私の祖父は大正の初めに生まれた。今はもういない。生きていたら、とうに100歳を超えている。なかなか気難しい大正の男だった。小さい頃は、ちょっと祖父が怖かった。厳…
小学生前に、私が住んでいた家はとても古かった。トイレは汲み取り式だし、家の中には土間があった。台所(キッチンと言えるようなものではなく…)も土間にあり、居間に…
小学生の頃、私はやせっぽちで食も細く、偏食だった。それにもかかわらず、風邪もほとんどひかないし、熱も出さない元気な子どもだった。それでも、時々熱を出して学校を…
息子がまだ小さかった頃のこと。保育園から帰った息子は、 「オタガガムシの絵本をよんでもらった。」 と、保育園で読んでもらった絵本の話をはじめた。 オタガガムシ…
あなたが旅立ってしまって、もう15年です。あなたの新しい歌が聴けなくなって、もうそんなにも経つのかと、改めて寂しさと驚きの気持ちです。 わたしがあなたの声を聞…
子どもの頃、泥だんごを作るのが大好きだった。握るとぎゅっと硬くなる、泥だんごに向いている土がある。雨が上がり湿った土は作りやすかった。おにぎりみたいに、いや、…
文章を書きたい気持ちはあって、でもなんだか頭の中がまとまらない。そんな感じだ。 このところ、自分の気持ちがトゲトゲしているのがわかる。疲れているんだろう。私…
先日、友人がこの世から旅立ってしまった。気持ちの整理ができず、感情がふわふわとしている。何かしているときはいいのだけれど、ふと空白になったとき、ブワッと感情の…
何度かnoteに書いた私の友人(Sちゃんという)のことを書いてみたいと思った。私にとって、とてもとても大切な人だ。 Sちゃんと私は、幼稚園から高校までずっと一緒だ…
娘に誘われ、『Pikmin Bloom』というアプリを入れた。お散歩ゲームというのかしら、歩くとピクミンが育っていく。ピクミン、かわいいのだ。とても愛らしい。 今日は夜…
母のことは好きだし、尊敬している。けれど、今まで私が出会ってきた女性の中で、一番謎なのは母かもしれない。小さい頃は、それほど気にしていなかったが、自分が大きく…
春は好きだ。私の中での春の記憶は、子供の頃の記憶が一番濃い。大人になっても、車から春めいてきた景色を見るたびに、心が少し躍る。路肩に車を停めて、外に出たい衝動…
食後、リビングに掃除機をかけていた。椅子に座ったままスマホをみて動かない娘が邪魔なので、 「ちょっと邪魔だからどいてよ。」 私が言うと、娘は椅子の上に立ち上が…
「ねえ母ちゃん、やっぱり手作りがいいかな?」 ホワイトデーの前、息子から相談があった。ホワイトデーのお返しは、手作りにするかどうかである。女子からもらってきた…
子どもたちが小学生の頃、わが家でオセロが流行ったときがあった。子どもたちが、私に勝負を挑んでくるたび、こちらも毎回本気で勝負に臨んでいた。手を抜いたことはなか…
Cotyledon
2024年5月28日 09:47
私の祖父は大正の初めに生まれた。今はもういない。生きていたら、とうに100歳を超えている。なかなか気難しい大正の男だった。小さい頃は、ちょっと祖父が怖かった。厳しい人で、言うことを聞かないと、叱られていた。うるさいのもあまり好きじゃなかったようで、おしゃべりな姉に向かって、「うるさいから、黙ってしゃべれ!」 と怒っていたことを今でも覚えている。怒られた姉の横で私は縮み上がっていた。今思う
2024年5月21日 21:21
小学生前に、私が住んでいた家はとても古かった。トイレは汲み取り式だし、家の中には土間があった。台所(キッチンと言えるようなものではなく…)も土間にあり、居間に行くには、スリッパを履いて、土間を渡らなければいけなかった。とにかく、古い家だった。当時は、ネズミが出ていて、土間にはパチンと挟む金属の鼠取りを置いてあった。夜になると、天井裏をネズミが走る音がしたり、昼間には、裏口からヘビが入ってくること
2024年5月12日 17:59
小学生の頃、私はやせっぽちで食も細く、偏食だった。それにもかかわらず、風邪もほとんどひかないし、熱も出さない元気な子どもだった。それでも、時々熱を出して学校を休む時があった。そんな日の特別な思い出。 思い出は断片的だ。それぞれが繋がっていたのか、それともまた違う時なのか。 学校を休む日の朝は、心許ない。家の前の道路をワイワイ言いながら、小学生たちが登校していく。その波に乗れず、布団の中で
2024年5月8日 22:21
このところ、ずっと不調で気分がすっきりしなかった。休みになると、ついベッドで読書して昼寝して…ということばかり。今日は平日の仕事休み。思い切って、1人で出かけた。きれいな景色を見て、あー、これが必要だったんだと思った。夜は、大好きなそら豆を塩茹でして食べた。ビールが欲しい。
2024年5月5日 22:27
息子がまだ小さかった頃のこと。保育園から帰った息子は、「オタガガムシの絵本をよんでもらった。」と、保育園で読んでもらった絵本の話をはじめた。オタガガムシ…聞いたことのない虫の名前だ。なんだろうと思いながら、息子との会話を進めていくと、正体がわかった。「オタマジャクシ」だった。 オタマジャクシ→オタガガムシとなってしまったようだ。わからなくもない。かわいらしい間違いだ。オタマジ
2024年5月3日 23:04
あなたが旅立ってしまって、もう15年です。あなたの新しい歌が聴けなくなって、もうそんなにも経つのかと、改めて寂しさと驚きの気持ちです。 わたしがあなたの声を聞いた、一番古くて鮮明な記憶は、中学生のころだったと思います。テレビで流れていたパパの歌です。リビングのテレビから流れる、のほほんとした曲調と歌詞に心奪われました。のんびりとした出だしから、ハイテンポになり、働くパパを讃える歌詞に胸が熱くな
2024年4月27日 19:19
子どもの頃、泥だんごを作るのが大好きだった。握るとぎゅっと硬くなる、泥だんごに向いている土がある。雨が上がり湿った土は作りやすかった。おにぎりみたいに、いや、おにぎりよりももっと力を入れて、ギュッギュッと握る。綺麗な丸い形になるように、少し手の中で転がしながら握っていく。形ができたら、さらに手の中でコロコロと転がして、まんまるにする。 次は、まんまるになった泥だんごに、サラサラとした粒子の細か
2024年4月20日 13:01
文章を書きたい気持ちはあって、でもなんだか頭の中がまとまらない。そんな感じだ。 このところ、自分の気持ちがトゲトゲしているのがわかる。疲れているんだろう。私のトゲトゲがなんとなく子どもたちにも伝染している気がする。ごめんね。子どもたちも新学期、環境の変化で疲れているはず。今ここで止めておかないと、と思うのだが、なかなかこれが難しい…。 それでも、書き始めると少し気分が落ち着いてくる。不思
2024年4月14日 21:56
先日、友人がこの世から旅立ってしまった。気持ちの整理ができず、感情がふわふわとしている。何かしているときはいいのだけれど、ふと空白になったとき、ブワッと感情の波が押し寄せてくる。 彼女との付き合いは、それほど長くはないけれど、大切に思っていた友人だ。子どもが小学生の頃、地区の子ども会の活動を通して知り合った。子どもの学年は違ったけれど、いつもにこにこ話しかけてくれる彼女に、わたしはほんわかと
2024年4月5日 16:59
何度かnoteに書いた私の友人(Sちゃんという)のことを書いてみたいと思った。私にとって、とてもとても大切な人だ。 Sちゃんと私は、幼稚園から高校までずっと一緒だった。小学校の時は、何度か同じクラスになったこともある。中学校では同じ部活で、高校では3年間同じクラスだった。こうして書くと、幼い頃から、仲良しだったように思えるが、全く違う。Sちゃんと私が仲良くなったのは、高校に入ってからだ。仲が
2024年4月1日 23:41
娘に誘われ、『Pikmin Bloom』というアプリを入れた。お散歩ゲームというのかしら、歩くとピクミンが育っていく。ピクミン、かわいいのだ。とても愛らしい。 今日は夜少しだけ、時間があった。天気も良かったので、なんとなく気持ちが良い。散歩に行こうかな、と思った。夜8時頃、スマホを持って家の周辺を歩くことにした。 玄関から出ると、春の気配がした。春らしいにおいがする。いつのまにか虫の鳴く声
2024年3月28日 23:02
母のことは好きだし、尊敬している。けれど、今まで私が出会ってきた女性の中で、一番謎なのは母かもしれない。小さい頃は、それほど気にしていなかったが、自分が大きくなるにつれ、母のことがわからなくなった。何を思ったり、感じたりしているのか、わかりにくい。愛情は深い人だとは思う。私のことを心配したり、大切に思ってくれているのはわかる。でも、母のことがわからない。 うちは商売をしていたので、母は一見人
2024年3月24日 18:09
春は好きだ。私の中での春の記憶は、子供の頃の記憶が一番濃い。大人になっても、車から春めいてきた景色を見るたびに、心が少し躍る。路肩に車を停めて、外に出たい衝動に駆られる。①おままごと 幼い頃、おままごとが好きだった。母からもらった赤い小さなトランクに、いらなくなった食器を詰めたものが、私のおままごとセットだった。私の家の裏には、空き地や畑があったので、そこから春の草花を摘んできて、お皿に並
2024年3月22日 20:03
食後、リビングに掃除機をかけていた。椅子に座ったままスマホをみて動かない娘が邪魔なので、「ちょっと邪魔だからどいてよ。」私が言うと、娘は椅子の上に立ち上がり、私を見おろしている。そうじゃない、椅子からどいてほしいのに。足元は掃除機かけられるけど、そういうことじゃないんだよ、と伝えると、「そういう人が宇宙に行くんだからね!」と、訳のわからない返答。人にない発想っていうのが大事なんだ
2024年3月19日 00:33
「ねえ母ちゃん、やっぱり手作りがいいかな?」 ホワイトデーの前、息子から相談があった。ホワイトデーのお返しは、手作りにするかどうかである。女子からもらってきた様子はない。返すとしたら、ばあちゃん、ひいばあちゃん、お姉ちゃん、私である。ばあちゃんたちは、孫が作ってくれたとなると、とても喜ぶだろう。「手作り、いいんじゃない?」と、私は返事をした。 ホワイトデーの前日の夜、息子はせっせと
2024年3月14日 22:13
子どもたちが小学生の頃、わが家でオセロが流行ったときがあった。子どもたちが、私に勝負を挑んでくるたび、こちらも毎回本気で勝負に臨んでいた。手を抜いたことはなかったと思う。小学生相手に大人げないかもしれないが、ほとんど私が勝っていた。それでも、子どもたちは何度でもチャレンジしてきた。 オセロでは勝てる私だが、神経衰弱などは苦手だ。覚えられない。若い脳には勝つ気がしない。毎回負けるのは私だった。