見出し画像

健康マインド(妄想の性生活ファイル❗③)男色物語

森鴎外の(ヰタ・セクスアリス)ウィタ・セクスアリスは明治42年に発見されました。
哲学者金井が高校を卒業する息子に、性教育のための資料として自らの性体験を語る物語です。
当時森鴎外は軍医総監の立場でしたから、避難されて掲載さした雑誌スバルも発禁処分になりました。

(ヰタ・セクスアリス)新潮文庫の表紙

内容は自然主義と言われた文学流派が人間を描くのに、性の問題に触れない事を不満と考える論調が繰り広げられる。
(月経の血が戸惑をして鼻から出ることもあるように、性欲が絵画になったり、彫刻になったり、音楽になったり、小説脚本になったりする、、)こんな生々しい議論が出てくる。

三島由紀夫(仮面の告白)
1949年(昭和24年)に書き下ろされた三島由紀夫のこの小説は三島のヰタ・セクスアリスと言える作品です。

(仮面の告白)新潮文庫の表紙

(私)は生まれた時の光景を憶えていた。
で始まるこの小説は(家の前を行進する兵士たちの汗の匂い)が私を駆り立て、憧れをそそり、支配する。と記述がある様に自分の性嗜好をもて余す姿が描かれます。
こうして自分の内にある性欲を冷静に見つめる事は文学者にとって、大切な作業だと考えられていました。

森鴎外・三島由紀夫の他にも沢山の文学者が作品にしていますが、なにも小説家だけの特権ではなく、普通の人達も過去を振り返り、自分の心の動きを見つめる事はあるはずです。
誰にでも(私のヰタ・セクスアリス)があるはずです。

私はそれを(勃起ファイル)として記憶しています。

続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?