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365日後に育休復帰する父(42日目):『コンビニ人間』

 この前紹介したAudible。読んでいた(聴いていた)村田沙耶香の『コンビニ人間』を聴き終わったので感想をば。

○あらすじ

 18年間コンビニバイトとして働く古倉恵子。職場外での人付き合いもほとんどなく、就職や結婚も特にしたいと思わないまま36歳?を迎えている。

 恵子自身は人の心の機微や世間一般の人が抱く欲望などが希薄であり、コンビニバイトこそが自分の天職だと思い生活を送っている。

 そのため、友人や家族からは結婚を含め今後の人生について心配されるが、それを煩わしいとは思いながらものらりくらりとかわしながら生きてきた。

 そんな折、新しくバイトにやってきた白羽という男によって、恵子の人生は大きく狂わされていく…。

○感想

 これまたこの前、『働くことの哲学』について記事を上げたかとは思いますが、それを読んだ後というのも相まって「仕事と人生」「仕事とアイデンティティ」といった視点で読まざるを得ませんでした。

 タイトルにもある通り、コンビニ店員であることに自分のアイデンティティを依存している恵子。

 自分は1つのものに依存するのは怖いと思っているのでこのような生き方はできないし、教師としてもそういう生き方は推奨しないとは思います。

 ただ人によっては行動の指針が1つに決まっている方が安心するだろうし、そういう人が生きづらそうにしていても、教師という立場からその生き方を否定してしまってはいけないんだろうなと考えさせられました。

 読後、読書メーターというアプリで他の方々の感想を見たところ、結構コメディ小説として捉えている方が多い印象でしたが、自分は割とイヤミスを読んでるような気分で読んでいました。

 あらすじの書き方にそれが出ているような気がします。多分、公式のあらすじに比べて不穏な空気が漂っていることと思います。イメージとしては、近藤史恵の『はぶらし』を読んでいる感じ。

○終わりに

 久々に小説を1冊読み終えた気がします。なにせ今読んでるのが「三体」という、ちょっと重めな本なもので。

 思ったより早めに『コンビニ人間』を聴き終えたので、あともう1冊くらい無料期間内に読んでみたいですね。


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