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寝かしつけをしてる時に
ことちゃんの手の小ささを感じて
締め付けられるような愛おしさと
失ってしまうんじゃないかっていう
不安が同時に押し寄せた

それは
12月にことちゃんが指を怪我した時のこと

本当に死んでしまうんじゃないかって
思ったのを思い出した

ことちゃんは
「ママ、持っとってぇ」と言い、
私は、怪我した右手の親指を
祈るような気持ちで
必死に押さえていた

私の膝の上に頭を乗せて
泣き喚くでもなく
とても穏やかに
横になっていた

眠っているようにも見えて
このまま命が終わってしまうんじゃないかって
そんな不安から
「ことちゃん、大丈夫?」って
何度も話しかけた

救急車を待つ間の時間
不安の波が押し寄せる合間に
静かで、穏やかな瞬間があって

この子は天使とか神とか
そういう
目に見えない存在なんだと
妙に諦めがついて

“返っていく”
そんな表現がしっくりくるような
不思議な感覚に包まれた

小さな小さな命
私はこの子の母親として
最後まで、この子に愛と安心を与える存在である、と
腹を括ったようにも想う

指がどのくらい断裂しているのか
怖くて直視できなかった
だから、最悪、
時間が経てば経つほど
手遅れになって
指を失う可能性も考えた

だけど、大丈夫
この子は大丈夫
どんな状況になっても大丈夫
あなたの体は大丈夫だよ
あなたはきっと大丈夫

今この瞬間、
ことちゃんが腕の中にいて
あったかくて、可愛くて
柔らかくて、すべすべしていて
サラサラしてて、いい匂いがする

その全てを感じていると
不思議と不安に飲み込まれることはなかった

思い返しても
病院に着くまでの3時間は
とても幸せな時間だったな、と思える

人はどんな状況に置かれても
今この瞬間に生きていれば
幸せでいられるんだ、という体感

ことちゃんにたくさんのことを
気付かせてもらってる

ママのところに来てくれて
本当にありがとう、の気持ちです

今ではすっかり
指も治って
病院ごっこに夢中なことちゃんです


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