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鉄印帳の旅【第1弾】

全国の第三セクター鉄道を応援するプロジェクト「鉄印帳」が始まって3ヶ月。当初は初版が足りずに高額で転売されるなどの騒ぎもありましたが、既に休止中の阿佐海岸鉄道以外の39社の鉄印を集めたマイスターも登場するなど、大きな反響を呼んでいます。

偶然の入手

「鉄印帳」は、鉄印発売駅までの有効な切符が必要ですから、いわば乗り鉄向けの商品です。私はいわゆる「撮り鉄」ですし、関東圏の第三セクター鉄道では「鉄印帳」自体が第2版以降もすぐに売り切れてしまっていましたので、私にはあまり馴染みのない商品だと思っていました。しかし、その入手は偶然訪れました。

9月の4連休・シルバーウイークに、私は山口県を訪れました。山陽本線と山口線の2路線で撮り鉄をしてきたのですが、初日、曇ってきてしまって山陽本線の撮影を少し早めに切り上げた際、ふと思い立って、同じ山口県を走る第三セクター鉄道の錦川鉄道へ確認すると、まだ鉄印帳が残っているとのこと。終点の錦町駅へと向かい、乗車券を購入して、ついに鉄印帳をゲットしました。最初の鉄印はもちろん、錦川鉄道です。

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鹿島臨海鉄道へ

遅めの夏休みもあって、シルバーウイーク後の平日3日間はお休み。天気がよければ撮り鉄に行く予定でしたが、あいにく天気は下り坂。家にいてもやることないし、それではということで鉄印収集旅に行くことにしました。

通勤ラッシュのピークを少し過ぎた8時過ぎ、最寄りの柏たなか駅を出発。この時点ではまだどこに行くか、しっかりとした考えはありません。北千住から東武スカイツリーラインに乗って野岩鉄道・会津鉄道に行ってもよし、新幹線で新潟・長野方面へ抜けてもよし、いくつか候補はあったのですが、思いのほか乗客が多くて座れなかったのもあって、急きょ流山おおたかの森で下車。これで行き先は固まりました。東武アーバンパークラインに乗り換えて柏へ。そこから特急ひたちに乗り込みます。鹿島臨海鉄道の乗換駅となる水戸駅までは1時間足らず。

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水戸駅で鹿島臨海鉄道に乗り換えます。開業当時から走ってきた6000形は老朽化が進行しており、新車の8000形が増えてきていますが、こちらの8000形はロングシート。地元客にはいいのでしょうが、旅行客にとっては6000形の転換クロスシートがいいなぁ、というのが正直なところです。

そんなこんなで鉄印販売駅である大洗に到着し鉄印をゲットしました。

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時間があれば大洗の水族館にでも行くのでしょうが、あいにく雨も強くなり始めており、30分ほどの待ち時間で水戸行の列車もやってきますので、このまま折り返すことに。水戸行の列車は待望の6000形でした。たしかに塗装ははがれがちでかなりくたびれています。製造から35年ですから仕方がありません。

鹿島臨海鉄道は高架を走る区間が多く、コンクリートの側壁が邪魔をして足回りが隠れてしまうことから、撮り鉄には不向きな路線ですが、その分、高架からの眺めはいいものがあります。特に転換クロスシートの6000形からは車窓がよく見えます。沿線はまさに稲刈りの時期。既に終わった田んぼ、これから刈り取られるであろう黄金に色づいた田んぼなど、パッチワークのような車窓を楽しみました。あいにくの雨模様ではありましたが、それでも心が癒される風景でした。

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真岡鐵道へ

次の目的地は真岡鐵道です。土休日はSLが走ることでも有名で、自宅から比較的近いということもあり、これまでも何度か撮りに来ていますが、乗るのはSLに乗車して以来ですから8年ぶりくらいでしょうか。

水戸から常磐線で友部へ、水戸線に乗り換えて下館、そこから真岡鐵道へといずれも10分程度の乗り継ぎ時間で真岡駅に到着したのはお昼すぎ。SLが走っていない平日の昼下がり、駅周辺はほとんど人影はありませんでした。

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真岡駅は駅舎自体がSLの形をした大変ユニークな駅。真岡市の情報センターなどもあって大変大きく立派な駅舎です。ここで鉄印をもらい、さらには駅近くの食堂でお昼ご飯を食べて、帰路につきました。

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帰りは下館から関東鉄道常総線に乗り込み守谷へ。つくばエクスプレスに乗り換えればひと駅で最寄りの柏たなかに着きます。15時半には自宅へと帰りました。

鉄印収集はまだ続く

こうして鉄印収集の第1弾は終わりました。列車に乗り、景色を眺め、鉄印をもらって、街で軽く食事など。撮り鉄の時とはまた違う、のんびりとした乗り鉄の旅を楽しみました。

第三セクター鉄道はどこも経営は厳しい状況です。もともと地元利用客が少なくて国鉄から切り離された路線ですから、観光需要がひとつの大きな頼みの綱となるわけですが、昨今の情勢としてそれすら厳しい状況があります。近くまでJRで来てもなかなかその先の第三セクター鉄道にまで乗るのは難しいところですが、今回、こうして乗ることを前提とした商品がでて、一定の盛り上がりを見せていること、今後が楽しみです。

しかし、つくづく大変な商品に手を出してしまいました。九州の第三セクターとか、どうやって集めましょう……。

(掲載写真はすべて筆者撮影)

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