産後に作ったものの話

息子を死産した後に久しぶりに手芸をしたことを以前に書いた。息子の産後に作ったものと娘の産後に作ったものをそれぞれ一部紹介する。

生業にしているわけではなく、各レシピや型紙は人に見せられるようなレベルのものではないので載せない。ご容赦いただきたい。わかりやすいものを上げている方達がネット上にたくさんいらっしゃるので、気になったら調べてほしい。

息子を思って作ったもの、次の妊娠に向けて作ったもの、娘が使うものなど、当時自分で作ったレシピを改めて見ると、思いの外かなりの量があった。基本的に自分で使うために作り、実際に日常使いしているものも多い。何か作ってみたいけれど作りたいものが思いつかないときの参考にしてもらえるかもしれない。

息子産後(死産後)

何がきっかけで始めたか覚えていない。キットから始めているので、おそらく外出したときに目的なく手芸屋に立ち寄って、なんとなく買ったのだと思う。人に勧められたことはない。メンタル回復のためにやった方がいいことを調べたわけでもない。必ずしもこのような作業をすることでメンタルが回復するわけではないと思うので、手段の一つと考えてほしい。

●刺繍キット

産後最初にキットの刺繍をした。以前にも書いたが、何も考えなくてもできる。基本のステッチが網羅されているもの、額付きの花の刺繍キット等を完成させた。
丁寧に刺すとなかなか時間がかかる。何もすることがなかったら息子のことをずっと考えてしまっていたと思う。もしくは、ひたすらゲームをしていたかもしれない。
楽しかったため、引き続き手芸をするきっかけになり、他のものを作る意欲が出た。

●ヘアゴムの飾り

好きな布でプラスチックや金属の部品を包むことでオリジナルのボタンを作ることができる。様々なタイプの中の部品がくるみボタンとして手芸屋で入手できる。
刺繍をした布でくるみボタンを包みヘアゴムの飾りにした。息子を死産した月の誕生花を刺繍して、常に身につけられるようにした。サイトによって誕生花はまちまちなので気休め程度である。死産後最初に作ったものを娘の出産時にお守り代わり手首につけていった。

●バナナクリップの飾り

刺繍した布を無地のバナナクリップに貼り付けた。ヘアゴムと同じような発想である。
くるみボタンよりも刺繍する面積が大きいので少し時間がかかる。
私は髪が多いため、しょっちゅうバナナクリップを壊しているが、壊れても、新しい無地のバナナクリップに貼り直すことができる。
よく身に付けて外出するので、どこで買えるのか聞かれることがあるが、残念ながら売り物ではない。可愛いとだけ言われるよりも売り物だと思われる方が嬉しいのはハンドメイド特有なことだと思う。

●がま口ポーチ

刺繍に最低限必要な道具を入れるためのポーチが欲しかった。ずっと家に籠るのも良くないので、外出先でも刺繍ができるように、裁縫道具入れにしては小さめで、出し入れしやすいがま口ポーチを作ることにした。外側に糸をしまうポケットもつけている。
型紙を作ったので、ただ刺繍をするよりも頭を使った。表地には刺繍もした。他のものも作りながら、死産して1か月後には完成していたので、集中して作っていたと思う。

●マカロンポーチ

余っていたくるみボタンでマカロンポーチを作った。興味がある人は調べてほしい。くるみボタン2枚をファスナーで繋げることでマカロン型の可愛い小物入れが出来上がる。外の衝撃から中身を守ることができるし、キーホルダーにすれば失くさないので、アクセサリーを入れるのにちょうど良い。
気に入ったので何個か作り、友人にあげたものもある。

●キーホルダー

くるみボタン2枚を縫い付けてキーホルダーにした。持病でよく咳が出るので、新型コロナでなくとも咳が出ることを表示するキーホルダーを作った。
くるみボタンは手軽にできる割に応用しやすいのでおすすめ。

●母子手帳ポーチ

次の妊娠中に使うための薄めの母子手帳ポーチを作った。
息子の妊娠中は市販の大きめの母子手帳ポーチを使っていた。もちろん妊娠週数が進むごとに入れるものは増えていくので最終的には大きい物が必要なのだが、初めの頃はそれほど大きいポーチを使う必要はない。息子妊娠中にこの大きいポーチを邪魔に感じてしまった。
そこで、次の妊娠初期に使い、使い終わってからは息子の母子手帳、補助券の冊子、その他関係書類をしまうことを目的に薄いポーチを手作りすることにした。
娘の妊娠前に完成したので良かった。今は予定通り息子の母子手帳を入れている。

娘産後

娘が起きている時間が長くなったため、今は作る余裕があまりないが、産後しばらくは色々作っていた。ただ、作業できるのは娘が寝ているときだけで、音が心配なのでミシンを使いづらい。基本手縫いだったので大変だった。
また、娘がいる部屋とは別の部屋で手芸をしているが、針と糸の取り扱いに気をつけている。子供と一緒に暮らしながら手芸をする場合は、針を紛失してもすぐに見つけられるように磁石を用意することをおすすめする。

●刺繍キット

退院してしばらくの定期的な授乳はやはり大変だった。中途半端に寝て次の授乳に目を覚ます自信がないときに、眠気覚ましのために刺繍をしていた。
色々なステッチが網羅されているキットを黙々と刺繍していた。娘のところに行くときに針や糸をしっかりと片付けなくてはならなかったので少し面倒だったけれど。私は眠気覚ましにやっているが、針等を紛失すると危険なのでおすすめはしない。
完成する頃には娘は夜通し寝るようになっていたので良かった。

●母子手帳カバー

娘との外出時に母子手帳、お薬手帳、診察券等を持ち歩くので、妊娠中に使っていた母子手帳ポーチほどの大きさは不要だが、まとめる物がほしかった。ぴったりのサイズのものを作ったので、市販のものよりも小さく、鞄の中で邪魔にならないし使いやすい。

●抱っこ紐リュック

首すわり前から使用している抱っこ紐に合わせて抱っこ紐に取り付けられる鞄を作った。おむつや着替えなど娘の外出時に必要な軽いものを入れる用である。
完成したばかりの頃に抱っこ紐につけてみるとなんとなく安定しなかったので、抱っこ紐リュックにせずにベビーカーの持ち手につけていたが、首も腰もすわっている今の状態で久しぶりに抱っこ紐に取り付けてみるととても安定している。
作る前に想定していたよりもかなり便利で、よく使っている。ベビーカーを使うときは、ヒップシートのポーチ部分とベビーカーにかけた抱っこ紐リュックに持ち物が全て入り、自分自身がかなり身軽になる。ベビーカーを持って行かないときは、首すわり前から使用している抱っこ紐で娘を抱っこし、抱っこ紐リュックを取り付け、私も小さめのリュックを背負うことで両手を空けた状態で動くことができる。
作った甲斐があって良かった。

●おもちゃのボール(キット)

手芸屋に赤ちゃん用のおもちゃやスタイ等のキットが売られている。当時、おもちゃのボールは自宅になかったので、キットで作った。娘がよく遊んでくれているので作って良かった。

●小さなポーチ数種類

ばね口金を使ったことがなかったのでばね口金のポーチを作ってみたり、余った布で小さな巾着を作った。簡単なものは思いついた時にさっと作ることができるのが良い。娘の保育園が決まって必要な巾着の大きさがわかったら、また作ると思う。

●くるみボタン

娘が着てよれよれになった肌着をそのまま捨てるのは忍びなく、絵柄の部分を使ってくるみボタンを作っている。こんなの着てたな、と思い出せるし、とても可愛い。小さくて場所も取らない。娘が気に入ればおちょんぼにも使えそう。
ちなみに打ち具で作るタイプのものは針を使う必要がない。くるみボタンはおすすめ。

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