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【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅第21弾(大阪・堺⇒三重・鳥羽)

シリーズでお送りしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらの検証記事、少し間が空いてしまいましたが今回は第21弾をお送りします。

第21弾は大阪の堺から、本州最南端・潮岬をチェックポイントとして、ゴールは三重県鳥羽市の鎧崎、バス停は国崎バス停となります。
マドンナは女優の高橋ひとみさん。よく刑事ドラマで拝見する女優さんですね。放映は2015年9月、ロケは同年8月とされていますが、とにかく最後まで真夏の炎天下での歩きが多く、しんどそうな回でした。

第21弾の実際ルート

一日目
堺駅南口-(南海バス堺市内南回り21系統)-堺東駅前-(南海バス堺東・鳳線1系統)-西区役所前-(南海バス光明池・鳳線8系統)-光明池駅-(南海バス泉大津光明池線21系統)-室堂-(南海バス父鬼線38系統)-和泉中央駅-(南海ウイングバス南部東ケ丘線64系統)-岸和田駅前-(岸和田市ローズバス右回りコース)-南町-(徒歩)-市立貝塚病院-(貝塚市コミュニティバスオレンジバス)-二色浜駅前-(徒歩) -鶴原駅筋-(泉佐野市コミュニティバス北回り)-泉佐野駅前-(南海ウイングバス南部府営熊取団地線43系統)-熊取駅前-(和歌山バス那賀粉河熊取線)-粉河駅前
二日目
粉河駅前-(和歌山バス那賀211系統)-南海和歌山市駅-(和歌山バス116系統)-海南駅前-(海南市コミュニティバス鰈川線)-下津駅前-(徒歩)-東燃クラブ-(有田市デマンドバスAコース)-須谷会館-(徒歩)-藤並駅-(有田鉄道花園線)-金屋口-(有田鉄道美山線)-川原河-(日高川町コミュニティバス寒川線)-愛徳荘前
三日目
平橋-(田辺市住民バス龍神日高川線)-柳瀬-(龍神自動車西線)-紀伊田辺駅-(龍神自動車熊野本宮線)-本宮大社前-(熊野交通川丈線)-新宮駅-(熊野交通新宮・潮岬線)-潮岬
四日目
串本駅-(熊野交通新宮・潮岬線)-新宮駅-(三重交通熊野新宮線13系統)-熊野市駅-(三重交通南紀特急津線)-滝原宮前-(三重交通南紀特急松阪線)-春日町-(徒歩)-早馬瀬口-(三重交通松阪伊勢線20系統)-伊勢市駅

実際ルートでは乗り継ぎミスもあって、3日目にようやく潮岬に到着し、4日目は奇跡とも思える長距離移動でゴールに期待を持たせましたが、最後は松阪で再び長距離歩きとなって、結果として伊勢市駅で断念となりました。

2023年のダイヤ検証

それでは、今のダイヤで行ってみると、果たしてゴールにたどり着けるのでしょうか。
実は、バス旅シリーズでは、Z第15弾でも潮岬を目指しているのですが、第21弾当時はあった新宮から潮岬へと行く熊野交通新宮潮岬線が廃止されてしまい、コミュニティバス乗り継ぎになっていて、田中さんたちご一行は苦労されていました。今回の検証でも、この廃止区間がキーポイントになりそうです。

①実際ルートになるべく沿うルート

1日目
南海堺駅808→南海バス・0系統・大小路線→819堺東駅前832→南海バス・23系統・堺東光明池線→927光明池駅前1003→南海バス・321V系統・泉大津光明池線→1027和泉中央駅1039→南海ウイングバス南部・664系統東ヶ丘線→1123岸和田駅前→(徒歩2.1km・30分)→津田北町会館前1223→水間鉄道ピンクバス→1236貝塚市役所1304→水間鉄道オレンジバス→1328二色浜駅前→(徒歩1.1km・15分)→鶴原駅筋1346→いずみさのコミュニティバス・北回り→1401りんくう総合医療センター→徒歩700m・10分→りんくうタウン駅1610→和歌山バス那賀・りんくう岩出線→1700根来1739→和歌山バス那賀・紀伊粉河線→1753紀伊駅前1759→和歌山バス・83系統・六十谷線→1857南海和歌山市駅前

実際ルートでは泉佐野から熊取へ出て、そこから県境を越えて粉河まで行き、そこで和歌山行の最終バスに間に合わずに粉河宿泊となりましたが、実は和歌山県境を越えるバスはもう一つありまして、りんくうタウンから岩出へと抜けるバスがあります。このバスに乗ればその日のうちに和歌山まで行くことができます。和歌山まで行けると、当初一行が予定していたマリーナシティに泊まりたくなりますが、実はマリーナシティに泊まってしまうと始発バスが遅くて翌日以降の乗り継ぎが難しくなりますので、ここは和歌山で宿泊することがよさそうです。

2日目
南海和歌山市駅655→和歌山バス・和歌山市内線→743海南駅前820→海南市コミュニティバス・鰈川線→909鰈川→(徒歩2.4km・30分)→東燃クラブ1112→有田市デマンドバス・Aコース→1152須谷会館→(徒歩3.2km・45分)→藤波駅東口1329→有田鉄道・済生線→1343金屋口1614→有田鉄道・美山線→1651川原河1705→日高川町コミュニティバス・寒川線→1723平橋

大阪府内でも苦労した一行ですが、和歌山市から南へ抜ける方面へもなかなかうまく繋がりません。現在のダイヤでも細かい歩きを挟みつつ、ようやく、実際ルートと同じく平橋までとなります。なお、放映当時は宿泊した愛徳荘の前までバスが行っていたようですが、今では最寄りの平橋までとなります。ちなみに、マリーナシティで泊まってしまうと苦労すると書いたのは、マリーナシティを出るバスの始発が遅く、海南駅前8時20分発のバスに乗れないからです。

3日目
平橋729→龍神地域住民バス・龍神日高川線→814保の平821→龍神バス・龍神線→917紀伊田辺駅1015→明光バス・91系統・熊野古道線→1243新宮駅1300→熊野御坊南海バス・11系統・新勝線→1337紀伊勝浦駅/勝浦駅1649→那智勝浦町営バス・太田線→1703下里出張所1705→那智勝浦町営バス・下里線→1724瀬田→(徒歩2.9km・40分)→上の宮1816→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→1852串本駅

3日目は実際ルートと同じく紀伊田辺へ出て、そこから熊野古道を経由するバスを乗り継いで新宮へと向かいますが、そこから先はZ第15弾と同じように新宮潮岬線の廃止の影響でコミュニティバスの洗礼を浴び、潮岬にすら行けず手前の串本宿泊となります。

4日目
串本駅725→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→742潮岬観光タワー848→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→905串本駅1018→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→1054上の宮→(徒歩2.9km・40分)→瀬田1303→那智勝浦町営バス・下里線→1332下里出張所1406→那智勝浦町営バス・太田線→1429那智駅1438→熊野御坊南海バス・17系統・新勝線→1509新宮駅1530→三重交通・13系統・熊野新宮線→1617熊野市駅前

4日目、朝のうちに潮岬のチェックポイントを通過し、きびすを返して鳥羽へと向かいますが、コミュニティバス乗り継ぎに苦労し、また、熊野市からの三重交通・南紀特急バスが大幅減便になっており間に合いませんでした。なお、熊野市駅からの最終バスは13時27分発で、相当早い時間に終わってしまいます。

②龍神村中心部で宿泊するルート

それでは、熊野市へ13時27分までに到着できるよう、見直していきたいと思います。
振り返ると、2日目の宿泊地愛徳荘は到着が17時半、もう少し先に進めないでしょうか。実は、愛徳荘で泊まらずに、龍神村の中心部まで行って宿泊するという手もあります。終点の近くには「丸井旅館」という名前のバス停すらありますので、ここではその丸井旅館に泊まることができたと仮定してみましょう。

2日目
南海和歌山市駅655→和歌山バス・和歌山市内線→743海南駅前820→海南市コミュニティバス・鰈川線→909鰈川→(徒歩2.4km・30分)→東燃クラブ1112→有田市デマンドバス・Aコース→1152須谷会館→(徒歩3.2km・45分)→藤波駅東口1329→有田鉄道・済生線→1343金屋口1614→有田鉄道・美山線→1651川原河1815→龍神地域住民バス・龍神日高川線→1927丸井旅館
 
3日目
丸井旅館701→龍神バス・龍神線→755紀伊田辺駅/田辺駅前802→明光バス・91系統・熊野古道線→1030新宮駅前1100→熊野御坊南海バス・11系統・新勝線→1137紀伊勝浦駅/勝浦駅1309→那智勝浦町営バス・太田線→1323下里出張所1325→那智勝浦町営バス・下里線→1344瀬田→(徒歩2.9km・40分)→上の宮1501→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→1537串本駅1600→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→1619潮岬観光タワー1728→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→1747串本駅
 
4日目
串本駅840→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→916上の宮→(徒歩2.9km・40分)→瀬田1003→那智勝浦町営バス・下里線→1022下里出張所1127→那智勝浦町営バス・太田線→1141勝浦駅/那智勝浦駅1200→熊野御坊南海バス・15系統・新勝線→1248新宮駅1330→三重交通・13系統・熊野新宮線→1417熊野市駅前

というわけで、3日目中に潮岬のチェックポイントを終え、翌朝は串本からコミュニティバスを乗り継いで熊野市を目指しましたが、やはりコミュニティバスの本数が少なく、最終バスよりも1時間ほど遅くに熊野市に着くのがやっと。

いろいろと調べてみましたが、実際ルートの一行と同じく熊野古道を通って新宮と串本を往復するのはコミュニティバスの関門もあって、4日目に到達することは難しそうです。

何とか、3日目のうちに串本ではなく、もっと先の紀伊勝浦や新宮、熊野市くらいまで進んでおくことはできないものでしょうか。

③白浜を経由するルート

実際ルートでは、太川さんは当初、白浜を経由して海沿いにぐるっと行くルートを想定していたようで、その結果、紀伊田辺で熊野古道へ向かうバスを乗り逃していますが、実は、今のダイヤでは、その白浜ルートで、長距離の歩きを挟みますが、4日間でゴールに到達できるルートが見つかりました。

3日目
丸井旅館701→龍神バス・龍神線→755紀伊田辺駅/田辺駅前813→明光バス・白浜田辺線→847藤島→(徒歩3.2km・45分)→南紀白浜空港930→熊野御坊南海バス・南紀白浜空港線→1040串本駅→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→1110潮岬観光タワー1219→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→1238串本駅1355→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→1431上の宮→(徒歩15.6km・4時間)→紀伊勝浦駅1830→熊野御坊南海バス・17系統・新勝線→1907新宮駅前1930→三重交通・13系統・熊野新宮線→2017熊野市駅前
 
4日目
熊野市駅前743→三重交通・56系統・南紀特急バス→1056栃原→(徒歩2.3km・40分)→注連指口1322→三重交通・25系統→1410伊勢市駅前1457→三重交通・伊勢二見鳥羽周遊バスCANばす→1557鳥羽バスセンター1623→鳥羽市コミュニティバス・国崎線→1718国崎

3日目のうちに串本ではなくもっと先まで進んでおくことを考えた時、熊野古道を抜けるバスではなく、南紀白浜空港からの空港連絡バスを利用する方法があります。ただ、藤島バス停から3kmちょっとを40分程度で歩かなければならず、ゆっくり歩いていると間に合いません。また、すでに最終バスが終わっている那智勝浦町営バスの区間は15.6kmもの長い間を歩く必要があります。ただ、それを越えれば、4日目は熊野市からスタートすることができ、夕方にはゴールの国崎に到着することができます。

④八木新宮線を利用するルート

この放映が予告されて以来、ネットで使えないだろうかとささやかれていたのが、日本最長の路線バスとして知られる八木特急線です。最後に、このバスを使うルートを検証してみました。

1日目
南海堺駅808→南海バス・0系統・大小路線→819堺東駅前832→南海バス・25系統・布忍線→904河内松原駅918→近鉄バス・46系統・松原線→947さつき野東959→近鉄バス・96系統・富田林線→1006喜志駅前→(徒歩13.5km・3時間半)→高田市駅1357→奈良交通・特急301系統・八木新宮線→2022新宮駅

喜志駅から国道166号の竹内峠を越えて高田市駅まで歩き切れば、1日3本の八木新宮線の最終バスに乗車することができ、1日目で新宮に到達することができます。バス路線としては喜志駅から金剛自動車というバス会社で太子町の中心・山田まで進むことができ、そうすると歩きを4km近く減らすことができるのですが、ちょうどよい時間にバスがなく間に合わないので13kmを歩くことになります。

2日目
新宮駅830→熊野御坊南海バス・25系統・新勝線→916那智駅1015→那智勝浦町営バス・太田線→1038下里出張所1040→那智勝浦町営バス・下里線→1059瀬田→(徒歩2.9km・40分)→上の宮1319→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→1400串本駅1426→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→1443潮岬観光タワー1619→串本町コミュニティバス・潮岬出雲線→1636串本駅

2日目は結局新宮から潮岬へ移動し、串本に戻るまで。コミュニティバスは本数も少ないし、最終バスも早いので、なかなか移動できません。

3日目
串本駅840→串本町コミュニティバス・佐部上田原線→916上の宮→(徒歩2.9km・40分)→瀬田1003→那智勝浦町営バス・下里線→1022下里出張所1127→那智勝浦町営バス・太田線→1141勝浦駅/那智勝浦駅1200→熊野御坊南海バス・15系統・新勝線→1248新宮駅1330→三重交通・13系統・熊野新宮線→1417熊野市駅前

3日目は②で検証した4日目のルートと同じ。熊野市からの南紀特急バス最終便には間に合いませんので、かなり早い時間ですが熊野市で宿泊です。

4日目
熊野市駅前743→三重交通・56系統・南紀特急バス→1056栃原→(徒歩2.3km・40分)→注連指口1322→三重交通・25系統→1410伊勢市駅前1457→三重交通・伊勢二見鳥羽周遊バスCANばす→1557鳥羽バスセンター1623→鳥羽市コミュニティバス・国崎線→1718国崎

4日目は③のルート最終日と同じです。
この結果、八木新宮線ルートを使っても辿り着くことができます。白浜周りの③ルートが3日目に18km近くを歩かされることを考えれば、初日の13kmの歩きは確かに大変ではあるものの、徒歩距離は一番少なく、楽なルートといえるかも知れません。

まとめ

というわけで、南紀特急バスの大幅減便も相まって、熊野古道経由の実際ルートではゴールできないこと、白浜周りは早歩きと長距離徒歩があるものの何とかゴールができそうであること、八木新宮線を利用するルートでもゴールできそうであることがわかりました。八木新宮線、路線バスファンにはおなじみのバスですので、この路線を使って移動したら話題性に富んだ回になったかも知れませんね。

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