転職して3日、「グレーゾーン」の大切さを実感する

書店の契約社員に転職をして、とりあえず3連勤を終えてきた。
3年越しの見知らぬ職場、学生バイト時代以来の「心のざわざわ感」を感じた。

事務所に行くまでの道の複雑さ。
どうして良いか分からない自分。
せかせかと働く先輩たち(とても質問し辛い)。

改めて文字に起こしてみると「最初なんて何も分からないのが当たり前なんだから、しれっと誰にでも聞いてみたり、動いてみたりすれば良い」と思えるのだが、いざその場に立つと、

迷惑掛けたくない。
嫌われたくない。
居場所を失いたくない。等など
抱いたところでどうにもならない感情に、まんまと支配された。

心構えを持っているような人や、色んな経験を学びに変えたりしているような先人ならともかく、全ての経験が浅く中途半端な自分なら、ある意味自然の成り行きだったとは思う。
ただ、学生や新卒だった時とは少し違うと思えたこともあった。
「グレーゾーン」を守れたことである。

具体的には
・「自分駄目だ、情けない」などのような自己評価の思考をストップした
(無理して止めるのではなく手放した)
・先輩に対しての評価をしない
(ただ1、2回会っただけの人に対して好き嫌いを考えない)
・謝る時は、心から落ち込みすぎない
(ヘラヘラするのではなく、ただ淡々と謝罪を伝える)
・知ったかぶりをしない
(違う先輩に同じことを言われても、十中八九浅い理解のはず。そこから新たな知恵を得られるチャンスを失わない)

まとめて言い換えるならば、「中庸を行く」と言うのだろうか。
私が人生において参考にさせていただいている先人、先生方は何人かいるが、特に強く頭に思い浮かんでいたのは「老子」だったように思う。

愛読している「老子」の本。
1つの教えに4つの文で記されているので、様々な角度から読み深めることが出来る。

「つま先で立つ者は、長く立っておられず、大股で速く歩こうとする者は、かえって遠く行けなくなる。」

野中根太郎『老子コンプリート』2019

「無為にして為さざるはなし(無為の境地に達すべし)」

野中根太郎『老子コンプリート』2019

「「道」に従い、生に執着しすぎず、柔らかく生きる」

野中根太郎『老子コンプリート』2019

「知っていても、まだ分かっていないことがあると自覚しているのが最上のことである。わかっていないのに、よく知っていると思うのが欠点である。」

野中根太郎『老子コンプリート』2019


無為自然に、思惑や邪心でおかしな手を加えずありのままに。
生き急ぐことなく、作為的に鈍くもならず(サボらず)。
卑屈にならず、増長もしない。
ネガティブにも、ポジティブにも偏らない。

万物は相対的ではなく、絶対的。
白か黒かのどちらかではない。必ずグレーゾーンが存在するはず。

余談だが当方、出勤2日目にして大事な書類を無くすという大ポカをやらかした。
勿論大事にしまっておいたにも関わらずであったので、凄まじく落ち込んだが、老子を初めとする先生たちの教えのおかげで素直に謝り、引き摺りすぎることなく、次の作業に手を付けることが出来た(そして勿論、先輩方のおかげでもある)。
もし今失敗に挫けそうになってる方がいたら、こういう人間もいるのだと思い出して貰えると有難い(笑)

無闇に判断することなく、逸ることなく、じっくりと仕事を極めて行きたい。

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