見出し画像

【イベントレポート】和紙と花〜東秩父村にときめく5日間〜川越でときめき和紙体験をしてみた

最近、「和紙」に触ったことはありますか?

そう聞かれたら、私が思いつくものはふすまや障子くらいなので、最近は和紙に触ることはありません。と答えます。

しかし、実は習字の紙やうちわ・実は紙幣など、かなり身近な製品に和紙が使われていることはご存知でしょうか。

小学生の双子が、学校からイベントのチラシを持ち帰ってきました。

【和紙と花〜東秩父にときめく5日間】川越市の氷川神社旭舎文庫にて令和6年3月20日から24日まで開催していました。

和紙と花……私が和紙に抱くイメージは白やきなり色で、花の鮮やかな色はどうも結びつきません。
どのようなイベントなのでしょうか?

普段の生活の中でなかなか触れることのない「和紙」。
日本の伝統的な文化に触れるいい機会です。子ども達と一緒に参加してみることにしました。

和紙と花〜東秩父にときめく5日間〜

双子が持って帰ってきたチラシも可愛い⭐︎


東秩父村は埼玉県西部にある県内唯一の村。
村の8割が山林で、人口2,600人ほどの小さな村です。

東秩父村には約1,300年も続く手すき和紙の伝統があり、「細川紙」として今も技術が受け継がれています。
平成26年にはユネスコ無形文化遺産「和紙:日本の手すき和紙技術」として登録されました。

元々は和歌山県細川村で作られていた和紙が伝わり、江戸に近い利点を活かして東秩父村は和紙の産地として発展したそうです。

和紙の魅力を多くの人に知ってもらうため、県内各地でイベントを開催しているそうです。

川越で和紙の文化に触れてみた

200年以上前の建物をリノベーションした建物だそうです


会場は川越市にある氷川神社旭舎文庫。
江戸時代末期に建てられたと推定された町屋をリノベーションした場所です。

会場に入って最初に目に入るのは、様々な花を使った作品達。

建物の黒から一変、鮮やかな色達で溢れていました


分かりますか?このお花達、すべて和紙で作られているんです。
遠目からは和紙だとは全く分かりません。
驚きで目を見張りました。

和紙について、おとなしめなアースカラーをイメージしていた私は、目の前に広がる色鮮やかな和紙の花達に胸がときめきます!

ピンクの大きなユリの作品


こちらはおよそ50㎝以上の大きな作品です。
和紙で複雑な形や花の質感を出せていることにも驚きです。

これは触らないと本物か和紙かわからなかった……


この桜は本物にしか見えないクオリティで触らずにはいられませんでした。(もちろん係の方に了解をいただきましたよ!)

見た目は桜なのに触ると紙の質感です。すごい……。
美しく精巧な作りに思わず息を呑みました。

2階では、東秩父村の風景を紹介されていました。

ここだけ時間が止まったような空間でした


和紙にプリントされることで、写真が独特な風合いになりノスタルジックな雰囲気です。
展示している場所が、それをより一層引き立てています。

和紙に写真をプリントするなんて驚きです。
職人さんは、「実は簡単にできちゃうんですよー。ただ、これをやるとプリンターが繊維でケバケバになってしまうんですよね。」と笑いながら教えてくれました。

写真が透けて、いっそう素敵な作品に感じます


和紙に写っている写真達は、光を透過して美しく、温かみが際立ちます。

初めて見る景色なはずなのに、故郷に帰ったようなあたたかさや、どこか胸をしめつけるような切なさを感じる……。そんな不思議な空間でした。
これも和紙の魅力なのかもしれません。

1階の奥の部屋では、手漉き(てすき)和紙の説明とワークショップが開催されていました。

絵から当時の人たちの紙作りの様子がよく分かります


ひと口に手漉き和紙と言っても様々な工程があります。
材料の木(楮"こうぞ"というそうです)を伐採してから、紙が実際にでき上がるのは数ヶ月はかかるそうです。

普段の作業ではもっと大きな漉き舟を使っているそう


こちらは和紙を漉く漉き舟(すきふね)。
立てかけているのは材料となる楮(こうぞ)です。
そして上に乗っている木枠は、漉いた和紙を天日干しするのに使うものです。

近年は電気乾燥台の熱で乾燥させることが多いそうですが、本来は太陽光で乾燥させることが品質的にも一番良くなるのだとか。

手漉きの作業から乾燥して和紙が出来上がる工程だけでも最低10日はかかるのだそうです。
手漉き和紙は職人さん達のとてつもない手間と時間をかけて出来上がるものなんですね。

紙すき体験やってみたかった……


週末には和紙漉きの体験会が開催される予定で、すでに予約でいっぱいでした。
興味があっただけに残念です。

和紙職人さんが、実際の和紙を見せてくれました。

さらに用途に応じて厚さを変えて作るそうです


揉むことで強度を増したものや、最後に色を染めたもの。
繊維を混ぜて模様にしたものや、模様になる繊維を先に色染めして混ぜたもの……。
ひと口に和紙と言っても、工程によって様々な風合いの和紙ができるそうです。

一見破れやすそうな和紙ですが、意外にも強靭で提灯や傘・紙の器など、用途は多岐に渡ります。
最近は洋服や靴などの素材の一部に使われることもあると言うので驚きです。

海外でも絵画の修復に使われ、和紙の汎用性と強度は高く評価されているそうです。

鮮やかな色とほぐした繊維がとても可愛い端切れ達


写真は和紙の端切れです。
様々な色で染められた鮮やかな和紙はとても美しく目を引きます。

また、端を引っ張り断面をほぐすと、写真のように繊維が出てきます。
独特の美しさや温かみを感じる和紙ならではの魅力です。

和紙と言えば落ち着いた色合いのものしかイメージがなかった筆者は、この美しさにすっかり虜になってしまいました。

この和紙の端切れは職人さんのご厚意で少し分けていただきました。
(職人の皆さんには説明も丁寧で、優しく対応していただきとても感謝しています。)

和紙を使ったワークショップを体験してみた

子ども達はワークショップを体験しました。

東秩父村観光協会さんでは紙すき以外の体験は
出張ワークショップの時にしかやってないそう(貴重な体験)


2人は和紙フラワーを体験することにしました。

白地の和紙を花弁の形にカットして、揉んだり捻ったりして花弁の形に成形します。

最初は怖怖とひねっていましたが、全然破れない……


一見、ひねると破れてしまいそうですが、和紙は強度が強いので簡単には破れないそうです。
特に今回使用した物は和紙は揉み込んでいるので特に強度があるのだとか。

洋紙だとこんなふうに花弁はできませんね


破れることなく、柔らかい花弁を作ることができました。

2人は黙々と作業に夢中です


たくさん作った花びら達をバランスよくのり付けしたら、和紙フラワーの完成です。

同じ作り方なのに全く形が違う花になりました


同じ作り方でも、全然違う花になって面白いですね。
長女は色を付けずに和紙の成形に凝る派で、次女は色つけも楽しみたい派のようです。

2人ともとても上手。
職人さんも褒めてくださり、双子はご満悦です。(褒めてもらって母も鼻が高い!)

制作が大好きな次女は追加で染め紙だるまも作成しました。

どんな色のだるまになるのでしょうか


色とりどりの和紙を自分の好きなようにのりで貼り付けて行きます。
和紙をハサミで切ったり繊維を出したりしながら色付けて、自分だけのだるまを作りました。

世界で一つだけの花とだるま


顔も書いて世界で一つだけのだるまが完成。青から白へのグラデーションを意識したそうです。いかがですか?

熱心に願掛けをしながら左目を書き入れてしましたが、どんな願いを込めたのでしょうか。(絶対に教えてくれませんでしたが……。)

和紙の魅力がたっぷりのときめき体験ができた

日本独自の製法で作られている伝統的な「和紙」。
紙でありながら、美しさと丈夫さを兼ね備えた魅力あふれる物でした。

最初に筆者が持っていたイメージは大きく覆り、和紙にときめきっぱなしの時間になりました。

素敵な和紙製品がたくさん……双子はあれも欲しいこれも欲しいが多すぎて選ぶのが大変でした


和紙を使ったアクセサリーなど和紙製品も豊富で、最後まで飽きることがありませんでした。
職人さんの説明が丁寧で、子ども達と一緒に日本の伝統技術を学ぶ貴重な時間でした。

これからの東秩父村は色とりどりの花が咲き乱れ、とても綺麗な景色に出会えるとのこと。
「道の駅・ひがしちちぶ」では紙すき体験も常時行っているそうです。

興味がある方はぜひ足を運んで和紙の魅力を堪能してください。

東秩父村観光サイト


この記事が参加している募集

イベントレポ

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?