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青春18きっぷで高松へ

毎年、夏・冬・春と発売される青春18きっぷ。私は中学1年の時に従兄弟と東北・北海道へと行き、その後、社会人一年目には四国から近畿・北陸を目指した旅をしてきました。それ以来、資金的に余裕が出てくると新幹線や飛行機の恩恵を受けてきましたが、今年、中学生の息子の計画で、10数年ぶりに青春18きっぷで旅に出ることにしました。

行先は四国・高松です。一番行きやすいJRの駅である国分寺から、1泊2日で高松まで行って帰ってくる強行軍。果たしてどんな旅になるでしょうか。

1日目

7月25日、朝6時28分、まずは国分寺駅でスタンプを入れてもらいます。まず最初に向かうのは高尾。そこから中央本線を横断して名古屋へと抜ける行程です。
平日ですので乗客も比較的多かったのですが、下り方面はまだ余裕があります。立川で空席ができて座りますが、普通の通勤型車両ですので、まだまだ旅気分という感じではありません。

国分寺駅で日付スタンプを入れてもらい旅をスタート
国分寺駅に入線してくる中央線高尾行

高尾からは甲府行に乗り換えます。長野色の211系ですが、残念ながらロングシート車でした。旅気分を味わうには断然クロスシート車がいいのですが残念。しかし、高尾を出てすぐに始まる山越えの道はいつ来ても爽快です。山岳区間のハイライトはやはり鳥沢の鉄橋でしょうか。そして笹子峠を越えた先、勝沼ぶどう郷付近から望む甲府盆地の絶景でしょう。あっという間に列車は高度を下げて、8時半過ぎ、定刻に甲府に到着しました。

高尾駅で211系に乗り換え
勝沼ぶどう郷駅付近から望む甲府盆地

甲府から乗り換えるのは松本行です。しかしやってきたのはまたもロングシート車。残念な気持ちになりましたが、トイレ脇の車端部だけクロスシートになっていました。少しにおいは気になりますが、やはり旅気分を味わうにはクロスシート一択。
この区間の車窓のハイライトは南アルプス、そして八ヶ岳の絶景。特急通過のため長時間停車した日野春駅ではきれいな八ヶ岳を見ることができました。夏山シーズンらしく、多くの登山家風の乗客がいましたが、皆さん、小淵沢や冨士見で降りていかれました。

甲府駅に入線してくる松本行
日野春駅で。遠くには八ヶ岳がばっちり

中央本線は塩尻を境にスイッチバックし、会社もJR東海に移管される。通称も中央東線から中央西線へと変わる。塩尻で乗り換えた列車はJR東海の313系。いよいよ転換クロスシートです。
中央西線が走るのは木曽谷。東線と比べて山が近いです。夏らしい青空と白い雲が車窓の友となります。木曽路は外国人にも人気のエリアで、乗客にも外国人が多く、特に宿場町の風情がよく残る奈良井では多くの外国人が降りていきました。

塩尻からはいよいよJR東海に
夏らしい青空と入道雲が車窓の友

中央西線での系統分離地となっている中津川。何度か降りたことがあるが、小さな山間の街だ。もっとも、東農エリアでは大きな部類に入るし、木曽路を下ってくるとものすごく都会に思える。
乗り換えの名古屋行は最新鋭の315系。何とオールロングシート。新車の香りはするが、座席は堅いは、窓がUVカット機能で青み掛かっているはで個人的な評価はちょっとマイナスです。

中津川から乗るのは最新鋭の315系
ロングシートなのが本当に残念

名古屋に到着。暑いのなんの。暑さというより熱さです。乗り継ぎには余裕を見ていて、次の列車でもよかったのですが、あまりに暑いのですぐにやってきた大垣行に乗車。涼しい車内。本当に幸せ。さすがは名古屋で、多くの立ち客がありました。
大垣に着くと、そのままその列車が米原行になるとのこと。美しい伊吹山の山容を見ながら、JR東海とJR西日本の結節点である米原に着きました。

名古屋駅で新快速大垣行に乗車
列車はそのまま米原行に
美しい伊吹山

米原に到着しましたが、接続時間はわずかに5分。席を確保するのに精いっぱいで写真を撮る暇はありませんでした。
ここからは16時17分発の新快速に乗車して、一気に姫路を目指します。姫路到着は18時49分、実に2時間半もの間、JR西日本が誇る223系新快速の快適な転換クロスシートで旅をします。さすがは新快速。随所で130kmの超高速運転。あれよあれよという間に京都を過ぎ、大阪を過ぎ、神戸を過ぎて、姫路に到着しました。

米原駅で。駅名票を撮るので精いっぱいでした
130kmで飛ばす新快速
大阪到着寸前、淀川を渡ります

姫路といえば駅そば。ここで夕食がてら駅そばを食べようと思ったのですが、岡山行の発車時刻が迫っていたこともあって駅弁を購入して、車内で食べることにしました。
そしてやってきたのは何と、国鉄型の115系。末期色とも呼ばれる真っ黄色な車体です。岡山地区にも新型車両が導入される予定で、おそらくもう乗れるチャンスも少なくなるでしょう。貴重な車両に乗ることができました。

姫路駅からは115系に乗車

列車は岡山に到着。ここからは四国高松へ向けてラストスパートです。岡山と高松を頻繁に結んでいる快速マリンライナーが今日のラストランナー。
この区間の最大の見どころはやはり瀬戸大橋なのですが、夜で、ライトアップも終わっている時刻だと、真っ暗なだけでした。
しかし、マリンライナーの俊足ぶりはお見事。21時39分、まだ熱気の残る高松に到着しました。今日は駅前のビジネスホテルに投宿します。

岡山駅で。奥には津山線のキハ40系が
高松に到着。マリンライナーが2本並びます
よく見ると笑顔に見える高松駅に到着

2日目

翌朝、とんぼ返りの2日目がスタート。
今日も見事な快晴です。まずは快速マリンライナーで岡山を目指します。高松には結局寝に来ただけになりましたが、これも、とにかく列車に乗りまくるという青春18きっぷらしい旅といえるでしょう。
香川らしいおむすびみたいな山々を見ながら列車は瀬戸大橋に突入。よく晴れたお天気の下、瀬戸大橋からの絶景はひときわ美しいものがありました。

高松駅で。快速マリンライナーでとんぼ返りです
坂出駅からは讃岐富士こと、飯野山が
瀬戸大橋の絶景に大満足

8時15分、岡山駅に到着。今日も平日ですので、ちょうど朝ラッシュのピーク時間帯。マリンライナーはすし詰めでした。
そして岡山からは赤穂線に乗り換えます。乗り継ぎの関係で、播州赤穂経由のほうが早かったのです。やってきたのはまたも115系。しかも、通称食パン、先頭車化改造をした車両でした。これまた貴重な車両に乗車することができました。

食パン電車に乗って赤穂へ
途中、日生では海を望みます
播州赤穂で姫路行に乗り換え

姫路に到着。この晴天の下、姫路城もきれいに見えています。
そして、姫路で何としても食べたかったのが駅そば。昨夜はあきらめましたが、ちょうど昼前でしたので、入ってみました。姫路駅の駅そばは麺がソバではなく中華麺でできています。これがまた美味しい。

姫路駅のデッキから姫路城を望む
駅のホームにある駅そば屋。外観もいいですね
中華麺が入った駅そばが美味しいのなんの

姫路乗り換え時間の25分間にトイレに行き、姫路城を撮り、そして駅そばを食べたので列車にはぎりぎりで乗車。おかげで写真を撮り損ねました。あわただしく移動したので汗だく。涼しい車内はほぼ爆睡です。
途中、明石海峡大橋がきれいに見えました。相変わらずいいお天気。新快速は快調に飛ばし、野洲で乗り換えて米原までは同じく2時間半の旅。快適な転換クロスシートで移動しました。

車窓から見えた明石海峡大橋

米原からはJR東海の区間です。この区間、一気に編成が短くなります。もう少し経つと18きっぱーで混雑して座席の確保もままならなくなりますが、この日は空いていました。
まずは大垣行に乗車。4両編成でしたが悠々と座れました。伊吹山を正面に望むポイントでは前面展望を堪能しました。
大垣からは新快速豊橋行で、一気に東進します。そうそう、昨日は中央本線をずっと移動してきましたが、2日目は中央本線の中津川以北の乗り継ぎが絶望的に悪いため、東海道本線周りを決断したのでした。

米原駅で大垣行に乗り換え
関ヶ原の手前で伊吹山を望む
大垣からは新快速で一気に豊橋へ

大垣を14時11分に出る新快速は15時38分に豊橋に着きます。ほぼ爆睡。いつの間にか名古屋も過ぎて、蒲郡では海が少し見えました。
豊橋ではわずかに2分接続。写真を撮る暇はなく浜松行に乗車。

浜松からは熱海行に乗車します。
18きっぱーにとって最大の難関といわれるのがこの静岡県の区間です。東海道本線の静岡県区間は、とにかく東西にひたすら長いこと、優等列車がほとんどないこと、そして何より走る車両のほとんどがロングシート車ということがその原因なのですが、なんと浜松にやってきたのは、旧セントラルライナーとして活躍していた313系。転換クロスシートの車両に乗ることができました。地獄の静岡を覚悟していましたが、いやはや極楽極楽。

地獄の静岡県区間を天国に変えた313系

そんな快適な列車は熱海行ですので、本当は熱海まで乗り通してもいいのですが、静岡で下車しました。なぜか、地獄の静岡区間の救世主、快速ホームライナー沼津に乗るためです。なんとこの列車、快速で330円の整理券を買うだけで特急型車両373系に乗車できるという18きっぱーにとっては神のような列車なのです。わずか40分の旅ですが、快適な特急型車両のリクライニングシートで快適に移動しました。

静岡駅でホームライナー沼津に乗車
快適な特急型車両で移動

そして到着した沼津。乗り換えるのは、先ほど浜松から静岡まで乗ってきた普通列車熱海行。静岡を30分ほど後に出たホームライナーが追いついた格好です。先ほどと同じく旧セントラルライナーの313系の転換クロスシートを確保。どうせ同じ列車に乗るなら、乗り続けていればいいじゃない、と思うかも知れませんが、いやいや、特急型車両に指定席券だけで乗れるのですから、利用しない手はないのであります。
沼津から熱海へと移動。転換クロスシートは快適ですが、さっきの特急のシートとつい比べてしまう自分がいました。

熱海到着。JR東日本のE231系に乗り換え

熱海に到着。ついにJR東日本の管内まで戻ってきました。やってきた列車はJR東日本のE231系。ロングシート車でして、しかも座ってみてビックリ。堅いのなんの、昨日の315系を上回るカッチカチの車両。一気に腰が痛くなってきて、思わず茅ケ崎で降りる決断をしました。そう、まだ乗ったことがなかった相模線に乗ろうと思ったのです。

茅ケ崎で相模線・最新鋭E131系に乗り換え

相模線には最新鋭のE131系が走っています。帰宅ラッシュで混んでいましたが、それでも座席を確保。JR東日本のロングシート車なので座席は堅いのは変わらないのですが、心なしかE231系に比べれば柔らかく感じました。

相模線で橋本、そこから横浜線で八王子、そして八王子からは中央線に再び乗車して22時少し前、国分寺に到着。2日間に渡った青春18きっぷの旅を終えました。

八王子駅で。最後のランナー、中央線

こうして親子ふたり旅は終了。ただ高松まで行ってとんぼ返りしただけですが、行きは中央本線経由、帰りは東海道本線経由と路線を変えてみたり、瀬戸大橋や伊吹山の絶景や姫路駅の駅そばなど、沿線でも楽しみました。久しぶりの青春18きっぷの旅でしたが、こうして鉄道に乗りまくる旅も、たまにはいいものですね。

(掲載写真はすべて筆者撮影。Google Pixelで撮影)

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