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スウェーデン留学便り#13

前回のnoteからあまり時間が経っていないけれど、書きたいことができたのでメモします。1週分サボっていたので丁度いい。

教会に行ってきた

昨日の夜、カールスタード市内にある教会に行ってきました。大学の近くでインターンをしている友達がクリスチャンで、よく行っているようで誘ってくれたのです。キリスト教を信仰していなくても大丈夫だよ~と言ってもらっていたし、何度か都合が合わず行けていなかったので今日は行こうかな~と足を運ぶことにしました。

バスの時間の少し前に、少し体調が悪く、今日はいけないという連絡が入る。久しぶりに会えると思っていたので残念。一緒に誘われていた留学生の友達は行くということだったので、行ってみることにした。一緒に行く子は信仰する宗教を持っていないものの、教会で色んな人と話すことやキリスト教について興味があるから行くことにしたそう。今回で3回目らしい。

教会に向かう途中でお互いの国の宗教について話した。日本の宗教について上手く説明ができなかった。家に仏壇はあるし、お葬式はお寺でやるし、お盆にはお墓に行って手を合わせる。でもお願いごとは神社でするし、小学校入学の時にもらったお守りをまだ持っているし年末にはおやすを家の各所に配置する。私にとっては自分の「宗教」というより文化・慣習の一部という感じだった。どのくらいの人が宗教と意識しているのだろうか。

日本人の宗教の割合が気になって調べてみた。

各宗教団体の信者数を合計すると,平成23年12月31日現在の信者総数は,1億9689万529人となっています。その系統別の内訳は,図表3のとおり,神道系1億77万882人(51.2%),仏教系8470万8309人(43.0%),キリスト教系192万892人(1.0%),諸教949万446人(4.8)%となっています。

文化庁文化部宗務課(2013)「解説 宗教統計調査と『宗教年鑑』」

うーん。総数が2億人近く、日本の総人口を超えている。自己申告制らしいので、正確な数ではなさそう。

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20190401_7.pdf  (全文)
↑は何となく私の思っていた数字を示していた。日本人で何らかの宗教を信仰している人は36%だそう。それでも思ったよりは多いかも。2008年の調査だけれど、前回の調査よりは減少傾向にあるみたいだ。

教会は、外観からだと教会とは分からないくらい現代的だった。内装はもっと現代的でとても驚いた。想像していた教会はもっと荘厳で、木のベンチと白い壁にろうそくのような光があるという感じだった。お茶を飲むことのできる場所や子供たちが遊べるようにテレビとゲームがある場所、卓球台まであった。教会に通うようになる理由が少し分かる。


Fikaができる場所

みんな歓迎してくれて、お祈りの前にイヤホンと無線のようなものを渡してくれた。スウェーデン語で進行されるので同時通訳を無線を通してしてくれるそうだ。

お祈りの時間が始まると、ポップな曲が流れ始めた。聖歌も現代風になっていたのだ。びっくり。1時間程お祈りの時間があった。歌をみんなで歌ったり、その後に何人かがステージに立って、聖書からの引用を用いつつ、自分自身のTestimony(自分がどのようにしてクリスチャンになったのかの証言)を話していた。最後のお祈りパート(表現が合っているのかわからないが)では手を上に向けてにっこりしている人や祈りながら泣いている人、隣の人と抱き合いながら祈っている人、祈りの言葉を教会のユースメンバーに行ってもらいながら祈りをしている人などがいた。

ステージにはマイクを持った人とベースとピアノを弾いている人が生演奏をしていた。

私にとってかなりショッキングな状況だった。キリスト教がどう、ではなく、自分の中で今まであまり触れてこなかった宗教的な色の強い場面に遭遇したからだと思う。自分には理解しきれないものに、さっきまで話していた人が涙をしながら祈りをささげている姿に、怖いという感情を抱いた。

今まで宗教は勉強の中で出てくるものであり、日常生活で出てきたら避けるべきものだという気持ちが自分のどこかにあったのだと思う。実家に宗教勧誘が来たら、帰ってもらうものだし、宗教が関わっているものにはできるだけ近づかな方がいい。日本人の友達で熱心に信仰している宗教がある人はまだいない。自分自身の宗教について話し合ったこともなかった。

お祈りの時間の間、どう過ごせばいいかわからず、いろんなことを考えた。なぜ自分は嫌悪感を抱いているのか、何を怖いと思っているのか、この嫌悪感は偏見か。

混沌とした気持ちの中お祈りの時間が終わった。その後、一緒に来ていた友達といつも教会に通っているスウェーデンの子2人でFikaをした。

「新しいことが多かったと思うけれど質問はある?」
と聞いてくれた。

なぜクリスチャンになったのか、どのくらいの頻度でお祈りをしているのか、なぜお祈りの時間に泣いている人がいたのかについて聞いてみた。もっとたくさん聞きたいことはあったけれど、時間が足りなかったのと、どうしても感じた嫌悪感が出てしまいそうで、気持ちの整理が追い付かなくて、あまり聞けなかった。

2人はどちらも両親がクリスチャンで、子供の頃から教会に通っていたそう。1人の子は小さい時、みんながイエスから言葉をもらっているのに、自分にはそれはずっと理解できていなかったが、教会のサマーキャンプに行ったときに理解できるようになったと言っていた。

たくさんお話をしてもらった。初めて知ることばかりで面白かった。信仰心の強さも自分が想像していたものより大きいものだった。
でも分からなかった。分からない空間にいることを心地悪いと感じていた。

現代的な聖歌が気になったので調べてみたらこんなプレイリストもあった。

今日会ったスウェーデンの友達がちょうどアジアの宗教について勉強していると言っていた。どんな風に日本の宗教が説明されるのか知りたかったので聞いてみた。丁度来週日本の授業らしく、難しいと言いながらも、授業のスライドを見せてくれた。仏教や神道の説明が大きかった印象。

教会に行ったことも話した。現代的で驚いたと言ったら、スウェーデン、北欧のキリスト教の主な宗派はルター派だから偶像崇拝はしていないし、変革に柔軟だから現代的だと思うと話してくれた。北欧のキリスト教の宗派も知らなかったので勉強になりました。

散歩した道。すっかり寒いし冬。

この気持ちを何か文字にしないと気が済まなかったのでここで。
(宗教や信仰している人を否定したい気持ちは一切ないので、もしかしたら誤った表現や適さない言葉もあるかもしれませんが、ご理解いただきたいです。)


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