してみるが、芳しい場所は見当たらなかった。

我ながら単純だが、比叡山の奥(滋賀、福井方面)の空を眺めていると、五月晴れだったのでなんだか海が見たくなってきた。
三方五湖界隈は一昨年くらいに行ったから、久しぶりに敦賀半島にでも行ってみるか。
そうだ、昔よく海水浴シーズンに訪れた、白浜が美しいダイヤ浜・水晶浜・竹波海水浴場のあたりのオフシーズンの様子を見に行こう。

ということで、『里の駅大原』で野菜を購入することと敦賀半島に海を見に行くことだけを決めて、車を走らせた。

***

大原へは平均すると月に1、2度通っている。京都盆地の北、洛北に位置し、車で20分程度走らせるだけで山道に入り、四季折々の美しい姿を見せてくれる。
今の時期は新緑が色鮮やかで、窓を流れる風景見ているだけで目の保養にもなる。
京都の市街地からちょっと行っただけの距離感だが、大原の里は周囲を山に囲まれ、独立した風土を保っている。
小野山霞おのやまがすみ』が山から降りて夜露を結び、湿度が高く、気温の日較差も大きい。 そのため大原の野菜は味が濃く、香りも強く育つので美味いのだ。
良い野菜が育つから京都市内の料理人が買い付けに足繁く通っている。
そんな野菜を低価格で手に入れることができるので重宝している。
我々には料理人のようなテクニックはないが、素材はこの辺の料亭と同じものを使っているのだ。
お店で食べたらちんまりとした量で何万円もする料理と同じ素材が、気取らずに普段使いできるという事実が嬉しい。
この日は家に葉物野菜が不足していたので、レタス類を数種類とセロリ、トマトなどを購入した。

若狭熊川宿付近の鯉のぼりが
気持ち良さそうに泳いでいた

大原を出ると、さらに北へ車を走らせる。
朽木、若狭熊川宿を通り、三方に着く頃には丁度正午になっていた。

国道27号沿いに美浜食堂という、いかにも地元の食堂を見つけたので、昼食をとった。GWの気候の良い時期なのでテーブル席とお座敷席はバイク乗りでいっぱいだった。

美浜食堂外観
選べるおかずの中から
豚生姜焼きと鶏唐揚げを
チョイスしたランチセット800円

メニューに地元セットというネーミングの定食があったが、注文してみると平日のみとのことで残念。

腹拵えを済ませ、車を数分走らせるとJR美浜駅に併設された『道の駅 若狭美浜はまびより』に辿り着いた。
新めな施設な上、レストランやカフェやバー、なんと一時預かり専門託児所まであった。レストランにはお刺身定食や焼き魚定食もあって、もう少し我慢してこちらで昼食にしたら良かったと後悔も過ぎったが、ものすごく混んでいたので美浜食堂で正解だったと自分に言い聞かせる。少しだけお土産を買って、綺麗なJR美浜駅を見学。

改札口からホームをのぞくと
手前に田んぼ奥に海の素敵な眺めでした

車はさらに北上。敦賀半島に突入して南から順番にダイヤ浜・水晶浜・竹波海水浴場を通る。
運転していたので写真が撮れなかったのは残念だが、車から見下ろし何年?十何年?振りに見た浜辺は相変わらず綺麗で、海の水も青く澄んでいた。流石に泳ぐような輩は見当たらなかったが、それでも波打ち際で遊ぶ人やBBQする人などで結構な人出だった。
家を出る時は、白い浜辺にチェアでも出してゆっくり日本海でも眺めようと思っていたが、浜辺から上がるBBQの煙を見るととてもそんな気になれなかった。
そこで半島の西側は諦め、敦賀半島トンネルを潜り東側へ抜け、敦賀発電所を横目に南下し、敦賀湾方面に出た。
すると気比の松原が見えた所に駐車場が有り、車を停めて道路を横切ると相模湾を見渡すことができる海水浴場があった。

車を停めて松林を行くと
綺麗な海水浴場
敦賀湾を見渡しながらチェアリング

1時間くらいだろうか。
昨日図書館で借りた原田マハと沢木耕太郎を読む。
たまに本から視線を上げて、停泊している船や穏やかな波を見る。
その繰り返し。
もう2時間くらい居たいロケーションだったが、昨晩充分に寝られていないコンディションを思うとそろそろ帰路に着いたほうがいい。

私がチェアリングで本を読んでいる間に、連れ合いがJR美浜駅の案内所でもらってきた、ことりっぷのフリーペーパーを見て、JR敦賀駅前に『ちえなみき』という少し変わった本屋があるのを見つけたので、最後に寄ってみることにした。

敦賀市が整備し、丸善雄松堂・編集工学所が運営する新しいスタイルの書店です。3万冊を超える本が、まるで迷路のような書棚にところ狭しと並び、利用者を知の迷宮へ誘います。大人も子どもも参加できるイベントを定期的に開催し、市民の知りたい、学びたい気持ちに応えます。また、併設する中道源蔵茶舗のカフェで本に囲まれながら過ごす寛ぎの時間も、ここでの楽しみ方の一つです。

TSURUGA POLT SQUARE
「otta」ホームページより
いたる場所に座れるスペースがあった
迷路のように書架入り組みように配置

こういう遊び心がある本屋って良いですね。京都にも出来てほしいな。

『ちえなみき』に向かう途中、敦賀駅前の商店街『シンボルロード』の両端に松本零士の『銀河鉄道999』と『宇宙戦艦ヤマト』のモニュメントが沢山設置されているのが見えたので、ついでに立ち寄ることにした。
ストーリー順に名場面を再現した計28体のブロンズ像が1ブロックごとに並んでいる。
子供の頃、1番好きだった銀河鉄道999の車掌さんと写真を撮った。

メーテルも
鉄郎も
良いんだけど
やっぱ車掌さん〜
車掌さんの後ろに999が
これぞ漢の佇まい

車窓さんって個性豊かな惑星を鉄郎が冒険してきて999に戻ると暖かく迎えてくれる存在で、頼り甲斐と優しさを感じる存在でした。子供心にこんなオッサンになりたいって思ってたけど、なれたかな。なれてねえよなあ。

起床した段階では何も決まってなかったけれど、無理やり外出して楽しい日帰り旅ができました。

帰りは琵琶湖の白髭神社付近の渋滞で苦しみましたが、無事帰宅することができました。
めでたしめでたし。


※関連記事
啓翁桜の挿し木をしようか思案していた(後日、しました!)話はこちらから読んでいただけると幸いです。

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