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雍正帝~中国の独裁君主

清朝皇帝の中で、私が一番贔屓の、5代目皇帝「雍正帝」。

康熙帝と乾隆帝の間に挟まれて地味な印象の皇帝だが、実は凄腕皇帝。
超タフで超コワい皇帝だった。(後継者争いで対立した兄弟を全て粛清)

帝位に付いてすぐに家臣にカマシた一言。

「皆の者、朕をやわな皇帝だと思ってかかると大間違いだからな。舐めてかかるなよ!!」

無能なキャリア官僚を排除し、ノンキャリの優秀な人材を抜擢した。
全ての情報を手中に収めるため、国中の官史に定期的に(というか頻繁に)直接自分宛に報告書を提出させ、
即全てに目を通し、朱筆で添削、意見を書いて返した。
所謂、赤ペン皇帝。
それが凄い。

間抜けなレポートには、罵詈雑言。
馬鹿だチョンだ、詐欺師だ古狸だ!とおっかないが、感心すると、涙を流して褒めの書き込み。

あろうことかそのレポートを、後年本にして出版してしまった。
「俺(朕)が死んだ後にどんなに取り繕ったって、お前ら官僚がどんなに阿呆か証拠残したるわい・・。」
で、この本今もキチット残っている。

国庫から借金をして、返そうとしない貴族に対する取立ては凄まじく、身包み剥いでまで取り立てた。(余談だが、紅楼夢の作者:曹 雪芹の実家もこの取り立てで没落、そのトラウマがこの大傑作を書かせたという説も)

そんなやり方で、父の康熙帝が残した莫大な財政赤字を、
僅か13年の在位中に、大幅な黒字に転換して、息子の乾隆帝に引き継いだ。

もしこの人が、事業仕分けなんか仕切っていたら、天下り官僚ボコボコにして、軽く何十兆も引きずり出しただろうになァ・・・

そんな人なので、何でも自分でやり(だから独裁君主といわれた)24時間働きっ放しだったから、58歳で亡くなった。
今でいう過労死。(毒殺説もあるけど、こちらの方が信憑性があると思う)

伝記本でありながら、雍正帝のキャラクターが生きいきと伝わってくる。
こんな面白い本を書く人はどんな若い人かと思ったら、宮崎市定という明治生まれの大先生だと知って、驚愕。
感動した!!


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