見出し画像

外来勤務

外来で自分が働くとは、全く思ってもみなかった。
移転前の外来は、有期職員が殆どで、ずっと外来だけでしか働いていない自分よりも年配の方々で成り立っていた。年齢層が高いことも不安だったし、仕事内容もほぼわからないまま、初日を迎えた。

オリエンテーションで仕事内容を聞くと、各診療科の窓口業務と、処置室業務があり、夜勤は1人で救急外来を行うという内容だった。
まず慣れるために処置室業務に就くことになった。
処置室では、小児の採血、投薬、導尿、浣腸などなどを行なっていた。

元々、器用だったので、処置室業務自体はすぐに慣れた。採血も、病棟では、医師がしていたので、10数年ぶりにしたが感覚的には鈍っておらずスムーズに出来た。最初は、既存の外来スタッフから、心配そうに見られていたが、小児の特殊の採血も、見よう見まねから始め、原理を考えることですぐにコツを掴めた。

次に、窓口業務、外来に来た患者さんがスムーズに検査や診察ができるように案内する係だ。
旧病院は、古く動線がとても悪かった。1日万歩計をつけていたら、何キロ歩いてるなかなっていうくらいの運動量だったけれど、患者さんと触れ合えることは楽しかった。

師長さんから、覚えが早いから夜勤もしてみないと言われて、3週間で救急外来の夜勤を任された。
いくら覚えが早いからって、3週間で1人の夜勤は辛かった。最初だけ先輩看護師が一緒に教えてくれたけれど、その次からは1人で救急対応をした。昭和のスパルタかと思ったけれど、周りに認めてもらいたいという気持ちが、育児短時間勤務の時から根付いていたので、頑張って乗り切った。

外来勤務をひとしきり覚えてこなせるようになった頃、病棟勤務の時と違う仕事内容に、ふと、これって私が望む看護なのかというジレンマが生まれた。古くからいるスタッフは、新しいことをなかなか受け入れない。病棟で培った知識を取り入れるべく、なるべく意見を言うようにした。

この新参者の小娘がと思われていたと思う。でも、新病院になるのに古い考えのままだと何のためのバージョンアップなのか分からない。
新病院の新しいシステム作りを頑張ってしようと思った。

ジレンマを乗り越えるべく、新病院移転引越し準備が進んでいった。

そしてこの先さらに色々な出来事が起こる事になる。
結果、外来勤務という選択肢は間違っていなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?