なぜ私が『低評価』の病院に決めたのか ~☆1.2の精神科医~

こんにちは、精神科通院マンの慈岳です。

今回は病院選びをしたときのエピソードを語りつつ、口コミあるいはレビュー、いわゆる『星』のお話を。これらを数字だけ見て判断したら良物件を逃しますよー!って内容です。

ではどうぞどうぞ。


●レビュー数は特大、星はしょんぼり

今の病院に掛かって2年半となりますが、主治医は口コミでボロカスに書かれています。病院選択の際に閲覧した某サイトでは、レビュー数が数百あり、『数』だけ見ればかなりの『人気』です。医師=院長1人の個人医院でこれはスゴい。

しかし、評価は☆1.2。
低ッッ!まじ低ッ!!

これだけのレビュー数でこの『星』は、なかなかお目に掛かれません。レビューが多いところはだいたい☆3~4に落ち着くんですよ。レアキャラ大好きな私は、好奇心9割、情報収集1割でレビューページを開いてみます。

●百鬼夜行のレビューページ

結論から言いますね。
そこは『魔物の巣窟』でした。

精神科なので患者層的に仕方ないとしても、6~7割くらいが逆恨みや勘違い、そして理不尽な暴言。残り2割ほどが診療に不満はないものの、医師と人間的に合わなかった人。1割が星4~5つの高評価勢です。これは……ニッチウケする系か?

逆恨み勢で散見された、同意見レビューを一部ご紹介しましょう。

  1. 「最低な病院。」

  2. 「余計に具合が悪くなりました」

  3. 「スタッフは優しいけど医師がいちいち決め付けてきて不快」

  4. 「私が何か言うたびに『それを聞いてるんじゃなくて、これを聞いてる』って言われて、診察室で泣いてしまいました」

  5. 「前の病院は20分だったのにここは5分しか話を聞いてくれない。子供を相手にしてるような話し方。バカにしてるんですか?」

  6. 「(文字数いっぱいの1~5を混ぜた愚痴と自分語り)」

……あれっ、意外と 私にとっては 良い医師なんじゃないか?

noteの住民ならご存知でしょうが、ネガティブレビューから読み取れることも実はたくさんあるのです。

●低評価レビューから何を読み取ったか

どこの業種のレビューでもあるあるの、1と2のタイプはノーカン&スルー。Xのクソリプにも劣る電脳世界の塵芥。参考にするのは3以降の系統です。

まずは3系統。

看護師、カウンセラー、事務の方の対応は良さそうです。そして医師は、言い切れることはきっちり断定する。「かも知れません」を乱発されたら頼りないですが、これなら診ていただきたいと感じます。

次、4系統。

話が脱線したら即座に軌道修正する医師だと見ました。医師の仕事は治療であって、おしゃべりではありません。患者はたくさんいます。治療に必要のない話をして無駄な待ち時間を発生させるのは、良い医師とは言えないでしょう。

それから5系統。

高評価も含めて他のレビューと併せ読むと、医師は診察や診断に集中し、患者からの『情報収集』は看護師とカウンセラーが別途時間を取ることで行う。このように仕事を分けていることが見えました。話し方についてはご本人の癖や、患者へ当たりをやわらかくするための配慮と推察できます。

さいごに6系統。自分語りはnoteでやりなさいww 

●医師は戦略的ゆるキャラ

病院の公式サイトは必要十分な情報だけが掲載されたシンプルなもので、好感を持ちました。ここで決まりです。逆張りと検証が大好きな慈岳サン、さっそく電子問診票を送信して初診予約→受診。

待合は1人掛けの布製ソファーが並びます。人目が怖い人への配慮からか、ブース型になっている席も。さすが分かってらっしゃる。予定時刻まで15分。受付さんの指示に従い、そんじゃあ座って待ちますかねーっと……。

医師「桜木さーん」

早!!呼ぶの早ッ!!
膝の角度60°で止まった!

尻のやり場を失った私はすぐに診察室へ。いよいよ例の医師と対面します。

医師の応対の第一印象は『戦略的ゆるキャラ』。パキッとしてはおらず、かといって好好爺でもない。病院ではゆるキャラでも、医師しかいない学会などの場ではパキッとしている。そんな感じ。盛大なギャップ系出オチを食らって一気にドツボにはまりました。

とはいえ私はここに治療で来ています。ツッコみ欲やイジり欲が湧いて出ますがガマンして、すぐに詳しい問診に突入。うん、やっぱりちゃんと医師です。(そりゃそうだ)

●不要な話をせず断定的なのもレビュー通り

  1. 幼稚園頃から学生までの成育歴

  2. 社会に出てからの経歴と生活環境

  3. 各コミュニティー内での自分の立場

  4. 現在の職場・家庭環境

医師からの問診はだいたいこのあたりでしたかね。1と2ではライフステージごとに『イジメ』を受けたことがないかどうか、めちゃくちゃ聞かれました。これは気になりますねー。

慈岳「イジメはそんなに重要なワードですか」
医師「まぁね。でも桜木さんは(イジめられた経験がないから)関係ない。はい質問続けるよー」

おぉ、あっさり次行った。

医師「……現時点でね。桜木さんは普通の人が気にすることは全然気にしないのに、気にしないことはものすごく気にする。普通の人より10倍は神経質でせっかち。歩くの速いでしょ」

もろもろもろもろ。イイ感じに断言してくれました。強く言い切るのではなく、教え諭す雰囲気。お坊さんの法話に似た感じだと言えば伝わりますでしょうか。私は好感を持ちましたが、好き嫌いは確かに分かれそうです。

初診に行って低評価付けてた人は、(医師主観で)不要な質問をさっくり切り捨てられたり、高圧的にされるよりも逆らいにくい『お諭し』に圧されたりして、シンドくなってしまったのかも知れませんね。

●夫「俺なら怒り狂うかもw」

医師のキャラにすっかりハマッた私はここへの通院を決め、次回の予約をして大満足で帰投。遠方へ初診に行く妻を心配していた夫(過保護)が、どうだった?と聞いてきます。

慈岳「めっちゃおもしろかった」
夫「病院行っておもしろいって何w」
慈岳「病院というか、先生がだな」

医師のおもしろポイントをかいつまんで伝達。

夫「よくそれで怒らなかったねぇ」
慈岳「怒るべき要素が見当たらない」
夫「あー慈岳も快刀乱麻タイプだもんなぁ。俺なら怒り狂うかもw」
慈岳「あー夫さんは断たれる側だもんなぁ」
夫「こらぁw」

医師も患者も人間なので、相性の合う合わないは必ずあります。夫なら☆1つの評価を付けたでしょう。

●さいごに……レビューは内容を見て総合的に判断を

2回目以降の通院はこれまたレビューから推測した通り、医師の診察は5分ほど、追加情報の収集は看護師面談15分前後の構成としていました。そしてある程度情報が集まると、患者の状態に合わせて心理士さんやカウンセラーさんが登場する流れ。

誰が何を担当するのかよく分からない状態がキライな私には、この点でも良い病院を見付けたと感じています。

『レビューは数字じゃなく、内容を重視して閲覧する』
『ネガティブレビューもポジティブレビューも両方読む』
『できるだけ多くのレビューを読み、総合的に判断する』

病院に限らずお店やお宿、通販などでも、この3つを頭に入れておけば、自分に合ったものを見付けやすくなります。レビューはnoteのように『文章を書き慣れている人』が極めて少ないため、全体から読み取るのがコツですね。

ミスマッチをへらすためにもぜひぜひお試しくださいまし!

おしまい。

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