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海沿いRailway-鉄道写真セレクション

ずっと緊急事態宣言が出ていて、かつ仕事も忙しくて夏休みも取れず、結局この8月は一度もカメラを手に取ることなく過ぎようとしています。そんな時は過去に撮った写真を見ながら気を紛らわせるのですが、今回は、過去に撮影してきた鉄道写真の中から、海沿い鉄路だけを選んでみました。

1.北海道-函館本線・朝里

まずは北から。北海道では、かつては日本海沿いにも、オホーツク海沿いにもそして太平洋岸でも多くの海沿い鉄路がありましたが、路線の廃止が相次ぎ、今ではかなり少なくなってしまいました。その中でご紹介するのは函館本線の朝里駅。札幌から小樽までの区間は快速エアポートも走って本数も多いドル箱路線ですが、途中の銭函駅付近からはしばらく石狩湾沿いに進んでいきます。朝里駅では裏手の高台から駅を見下ろすことができます。夏の終わりに訪れた際には南国のようなエメラルドグリーンの海が出迎えてくれました。

2.東北-三陸鉄道リアス線・白井海岸-堀内

東北地方にも多くの海沿い鉄路があります。青森県と秋田県を結ぶ五能線はその絶景を売りにしたクルーズトレインも走っていますね。ここで取り上げるのは三陸鉄道リアス線です。リアス式海岸の険しい断崖をトンネルで抜けていくので、海を望む区間はそれほど多くはないのですが、この大沢橋梁は有名な撮影地です。列車は橋の上でしばし停車し、乗客を楽しませてくれます。ちなみにこの撮影場所はドライブインの駐車場。ここで食べた海藻ラーメンはとても美味しかったです。

3.関東-内房線・上総湊-竹岡

関東地方で海を望むことができる路線はそれほど多くはありません。常磐線の一部で見られる他は鶴見線の海芝浦駅とか、神奈川県の小田原以西とか、そのくらいでしょうか。海で囲まれた千葉県でも海を望める区間はさほど多くはないのですが、やはり内房線が代表格でしょう。上総湊付近から随所で海を臨むことができます。汚いと言われる東京湾もこのあたりは青くきれいに見えます。

4.東海-伊豆急行・伊豆稲取

東海地方で取り上げるのは伊豆急行です。トンネルも多いですがかなりの区間で青々とした相模湾の情景を見ながら列車は進みます。伊豆の温泉街、リゾートへと向かい、東京からも特急列車がやってきます。ここ伊豆稲取駅は有名な稲取温泉郷の玄関駅。背景に見える山は伊豆大島です。交換している列車はすでに引退した185系踊り子号とリゾート21。今となっては貴重な一枚を、素晴らしい晴天の下で撮影していました。

5.北陸-信越本線・笠島

日本海側と聞くと、ついつい冬の荒々しい海を想像してしまいますが、夏の日本海は本当に美しいのです。新潟県を走る羽越本線や信越本線は随所で海沿いを走ります。南国のようなエメラルドグリーンの海も見ることができ、夏の旅行にはぴったりです。ここ笠島駅は日本海沿いの小さな無人駅。海に一番近いといわれる青海川駅の隣にある駅です。日本海を縦断して関西と東北・北海道を結ぶ貨物列車が豪快に駆けていきました。

6.近畿-京都丹後鉄道・丹後由良-栗田

紀伊半島をぐるりと一周する紀勢本線などもありますが、近畿地方でも京都から兵庫(但馬)にかけて走る山陰本線の日本海沿いもきれいな沿線風景が続きます。ご紹介する京都丹後鉄道も、短い区間ですが海沿いを走ります。空が霞んでいた日の訪問でしたが、緑の田んぼに青い海、そしてそれによく映える水色の車体が大変きれいでした。まだ北近畿タンゴ鉄道と呼ばれていた時代の写真です。

7.中国-山陰本線・折居-三保三隅

今や日本最長の路線となり、偉大なるローカル線の別名を持つ山陰本線。日本海沿いを進む区間も多いですが、島根県西部では随所で美しい海岸風景を走ります。この写真を撮った折居-三保三隅のポイントは道の駅ゆうひパーク三隅の裏手で、アクセスが大変便利な場所です。絶景は何も断崖絶壁に登らなくたっていい。道の駅で撮れるのですからいいところです。このエメラルドグリーン、夏になる度に再訪したくなる場所です。

8.四国-土讃線・安和

香川県から四国山地を越えて高知県を目指す土讃線。中核となる高知駅からさらに西、土讃線の終点・窪川に近いところにこの安和駅はあります。かなりアクセスしにくい場所ですが、その絶景は目を見張るものがあります。見てください、駅のすぐ隣は砂浜。近くを走る国道の交通量も少なく、波が静かに打ち寄せるだけで実に静かな場所でした。都合3回ほど訪れていますが最初に訪問した2005年のこの写真が一番よく晴れてお気に入りの一枚です。

9.九州-指宿枕崎線・平川-瀬々串

九州には実に多くの海沿い鉄路があります。最近、国鉄型車両が引退して話題になった大村線も有名ですし、日南線などもきれいですが、ご紹介するのは日本最南端の路線、指宿枕崎線です。海沿いを進む区間は多いものの、あまりその情景を撮ることが難しい路線ですが、このポイントは平川駅から近い跨線橋で撮ったもの。黄色いディーゼルカーにヤシの木がいかにも南国らしい一枚になりました。

むすびに

以上、日本全国、北から南までの海沿い鉄路をご紹介しました。まだ海沿い鉄路のすべてを撮ったわけではありませんし、もう一度撮り直したい区間もたくさんあるのですが、改めて思うのは、日本は海に囲まれた国であることですね。そして、山がちな国なので、必然的に鉄道路線も海沿いを走ることが多い。やはり晴れた日限定で訪れたくなりますが、これからも海沿い鉄路を開拓していきたいと思います。

(掲載写真はすべて筆者撮影)

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