ヒナドレミのコーヒーブレイク 一つ屋根の下
その家は、もう何年も、何十年も前からそこにあったように その場所に溶け込んでいた、そして周りの景色とも。そこには70代の男性と就学前の女の子が住んでいた。普通に考えれば祖父と孫だが、それぞれがお互いを『さん付け』で呼び合っていた。そういう呼び方の祖父と孫がいないこともないだろうが、接し方がかなりよそよそしい。
「心夏(こなつ)さん、明日の予定 何かありますか?」「特にありませんよ、カンジさん」「たまには二人で何処かにスケッチにでも行きませんか?」「ええ、いいですね。行き