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28年間兵庫を堪能した僕が思う兵庫県の魅力

ふるさと兵庫県を離れ島根県海士町に移住して約1ヶ月半が経つ。

生まれてから大学卒業までの22年間 兵庫県で過ごし、社会人6年間は大阪に住みながら休みになると地元兵庫散策をするほど心は兵庫県にあった。

学生の時に兵庫県の魅力とはなんぞやと一度考えてみたことがあった。
兵庫県を一旦離れたからこそ、もう一度現時点での僕が思う兵庫県に魅力について紹介していきたいと思う。

兵庫県の魅力① 日本の縮図 グラデーションのある地域、1県で5国ある県は兵庫県だけ

兵庫県の魅力で巷で言われるのは、『日本の縮図』というキーワードがよく使われる。

僕は兵庫県の最大の魅力はバラエティ溢れていて、グラデーションがかかっている土地だと思う。

兵庫学検定の対策講座を受けていた時に、兵庫県に詳しい園田学園女子大学の名誉教授・田辺眞人先生が以下のようなことを講座でおっしゃっていたのを思い出した。

飛鳥時代から廃藩置県が行われる明治時代まで使われていた令制国(旧国制)では、66国を45府県(北海道と沖縄は除く)で45府県で割れば1都道府県1.5府県で、兵庫県の場合は5国(摂津、播磨、丹波、但馬、淡路)と3倍以上の国で成り立つ都道府県である。

兵庫県五国



1都道府県5国で成り立つ都道府県は兵庫県だけで、それぞれ文化も気候も違って兵庫県内散策で温泉、スキー、マリンスポーツ、登山、田園風景、都会などビュッフェのようにつまみ食いできるような恵まれた環境だ。


また兵庫県の面積は8400.45㎢と近畿地方で最も大きく、全国12位と上位に入る県。

5国ってどんな国なのかも兵庫県に長年住んで感じたことを踏まえて紹介していきたいと思う。

兵庫県五国 摂津国

摂津国

旧居留地や有馬温泉、港町の神戸、手塚治虫や宝塚歌劇の宝塚市、甲子園球場がある西宮市などがある。海・山・街といろんな風景を堪能できるのが魅力的だ。兵庫県の人口の約6割が集中している地域である。


関西学院大学

僕が摂津国(阪神間・神戸)の特徴を表すなら西洋文化・近代モダニズムだと思う。僕が通っていた兵庫県西宮市にある関西学院大学の建築もその一例だ。

摂津国(阪神間・神戸)に来たら神戸はもちろんのこと、阪急電車に乗って建築をめぐる旅、都市文化を堪能する散策をしてみるのがおすすめである。

阪急沿線沿い紹介①
阪急沿線沿いの紹介②
手塚治虫について
ジャングル大帝のキャラ


阪急電車に乗ってみると電車内の広告、十三駅の乗り換えホームの壁の展示は阪急沿線沿いの上品な感じの都市文化を感じ取ることができる。

【摂津国の市町村】
尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市・川西市・三田市・猪名川町

兵庫県五国 播磨国


播磨国

兵庫県の面積の4割を占めるくらい大きな地域。

世界遺産姫路城や西の比叡山とよばれる書写山園教寺のある姫路市、柳田國男の生誕の地・福崎町、山田錦・敬老の日発祥の地の多可町

そして兵庫県で最も長く一級河川である加古川市、播磨の小京都・たつの市など歴史ロマンあるれる地域が多い。

兵庫県加西市の東光寺の鬼会


祭り・民俗芸能でも加西市の春の北条節句祭り、秋祭り、灘のけんか祭り。冬には1月から2月にかけて鬼追い、鬼会と呼ばれる五穀豊穣を祈り悪魔を払う奇才などが存在するお祭り大国だ。


食においても、姫路おでん・明石焼き、牡蠣、ハモ、播州百日鳥など豊富で和食から洋食まで楽しめる。姫路にある創作そうめんの店「ROBO DINING 手延べの掟」は斬新な味わいだ。


姫路市のカフェドムッシュのアーモンドバタートースト


姫路を中心とした喫茶店のモーニングでアーモンドバタートーストもよく見かけるので忘れてはならない。アーモンドバターが冷蔵庫にある家庭もあるのではないかと。

兵庫県は古墳の数日本一で播磨地域は兵庫県で但馬地区の次に多く
兵庫県全体の約3割を占める。(兵庫県立考古博物館 兵庫県遺跡地図 遺跡地名表のエクセルを元に算出)


加西市の古法華自然公園の石仏


古墳以外にも加西市周辺には五百羅漢な古法華自然公園など石仏なども面白い。

播磨地域には兵庫県の国宝のほぼ全てが集中している。(大山寺は神戸だが旧国制では播磨国)。

僕が播磨国の魅力を一言で表すと「日本史探訪の真髄が詰まっている地域」、「和風」だ。

僕自身、播磨地域の人間だが日本史が好きでふるさと探訪が小さい頃から楽しくてたまらなかった。

他にも杉原紙や播州毛鉤、そろばん などたくさんあげれば日が暮れてしまうので伝統工芸品も素朴だが地に足のついた魅力的なものが多いということはお伝えしたい。

播磨の文化は西に行くほど岡山の文化圏も徐々に出てくると思う。岡山弁を聞くと確かに播州弁と似てるところもある。これはあくまでも僕の主観に過ぎないが。

【播磨国の市町村】
明石市・加古川市・西脇市・三木市・高砂市・小野市・加西市・加東市・多可町・稲美町・播磨町・姫路市・相生市・たつの市・赤穂市・宍粟市しそう・福崎町・神河町・市川町・太子町・上郡町・佐用町


兵庫県五国 丹波国


丹波国


谷川駅



旧国制の丹波国は丹波市と丹波篠山市の2市から成り立つ。
丹波の黒豆、丹波栗、しし肉などジビエ料理など旨い農産物がどっさりと。
篠山デカンショ節のような民謡、丹波立杭焼などの陶芸文化もあるのが丹波の特徴。

僕も大学4回生の時に大学のとあるプログラムで丹波で陶芸体験を経験した。

山の紅葉が色づき木枯らしが吹く秋の丹波路で無心に自分の陶器を作る体験はゆったりで豊かな時間だった。

最近はよく聞く言葉で言うなら丹波でチルできたということだろう。

柏原や篠山のような城下町も京都のような佇まいものんびりするにはうってつけだ。

丹波地域で忘れてはならないのは丹波恐竜の地であること。
丹波竜化石工房 ちーたんの館や丹波地域恐竜化石フィールドミュージアムなど小中学生の自由研究などにおすすめの場所だ。

丹波には丹波おばあちゃんの里という名前の道の駅があるのだが、名前の通り丹波の旬の食材を使ったお弁当などがあったり、おばあちゃんの家に来たかのような感覚になる。丹波地域は非常にゆったりとした雰囲気の空間なので夏休みの合宿、リトリートなどには相性が良いのではなかろうか。

丹波国を一言で表すならば「のどかな さとやま」
それくらい本当にゆったりしている地域で高校生の時に加古川線で谷川駅に降りた時の感動は忘れなかった。

【丹波国の市町村】
丹波市、丹波篠山市


兵庫県五国 但馬国


但馬国


城崎温泉

但馬国は兵庫県最高峰の氷ノ山や神鍋高原。城崎温泉、湯村温泉、浜坂温泉などの温泉街。

山陰海岸世界ユネスコジオパークでもあり豊岡市にある玄武洞もおすすめだ。

天然記念物のコウノトリもいる。

他には天空のマチュピチュと言われている竹田城(朝来市)も有名だ。

丹波市と朝来市の市境界線

気候は日本海側の気候で冬期はシベリアからの北西の季節風の影響を受けて降雪量が多い。夏場はとてつもなく暑い

余談だが玄武岩は中学生2年生の時に自由研究のテーマのネタがなく取ってつけて終わらせるために訪れた思い出の場所だ。
小中学校のスキー教室、高校時代のオリエンテーション合宿でハチ北高原の登った記憶がある。ハチ北は春でもかなり肌寒かった。

学生の頃は気づかなかったのだが、但馬国あたりから神戸ナンバー姫路ナンバー以外に鳥取ナンバーの車のチラホラ見かけた。鳥取県のの文化圏も少し入って来ている。


麒麟獅子舞

例えば霊獣が舞う伝統行事・麒麟獅子舞というものがある。これは因幡・但馬に伝わる伝統芸能だ。僕もまだ見に行けていないので見にいきたいと思う。

但馬国を一言で表すなら「兵庫のアウトドアのメッカ」だ。


【但馬国の市町村】
豊岡市・香美町・新温泉町・養父市やぶし朝来市あさごし

兵庫県五国 淡路国

淡路国一宮

淡路国は『日本書紀』や『古事記』の「国生み神話」に登場する伊弉諾イザナギ伊弉冉イザナミ との二神が淡路島を日本列島より先につくったと記されているそう。淡路国一宮・伊弉諾神宮の荘厳な雰囲気には圧倒された。
淡路島を訪れるなら一度は訪れてほしい。

人形浄瑠璃や淡路島出身の商人・高田屋嘉兵衛など江戸時代の文化歴史にも触れることができる地域だ。

淡路の気候は瀬戸内海側の気候で冬も温暖で年間通じての降水量も少ない。

兵庫県立公園あわじ花さじきの花畑や水仙の花もおすすめ。

玉葱
また玉葱
玉葱の主張が強い🧅

淡路島といえば玉ねぎ!!平安時代にかけては朝廷・皇帝に食材を提供する
|「御食国」《みつけくに》として栄えていたといわれている。
淡路玉ねぎは本当に美味しい。玉ねぎのステーキは個人的におすすめだ。

淡路国を一言で表すなら「花と神話の国」だと思う。


兵庫県の魅力② スポーツ観戦


夏の甲子園

兵庫県には西宮市に阪神甲子園球場がある。高校野球の聖地だ。甲子園での春の選抜高校野球、夏の全国高校野球選手権大会、プロ野球などが見れる。
高校野球は高校1年生の時に暇すぎて中継でみたら、興味を持ち現地観戦をした。


甲子園現地観戦でしか味わえない、球場のボルテージ、屋台の独特の香り、朝の日差し、夕焼け、ナイターの景色どれをとっても幻想的。

兵庫に来た際は一度は甲子園に訪れてほしい。甲子園で試合を見た後に阪神甲子園駅に向かう時に「今日の試合は いい試合だったな。」と試合の余韻を楽しむのも甲子園の醍醐味だと思う。

甲子園に来た際は甲子園カレーは食べるのがおすすめだ。カレーライスのシンプルな味わいに舌鼓を打つに違いない。

他にもサッカーではヴィッセル神戸など見どころはたくさんある。


兵庫県の魅力③ 交通アクセスの良さ

兵庫県は電車で大阪、奈良、京都、滋賀、ちょっと足を伸ばせば和歌山へ。
関西圏のアクセスの良さは抜群。JRの新快速を使えば敦賀にも遠出できるのもポイント。

岡山方面、四国方面にも足を運んだり、フェリーで九州、飛行機だと伊丹空港に行けば東北、北海道、沖縄とかにも行けるので旅好きにはもってこいの地域だと思う。

兵庫のど真ん中に住んだとしても電車で1時間で神戸、バスで1時間半ほどで大阪にも行けたりするのでちょうど良い地域でもある。

終わりに

兵庫県を一旦離れて、兵庫県の魅力とは何なのかを整理してみたが、
まだまだ僕の知らない行ったことがない土地、祭りがある。

兵庫県は国際色が豊かな都道府県だと思う。

一方で世間的には兵庫県といえば大体神戸とその他の括りで語られることもあり、ええところたくさんあるのにめちゃくちゃ勿体無いやん感じた。

これは大学時代からそうだった。

少しでも兵庫県に関心を持っていただくには地道にコツコツと自分の手と足を動かして感じたこと、学んだことをより分かりやすく伝えることかと思う。

この記事を書くにあたっても兵庫県のことについてより知る良い機会になった。


これからも兵庫の発信は続けていくつもりなので、新しい情報が出てくる時に兵庫県外にいながら兵庫県に関することは常にアンテナをはっておきたい。

島根県海士町に来てから『出雲国風土記』をいう単語を史跡看板や図書館の本などでよく目にするようになった。兵庫県にも『播磨国風土記』がある。

『出雲国風土記』、『播磨国風土記』は日本で現存する風土記。

本をじっくり読むのに適した環境に身を置くことができたからこそ、『出雲国風土記』の内容を理解して島根県のことを知りつつ、ふるさと兵庫の『播磨国風土記』についても理解するのが今年のテーマのひとつだ。

今後の記事でも兵庫県をより深く知り楽しむためにどうするのか、兵庫県で行ってよかった場所なども取り上げていきたいと思う。


兵庫県の全市町村の友好都市を調べてみるのも普通に面白いなと。兵庫県という5国で成り立つ地域を軸にいろんな切り口で紹介をしていきたい。

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