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[法案調査]放送法の一部を改正する法律案の概要

要旨 - Summery

2024年参議院第213回国会にて議論される「放送法の一部を改正する法律案」について浜田聡参議院議員の依頼で調査を行うので、その結果を依頼に基づき公表する。

(1) 第213回国会(令和6年常会)提出法律案 ー 総務省
(2) 新旧対照表

背景 - Background

近年、NetflexやYoutubeなどのインターネットサービスを利用した動画コンテンツの充実と該当産業の発展により主要放送局の視聴率は年々低下してきておりそれに伴ってテレビを家で所有しない家庭も増えてきている。なのでテレビの普及率や保有台数も以下のグラフの様に年々低下している。

主要局年度世帯視聴率推移(ゴールデンタイム、年度ベース)(2003年度以降)


テレビ普及率・保有台数の長期推移(2人以上世帯)

またNHKは収入のうちの96%を受信料が占めておりテレビを保有する世帯が減れば減るほど収入が減っていってしまうのである。

29年度NHK決算の速報

NHKはNHKを見ることができる設備があるのであれば受信料を取ることができるとしており、事実私の親族でも家にテレビがないにも関わらずスマートフォンから見ることができるとしてNHKの受信料を取られた例がある。

つまりNHKからしたらどうしても視聴率が下がってしまうならばたとえNHKを見ていなくても、NHKを見ることができる環境をより広げていくことにより受信料を今後も取り続けようということである。

本法案ではNHKの放送番組が社会生活に必要不可欠な情報として公衆に遍く提供されるべきものであることとし、同協会の放送番組を放送の受信設備を有しないものに対してもその環境に適した形態で継続的かつ安定的に提供するという建前でNHKが電気通信回線を通じて放送番組等を一般の利用に与する業務をNHKの必須業務とすることによって電気通信回線を通じて提供されるNHKの放送番組等の受信を開始したものに対してNHKとの受信契約を締結する義務を課すことが目的である。

法案の概要 - Method

総務省が発表した法律案の概要

1.NHKの放送番組等の配信に係る業務の必須業務化

・必須業務として行われる配信の業務を行うにあたっては必要的配信業務に用いられる設備及びその運用のための業務管理体制を総務省令で定める基準に適合する様に維持しなえればならないとし配信用設備等の外衣用を総務大臣に届け出ることを義務付ける。

・国際配信放送又は協会国際衛星放送の放送番組の配信を加えこれらの配信に要する費用は国の負担になる。

2.民間放送事業者が行う放送の難視聴措置に対するNHKの協力義務の強化

・NHKが他の特定地上期間放送事業者及び基幹放送局提供事業者が第九十二条の責務に則り講ずる措置の円滑な実施に必要な協力をしなければならない。(第二十条第六項関係)

事前評価 - Assessment

1.NHKの放送番組等の配信に係る業務の必須業務化

・配信を義務として行い環境を整備した上で受信料の公平負担を旗印としてNHK放送の受信ができるということでNHKとの受信契約の締結を義務とするのは国民にとってはコスト増であると考えられる。

・国際配信放送又は協会国際衛星放送の放送番組の配信に関しても国の負担になるとのことでありこれはつまり税金で負担するということでりこれは国民としてとても受け入れられるものではない。

2.民間放送事業者が行う放送の難視聴措置に対するNHKの協力義務の強化

・ここでいう難視聴措置とは視覚や聴覚に問題を抱えている人にもテレビを見ていただくための措置というわけではなく、田舎などで地上波の電波が受信しにくい地域にもしっかりと電波が届く様にするための措置のことである。

・つまり現在民法の電波を受信できない地域の人たちからも電波を受信できる様にしてテレビの視聴率全体の改善を目的したものであると考えられるが果たしてその様なことが可能かどうかには極めて懐疑的である。

想定質問- Discussion

1.配信による視聴率向上の見込み

NHKはこの法案によってネット配信に対応していくことによりテレビ離れが進む日本でも生き残りを目指していくつもりであると考えられるが、そもそも仮にネット配信に対応したとしてどれほどの人がネットでNHKの番組を見ると考えているのかを問いたい。時代は移り変わりゆくものであり果たして今のNHKの放送番組が社会生活に必要不可欠な情報であるかは再考の余地があると考えられるからである。

2.評価について

総務省が発表した法律案の概要にはNHKに対して公衆の欲望を満たすか、公衆の生命又は身体の安全を確保するか、民間放送事業者等が行うネット配信等との公正な競争の確保の支障を生じないかの3点に適合する業務規定の策定、公表等を義務付けるとともに、その実施状況を定期的に評価すること等を義務付けるとあるがこの評価はどこが行う予定なのかを問いたい。この政策には税金が注ぎ込まれる以上、内部の評価では正当な評価ができるかに疑問が生じる上、外部の調査でも癒着せずに正当な評価をしてくれる企業を見つけるなどできているのかも問いたい。

3.国際放送又は協会国際衛星放送の放送番組の配信の税負担化について

日本国民はNHKの受信料を払わなければならないにも関わらず外国人は受信料を払わずその代金は税金という形で日本国民が払うというのはあまりにもおかしい話であると考えられるので是非中止を求めたい。仮にこれを行うにしてもNHKが自分が集めた受信料などから得た収入から行うべきである。この件について総務省の意見を問いたい。



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