最近気になったこと(ただの日記のようなもの)

つい先日あった日常の話だが、小説であればこれから事件が始まるようなシチュエーションに遭遇したと思っている。
noteで書きたいことから趣旨がかなりずれるが、気にかかって仕方がないので、自分の頭から追い出すために書いてみる。



遭遇した事象から、考えられる事情について検討、不自然な点を洗い出し、事象の裏事情(?)について推測したい。

1 事象

私は娘とアウトレットモールに来ていた。昼間ではあるが、平日のためかなり空いている。途中、自分の体調が悪くなり外の日陰にあるベンチに座っていた。近くには子供の遊び場がある。
ベビーカーが動かないためか娘は少しぐずっていた。私は若干俯きながら少しベビーカーを揺らして、どのように帰ろうかと考えていた。ベビーカーを支えにして歩くのも辛い状況だったからだ。

しばらくして近くに5, 6歳くらいの女の子が来た。ストレートで長い黒髪が印象的な子だった。
元々私は子供に好かれるような見た目をしているのか、よく小さな子供に絡まれる。10代の頃から自覚しており、子供に近寄られることには慣れている。
今回は娘もいるので娘を見たいのかと特に気に留めなかった。そんなことよりもそのときは自分の体調の方が問題だった。冷や汗がすごかった。
女の子はベビーカーの娘を見て、他の子供を見るのが大好きな娘もその女の子を見て機嫌が直った。
その様子を確認して改めて私は女の子の方を見た。女の子も娘ではなく私の方を見ていた。その女の子は娘ではなく私目当てだったのだと思った。私に注目してもらえるのを待っていたようだった。

女の子は私と1メートルほどの距離を保った状態で小さな声で話してきた。表情は真顔である。
「〇〇(おそらく女の子の名前)の〇〇さん(小声で聞き取りづらい)がいなくなっちゃったの」
2回ほど言われて口の動き的にも、この子はお母さんとはぐれた迷子だと思った。自分が動けないときに迷子案件はさすがに厳しいな、どうしようと思いながら、周りに親らしい人はいないかキョロキョロしてみた。すると私の座っているベンチの後方からお父さんらしき男性が来て、
「すみません」
と言ってきた。私からしたらよくある事なので
「全然問題ないですよ」
と言い慣れたセリフを言った。もちろんこの時も私は苦しんでいるので、本当は問題ありである。
とりあえずは迷子が解決したと思い安堵した。
しかし、その女の子はしばらく動かず、私の方を見て、先ほど彼女が言ったのと全く同じセリフを同じトーンで言った。思わず、
「えっ」
と言ってしまった。お父さんらしき男性は困ったように苦笑いをしていた。そのまま、その男性と女の子は近くの遊具に行き、女の子は遊具で静かに遊び始めた。それを見届けてようやく私は解放された。

私は少しベンチで休憩して歩けるようになったので、なんとか帰宅した。帰宅して少し回復してから彼女が気になってしまった。

2 考えられる事情

冷静に考えてみたら色々不自然だ。
女の子とお母さんの状況について検討してみる。

(1)実はお母さんではないものを失くした

ただの私の聞き間違いパターン。大事にしているものを失くし、なんとなく私に一緒に探してほしいとお願いしていたのかもしれない。ただ、わざわざ "〇〇(おそらく女の子の名前)の" とは言わない気がする。他のお母さんと区別するために言ったのだと思う。口の動き的にも "お母さん" と言ったことは正しいと思っている。
余談だが、夫が小さい頃に迷子になり、
「〇〇(夫の名前)のお母さんが迷子ー!かわいそー!」
と外出先で泣き叫んだことがあるという話を思い出した。当時の夫は本気でお母さんの方が迷子と解釈して、本心でかわいそうに思っていそうである。自分の子供に同じ事をされたら私は子供の前に出ていきたくないので、迷子には充分気をつけたい。

(2)お母さんだけ買い物中

最も現実的なのは、お父さんとお母さんと買い物に来て、お母さんが買い物をしている間に女の子が遊んでいただけというパターンだと思う。
ただ、わざわざお母さんとはぐれた事を私に繰り返し言うだろうか。お父さんと合流した後にも言っていたので、お母さんと言っていたのはほぼ間違いないと思うが、あのテンションで私に言うことではないだろう。せめてお父さんに言うべきことだろう。
普段このくらいの年齢の子供に絡まれるとき、迷子の子は切羽詰まったように話してくるし、ただ私と話したいだけの子は楽しそうだったり恥ずかしそうに脈絡ない話をしてくる。何も話さず私から目を逸らさない子も多い。今回はどれとも違う初めてのパターンで不自然に感じてしまった。お母さんに会いたいけれど会えないという趣旨の話をされているようだった。

(3)最近お母さんが仕事を始めた

最近お父さんが何らかの理由で離職をし、いつも昼間に家にいたはずのお母さんが外に仕事に行くようになったのではないか。主婦から主夫に変わったのだろうか。お父さんよりもお母さんの方に懐いていて、寂しい思いを誰かに聞いてほしかったのなら、あのテンションなのはわかる。
ただ、いなくなったという言い方をするだろうか。あの年齢なら親が仕事に行くことくらいわかるだろうし、"お母さんがお仕事に行って、いない"、くらい言うのではないか。

(4)最近お母さんが家にいない

最近まではお母さんと暮らしていたのに、お母さんが家からいなくなってしまった状況がセリフ的にはそのまま合致する。長い髪を結っていなかったところも、普段はお母さんがやっているのに今はお母さんがいないからできないのかもしれない。
これはさらに数パターン考えられる。

ア お母さんの単身赴任もしくは出張
小さい子供がいる女性を単身赴任させる職場が怖い。そんな職場はあってほしくない。これは現実的でないと思うし、はずれている事を希望する。出張くらいならありえるかもしれないが、昼間は保育園か幼稚園に預けるのではないか。これは考えづらいと思う。

イ お母さんの入院
自分が同じ年頃に死産で母が入院したことを思い出してしまった。
この子のお母さんは入院しているのかもしれない。病気かもしれないし、妊娠出産に関連することかもしれない。お父さんが説明していなかったら入院していることすら女の子は知らないのかもしれない。しかし最近は入院していても子供とこまめに連絡を取り合うだろうから普通に本人も理解しているのではないかと思う。もしそうであれば、"いなくなった"、ではなく、"病院にいる"、と言いそうだ。連絡をとらなくても、このくらいの年齢の子であればお母さんが家にいない場合は不審に思うから簡単な説明くらいされるだろう。私も弟|妹が死産となった当時にそのくらいの理解はできたし、自分で説明することもできただろう。
また、お母さんの出産待ちの可能性もある。ただ、女の子だけでなく、お父さんの方にも覇気がなさそうなのが心配だった。5歳の頃の私と同じ状況でないと良いけれど。

ウ 出産のためにお母さんが里帰り
前の項目と少しかぶるが、比較的辻褄は合っている気がする。さすがにこの年頃はお母さんの妊娠も理解できると思うので、やはり "いなくなった"、という表現に少し違和感があるけれど。

エ 祖父母の介護のためお母さんが里帰り
これも辻褄は合う。ただ、"いなくなった" のではなく、"おじいちゃんとおばあちゃんの家に行った"、くらい言えたのではないか。

オ お母さんが別居もしくは離婚
ハードな話であるが、違和感はない。お父さんも "お母さんはいなくなった" という説明しかできないのかもしれない。お父さんの困ったような苦笑の説明もつくし、女の子が真顔で話すのもなんとなくわかる。

カ お母さん他界
こちらも辻褄が合う。まだ死をあまり理解できていない場合にこの表現をすることも考えられる。"いなくなった" という表現は恐ろしいと思った。

(5)事件に巻き込まれている

そもそも平日の昼間で、外出している幼児連れ自体が少ない。そんな状態で知らない女の子に話しかけられて、私がコナン君だったら怪しいと思ってすぐに発信機を取り付けて尾行しそうだ。お父さんと思われる男性とその女の子の身体的特徴から血縁関係の有無を判断しそうである。体調不良の私にはそこまで観察することはできなかったけれど。
現実的ではないと思っているが、実は誘拐で、私に何か伝えたいことがあったのかもしれない。
また、あまり考えたくはないが、離婚後の親権に納得できず、父親が女の子を誘拐して、"お母さんがいなくなった"、と説明することもあるかもしれない。これも辻褄が合ってしまうのが怖い。

3 検討からわかった不自然な事

2で検討してみると、女の子とお父さんらしき男性に不自然に思う事がたくさん出てきた。
・平日の昼間に外出していること。
・女の子の長い髪が邪魔だろうに結っていないこと。
・お父さんも女の子も元気ではなさそうなこと。 
・お父さんと合流しても、私にお母さんのことを言ってくること。
・"お母さんがいない" と言いながらあまり感情が伴っていないこと。
・女の子の年齢の割に話す内容がざっくりとしすぎていること。

4 推測

彼女の言う言葉通りに考えるのであれば2項の(2)、(4)もしくは(5)だと思う。3項の不自然な点から考えて状況的には(4)と(5)がよりしっくりする。(5)はあまり現実的ではないので(4)のどれかだとしたら、可能性が高いのはオの別居もしくは離婚、次点にカの他界。彼女のことを思うと大変辛い。
1番幸せなのはお母さんの出産待ちだろうか。彼女にとっては不満なのかもしれないが。私自身のことと照らし合わせると、流産や死産の処置待ちの場合は個人的にとても嫌だ。
嫌なことを多く推測してしまうが、どれも外れていることを願うばかりだ。

5 所感

小さい子供に絡まれることは多々あるが、今回は気がかりなことが多すぎた。迷子ではなかったことが逆に心配だった。
彼女は私に何を伝えたかったのだろうか。詳しく話を聞かなかったことは逆に良かったのだろうか。私の体調が良ければ何かしてあげられることがあったのだろうか。
いずれにしろ私の乏しい想像力で考えても仕方がない。あの女の子が幸せに暮らしていることを願っている。

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