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鉄印帳の旅【第7弾】

11月の終わり、鉄印帳の旅に再び行ってきました。行先は熊本県を走る肥薩おれんじ鉄道と南阿蘇鉄道です。今回もただ行って往復するだけでなく、いろんなのりものに乗ってみようと思います。

まずは前夜祭-熊本市電撮影

本来は土曜日の早朝から出発して熊本を堪能したいところですが、あいにく午前中は所用があり、羽田空港を出たのは15時前のJAL便。熊本市街に着いたのは18時を過ぎた頃でした。
この日は鉄印巡りではなく、もうひとつのメインイベントである熊本市電の夜景撮影に費やします。

通町筋電停

熊本には健軍町から熊本駅前を通って田崎橋までと、辛島町で分岐して上熊本駅前まで行く2つの系統の路面電車が走っています。
まずは登録有形文化財の建物が立つ長崎次郎書店前の新町、そこから「あんたがたどこさ」のわらべ歌で知られる洗馬橋、そして熊本市内一の繁華街、通町筋にやってきました。熊本城バックの写真が撮れる有名なポイントです。ちょうど紅葉ライトアップもやっていて、天守閣の隣の大イチョウも浮かび上がっていました。路面電車の手前には繁華街を渡る多くの人々。これも熊本らしい光景ですね。
その後はかつての交通センター、今の「熊本桜町バスターミナル」の屋上展望広場、熊本駅前でも撮ってヘロヘロ。3時間ちょっとの撮影でしたが、たくさんの写真を撮れました。この日は駅前のビジネスホテルに投宿します。

肥薩おれんじ鉄道で海の景色を堪能

翌日、いよいよ鉄印帳の旅。
まず向かうのは肥薩おれんじ鉄道です。八代から鹿児島県に入って川内までを結ぶ、旧鹿児島本線から転換された路線。鉄印の記帳場所は始発の八代駅ですが、それでは申し訳ないので、新水俣まで九州新幹線で先回りして、そこから八代に戻る形で進んでみます。

お城の石垣みたいな熊本駅
九州新幹線さくら401号

熊本駅からは九州新幹線に乗車します。九州新幹線は初めての乗車。さすがは新幹線、新水俣まではわずか20分足らずで到着です。

九州新幹線の車窓

車窓からは有明海を挟んで反対にある長崎県島原半島の雲仙岳がよく見えました。結構近いんですね。何となく「島原大変肥後迷惑」というかつて江戸時代にあった火山災害を思い出しました。これだけ近くては、確かに大噴火が起これば被害に遭うかもしれませんね。

新水俣に到着しました。駅にはコンビニが一軒あるだけの静かな静かな中間駅です。水俣の中心市街地からも離れており、ひと気もほとんどありませんでした。

新水俣駅舎

ここで肥薩おれんじ鉄道に乗り換えです。肥薩おれんじ鉄道の新水俣駅は、改札はおろか自動券売機すらありません。しかもびっくりするほど狭いホーム。新幹線開業に合わせて狭い敷地に強引に造った感じがしました。

肥薩おれんじ鉄道の新水俣駅ホーム

待つこと30分、肥薩おれんじ鉄道八代行が到着しました。お、やってきたのはくまモンラッピング列車3号です。

新水俣に入線するくまモンラッピング列車3号
車内もあちこちにくまモンが

午前中に肥薩おれんじ鉄道に乗った理由、それはきれいな海が見たいからです。線路の西側にある海をきれいに眺めるなら午前中に限ります。
佐敷駅まではなかなか海が見えそうにない感じですが、そこからトンネルを抜けた高台にある海浦駅に着くと、眼下に青い海が広がりました。思わぬ絶景に思わず声が出ました。

海浦駅

そして沿線のハイライトともいうべきなのが上田浦駅付近。およそ5kmにわたって海沿いを走ります。窓いっぱいに青い海が広がる様はまさに絶景。対岸には天草諸島が見え、青い空と青い海が同化して見えます。なんて気持ちのよい光景でしょうか。

上田浦駅付近にて

新水俣から約1時間、列車は八代に到着しました。新幹線だとわずかに10分ですが、時間があるなら、間違いなく私は肥薩おれんじ鉄道を推します。最高の天気の日に訪ねられて本当によかったです。

八代駅には肥薩おれんじ鉄道の本社があります。ここで鉄印をもらいます。

肥薩おれんじ鉄道八代駅
肥薩おれんじ鉄道の鉄印

ここからはJRで熊本駅へと戻ります。
八代といえばでっかい柑橘類「晩白柚(ばんぺいゆ)」が特産の街。駅前ロータリーには晩白柚を抱えたくまモンが端座していました。

JR八代駅
熊本へ向かう列車が到着

JRの普通列車はわずかに2両編成ですが、熊本へと向かう人々の需要は大きく、たくさんの乗客で賑わっていました。もう少し編成両数を増やしてあげた方がいいかも知れませんよ、JR九州さん。

快速たかもり号で高森へ

朝方に出発した熊本駅へと戻ってきました。時刻は12時少し前。本当ならここでゆっくりして熊本ラーメンでも食べたいところですが、のりもの乗りまくりの旅をしたい私には時間がありません。熊本駅前を12時少し前に出る九州産交バスの快速たかもり号に乗車。南阿蘇鉄道の鉄印を販売している高森町へ一気に移動します。

熊本駅前バス停に到着する快速たかもり号

南阿蘇鉄道は、JR豊肥本線の立野駅から高森駅を結ぶ第三セクター鉄道ですが、熊本地震の影響で立野から中松駅までが復旧工事中となっています。現在は中松-高森間で1日3往復の列車が運転され、土休日はトロッコ列車が運転されています。
熊本からも列車で行ければよかったのですが、不通区間もありますので、今回は九州産交の都市間バスで移動することにしました。

快速たかもり号は熊本桜町バスターミナルなどの熊本市街地を抜け、熊本空港を経由して西原村、南阿蘇村を通り、ほぼ定刻の14時前に高森中央に到着しました。途中では雄大な阿蘇山の絶景が広がり、まったく飽きない2時間のバス旅でした。

快速たかもり号の車窓から

バスの終点、高森中央から南阿蘇鉄道の高森駅までは歩いて10分足らず。気持ちのよい午後の陽光でぽかぽかと暖かく、お散歩にはもってこいの昼下がりでした。

南阿蘇鉄道でトロッコ列車に

高森駅に到着。かつてはここから山を抜けて高千穂まで結び、高千穂線と接続して延岡まで結ぶ構想もあったようですが、高森トンネルの湧水量が多く建設を断念、阿蘇外輪山の麓にある高森で線路はプツリと途切れています。

高森駅

南阿蘇鉄道は熊本地震で被災し、まだ復旧工事のさなかにあります。同鉄道には多くの漫画家からのエールが寄せられ、駅の構内にも色紙がたくさん掲げられていました。また、駅前にはワンピースのキャラクターの銅像があり、こちらも多くの観光客の目を楽しませていました。
ここで鉄印を購入しました。

駅舎内にある漫画家からのエール
駅前のモニュメント-背後は阿蘇山
南阿蘇鉄道の鉄印

南阿蘇鉄道は中松までの暫定運転を続けており、運転本数は1日わずか3往復です。また、私が訪れた11月28日までの土休日は全列車がトロッコゆうすげ号による運転となっていました。
私もこのトロッコの指定券を買って、中松駅まで応援乗車することにしました。

高森駅に停車するトロッコゆうすげ号
トロッコに乗車するのは予土線以来15年ぶり

14時45分、多くの人に見送られながらトロッコゆうすげ号の最終便が発車。きれいな阿蘇山がほぼ全線にわたって眺められ、車窓さんによる観光案内も楽しく、何よりもゆっくりと走り、線路の揺れが直に伝わってくるトロッコならではの乗り心地が最高です。

トロッコから見た阿蘇山

途中の阿蘇白川駅はチャペル風の駅舎。そこでは柴犬の駅長さん、ゆうちゃんがいます。立派な制帽も被って愛嬌を振りまいていました。

阿蘇白川駅の駅長ゆうちゃん

そんなこんなでトロッコは20分足らずで中松駅に到着。列車はすぐに高森への折り返し準備に入ります。中松駅にはおもちゃがたくさん置いてある喫茶店が営業中で、ホームにも大きなロボットが置いてありました。

中松駅ホーム
中松駅舎

折り返しの高森行の最終トロッコゆうすげ号は中松駅近くの田んぼのあぜ道から撮影。背後には見事な阿蘇山が見えていました。

中松駅を出発するトロッコゆうすげ号

さて、そろそろお帰りの時間です。帰りは中松駅前のバス停から、先ほど乗ってきた九州産交バス快速たかもり号の折り返し便に乗車します。これに乗って熊本空港で下車。夕方のJAL便で帰宅しました。

中松駅前バス停に近づく快速たかもり号

むすびに

こうして肥薩おれんじ鉄道と南阿蘇鉄道の鉄印集めの旅は終わりました。昨年の9月に始めた鉄印帳の旅ですが、今回の旅で28社目、7割の鉄印を集めることができました。これからも、あまり焦らずに、ゆっくりと鉄印集めの旅を楽しみたいと思います。

(掲載写真はすべて筆者撮影。なお、道中ではマスク着用のほか、単独行動に心がけるなど、感染防止に心がけております)

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