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過去の日記のリバイバル

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過去の日記を再編集しました。
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2023年9月の記事一覧

一人前ではなく一流を目指せ

一人前ではなく、一流を目指せ。 その瞬間、がつんと胸に響くものがあった。 大学卒業後、新卒で就職した会社を2ヶ月で退職し、将来への希望や目標もないまま、アルバイトをしていた。努力したって報われなければ頑張る意味などない、自分がしんどくない程度に適当に働いて金を稼いでいればいい、と斜に構えて過ごしていた。 そんな屈折していた時、祖母の知り合いの紹介で、ある建設会社の社長さんにお会いする機会ができた。 「就職面接ではないから近所のおやじさんと話をするノリで行ってみてよ」と言

希望のつくり方 2016/2023

この記事は2016年6月25日に長岡市で東京大学社会学研究所教授の玄田有史先生が講演された内容を僕の所感を含めながら再構成したものである。 希望について 希望とは実現の過程で期待をもてるもの。 まだ実現していないものの、いずれこうなるだろうと見通しを立てることに人間は喜びを見いだす。それは捕らぬ狸の皮算用で手に入るかできるかどうか分からないけれど、実現したら嬉しいなと期待を寄せることで将来への希望が生まれる。 農業に従事する高齢者が平均的に長生きなのも肉体労働に従事して

再生

ハンパな夢のひとカケラの大きさについて

車でラジオを聞いていたらCHEMISTRYの"PIECES OF A DREAM"が流れてきた。 学生の頃にMDウォークマンで繰り返し聴いた大好きな楽曲のひとつである。 (うろ覚えなので定かではないが、たしか耳の聞こえない女の子がクラブ?で馴れ馴れしく近づいてきたナンパ男を毅然として手話で拒否するMVだったような。) 歌詞の中にある「ハンパな夢のひとカケラが不意に誰かを傷つけていく」というフレーズの意味が当時よくわからないまま口ずさんでいた。 そういえばレベッカの"フレンズ"でもポケットのコインを集めて夢を数えているというフレーズがあったな。 失われた30年と揶揄される平成の夢はつつましくポケットサイズなのかもしれない。 帰宅後、"PIECES OF A DREAM"をネットで検索した。 なるほど。名曲である。 そして結成20年以上にも関わらず当時と変わらない2人の歌声に魅了された。 しかしそれ以上に僥倖だったのは関連動画として、あがっていた”キミがいる”という楽曲で 「昨日までの憂鬱は捨てて 変わらない明日を祈ろう」 「ありふれた道 ただどこまでも 続くことだけ 祈っている」 というフレーズに出会えたことである。 様々な経験を積み酸いも甘いも嚙み分けるようになったことで、見え透いた明日も悪くないよなと思えるようになってきた。 本も音楽も再読、再聴で新たな発見がある。 今日も皆様にとってよい一日でありますように。

ある夏の思い出 2009/2023

(前略) その日は緊張のせいか朝の五時前に目が覚めた。 僕は今、広島にいる。 ホテルにいても所在ないから散歩にでも出かけようか。 早朝のため日差しは弱そうだし排気ガスも少なく空気も澄んでいる。 爽健美茶を一口含み、部屋を出た。 はて、これからどうしよう。地図を持っていないので看板や案内表示を参考にしながらブラブラするしかない。 朝の新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んでちょっと背伸び。 ふと目前の案内標識を見上げると「平和記念公園」と書いてある。 そうだ、せっかく広島に来たの

祖母は魔法使い 2012/2023

デパートの化粧品売場の近くにいると不思議と落ち着きを感じる。 大抵の男性は自分たちには無縁の世界であるため居心地の悪さを覚え、きらびやかなその領域を敬遠しがちであるが、私は実家を思い出す。 私の実家は祖母が化粧品屋をしている。 化粧品屋といってもデパートのようなショーケースがあるわけではない。 私たち家族が日常生活で使うリビング(といっても畳が敷き詰められたお茶の間)のテーブルに所狭しと様々な化粧品が並べられて、祖母が実演販売するのだ。 そのため物心つく頃には帰宅すると