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【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅(特別編・熱海→金沢)

テレビ東京系の人気番組企画である「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は、太川陽介さん、蛭子能収さんのコンビで第25弾までを放映した後、田中要次さん、羽田圭介さんを新コンビとする「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」に引き継がれ、第19弾をもって負け越し、降板。現在は赤江珠緒さん、三船美佳さんをコンビとする全て女性3人組の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅W」として計2回が放映されています。

これまで、このマガジンでは、太川さんたちの元祖「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を取り上げてきましたが、2023年12月の第25弾でいったん終了しておりました。今回から、田中さん・羽田さんのZシリーズの「今のダイヤで行ってみたら」検証を再開しようと思います。

まずは、そのZシリーズのパイロット版として放映された「特別編・熱海→金沢」を、2024年4月のダイヤで行ってみるとどうなるか、見てみたいと思います。

特別編の実際ルート

特別編は2016年11月に放映されました。放映順としては第25弾よりも前、ということになりますが、今から思えば、太川さんたちを引退を見据えた新たなコンビによるテストとして制作されたものだったように思います。
ところが、実際にZシリーズが始まってしばらくすると、太川さんたちによる「水バラ」が始まって、短い行程ながらバス旅も再開。それが今の「バスvs鉄道対決旅」や「陣取り合戦」などに繋がっていくことになります。

一日目
サンビーチ-(伊豆箱根バス)-元箱根港-(箱根登山バスH系統)-小涌園-(箱根登山バスS系統)-御殿場プレミアム・アウトレット-(富士急行バス河口湖線)-河口湖駅-(富士急山梨バス)-石和温泉駅
二日目
石和温泉駅-(山梨交通99系統)-甲府駅-(山交タウンコーチ35系統)-韮崎駅-(山交タウンコーチ下教来石線)-下教来石-(徒歩)-富士見駅-(アルピコタクシー)-原村役場-(茅野バス観光)-茅野駅-(アルピコ交通)-下諏訪大社通り四ツ角
三日目
下諏訪大社通り四ツ角-(アルピコ交通)-茅野駅-(アルピコ交通)-神明町- (徒歩)-御野立口-(塩尻市地域振興バスみどり湖・東山線)-塩尻駅-(塩尻市地域振興バス塩尻北部線)-松本病院前-(アルピコ交通)-松本バスターミナル-(アルピコ交通31系統)-市役所・松本城前-(アルピコ交通)-松本バスターミナル-(濃飛バス)-高山濃飛バスセンター
四日目
高山濃飛バスセンター-(濃飛バス)-平湯温泉-(富山地方鉄道富山 - 平湯線)-富山駅前-(富山地方鉄道10系統)-高岡駅前-(加越能バス)-井波- (加越能バス南砺 - 金沢線)-金沢駅西口

太平洋側の熱海から、日本海側の金沢を目指したパイロット版は見事に成功しました。今から見ても、田中さん、羽田さんのZシリーズ含めて、最もダイナミックで、かつ最もうまくいった旅だったのではないかと思います。

2024年のダイヤ検証

それでは、2024年のダイヤで金沢を目指したらどうなるでしょう。2024年問題といわれる、バス・トラック業界の運転士不足もあって、この2024年4月改正でも、多くのバス路線が減便・廃止となりました。今回の検証では、その影響はあるのでしょうか。

1日目
サンビーチ1022→伊豆箱根バス・AT53系統→1116元箱根港1138→箱根登山バス・H系統・箱根町線→1152小涌園1412→箱根登山バス・G系統・御殿場線→1505御殿場駅富士山口1545→富士急モビリティ・A1系統・河口湖線→1700河口湖駅1726→富士急バス・甲府線→1821石和温泉駅

この回、蛭子さんといっしょにVTRを見ていた太川さんが激怒した石和温泉での途中下車。田中さんの温泉宿にすぐ泊まろうとする性格がいきなり現れた初回でした。当然、この日は甲府まで行けるわけですが、後続日程にはあまり影響はないので、今回の検証でも石和温泉泊まりとします。

2日目
石和温泉駅751→山梨交通・98系統→821甲府駅前830→山梨交通・8系統→912韮崎駅1010→北杜市民バス・下教来石線→1050下教来石下→(徒歩11.0km・3時間)→富士見駅1506→原循環線セロリン号南部線→1538原村役場1806→穴山原村線→1838茅野駅1905→アルピコ交通・茅野岡谷線→1959岡谷駅

韮崎から先、山梨・長野県境はバスがなく、元祖第18弾(御殿場→直江津)では小淵沢から夏季限定のバスで越えていきましたが、今回は歩いて県境を越え、結局は10㎞以上も歩いて富士見駅まで進み、そこから原村を経由してこの日は岡谷まで進みます。

3日目
岡谷駅732→シルキーバス・4系統・やまびこ公園線→751岡谷市看護専門学校前→(徒歩5.3km・90分)→勝弦三叉路926→すてっぷくん・北小野線→1010塩尻駅前1030→すてっぷくん・塩尻北部線→1058まつもと医療センター/まつもと医療センター前1246→松本市コミュニティバス・寿台線→1314松本バスターミナル1745→濃飛バス・特急高山松本線→(1913平湯温泉)→2018高山濃飛バスセンター

3日目、実際の3人は乗り継ぐバスがわからず、いったん茅野に戻って、岡谷から塩尻へと歩く途中、「御野立口」というバス停で塩尻へ向かうコミュニティバスを奇跡的に発見し乗り込みましたが、その塩尻市コミュニティバスすてっぷくん・みどり湖東山線は2023年3月に廃止・オンデマンド化されてしまい、もう乗ることができません。山を越えて南側にある勝弦三叉路から塩尻駅行が出ていますが、これは知らないと辿り着くことは難しいかも知れません。

4日目
高山濃飛バスセンター640→濃飛バス・古川神岡線→755濃飛バス神岡営業所815→濃飛バス・上宝神岡線→857猪谷駅/猪谷950→富山地方鉄道バス・31系統→1052富山駅前1130→富山地方鉄道バス・10系統→1229高岡駅前1315→加越能バス・61系統・庄川小牧線→1432井波1610→加越能バス・南砺金沢線→1735金沢駅西口

一行は、翌朝、直接富山へ行く路線バスは平湯温泉からしか出ていないといわれ、一度、平湯温泉へと戻りましたが、現在では、平湯温泉から富山へ直通するバスはなく、神岡と猪谷で乗り換えが必要となります。このあたりはその後のZ第13弾では平湯温泉から乗れたのに、逆ルートとなったZ第18弾では猪谷で乗り換えていることからもわかります。
もし高山まで行かずに平湯温泉で泊まっていれば、平湯温泉からも神岡へと出るバスは走っているので、それに乗っていけば金沢へたどり着けますが、高山から平湯温泉へと戻るとそれには間に合いません。
いずれにせよ、富山まで出てしまえば、高岡へ行き、井波へ行き、そこから県境を越える加越能バスの南砺金沢線で金沢まで行くことができます。

まとめ

というわけで、2024年のダイヤでは、いくらかバス路線の廃止はありますが何とか金沢まで行くことができます。歩く距離も2日目の10㎞と、3日目の5㎞くらいで、この後のZシリーズと比べても徒歩距離は短く済んでいます。
ただ、これは机上の検証です。特に岡谷から塩尻へのコミュニティバスは案内所の方に聞いてもわからないでしょうし、見つけられるかは正直わかりません。よほど地図とにらめっこしないと難しいと思います。

マガジンのご案内

これまでの太川さん・蛭子さんの元祖バス旅も含め、マガジンとしてまとめています。こちらの方も、ぜひご覧ください。

(トップ画像は「CraftMAP」様の白地図を使用させていただいております)

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