【2024年受験】SAPIXの合格実績を眺めて@女子校編

 男子校に続き、昨年同様今年も女子校のSAPIXの合格実績について考えてみたいと思います。重ね重ねですが、独断と偏見の主観的感想にお付き合いください。

 データは、サピサピ受験様を参考にさせていただいております。


【1日校】

 1日校の合格者数に関しては、「安定」の一言で片づけていいと考えています。多少の変化はありますが、中期的に見れば「変化なし」と言ってもいいでしょう。たとえば、桜蔭は去年よりも人数を減らしましたが、一昨年よりは多く、また一昨々年までは180台にも乗っていなかったので、去年を異常値として捉えても差し支えないかと。そういう風に考えれば、1日校の合格者数の動きに、それほど変化を感じません。
 若干感じるとすれば、雙葉とフェリスがSAPIX生のトレンドから外れつつあるかもしれないと感じるくらいです。フェリスは、同じ地区にある横浜共立と横浜雙葉の凋落から考えても、昨今の交通網の発達による影響を受けている気もします。とはいえ、断言するには早いことばかりです。

【学校別】

[国府台女子学院]

一昨年が91名でしたが、今年は98名まで増えています。4年前までは70台に乗っていなかったことを考えると、変化を感じるところです。近年、東京湾の臨海エリアの開発で、同地域の中学受験生が増加したという話を聞いています。そのエリアの受験生は千葉の学校にも通いやすいので、国府台女子を押さえてチャレンジ受験にする層が増えた可能性もあると感じています。この傾向は、臨海部の人口と所得層の変化のかもしれません。

[淑徳与野]

国府台女子学院と同じ論理で合格者数が増えていると考えています。昨年の194名から261名と一気に数字を増やしていますが、与野は東京からも通える範囲にある学校なので、もしもの時の進学先として確保している家庭が増えている気がします。2月にチャレンジ受験をするのであれば、淑徳与野に入学金を払っておいても良いという御家庭はあるのでしょう。

[頌栄女子学院]

 今年は94名と90名の大台を突破しました。一つ壁を越えた感じがします。来年は100名を超えるかどうかが注目です。
 問題の難易度や合格者最低点を考えても、5日一発で受かるのは容易ではないので、本郷と同じ理論で1日から受験する層が増えたのでしょう。1日の合格者最低点の方が5日よりも高くなっていることからも、そのような傾向が感じられます。

[東洋英和女学院]

 今年、受験者数も合格者最低点も上がった学校ですが、SAPIX生は合格者数を減らしています。41名と50名を割っているのに、時代の変化を感じます。完全にSAPIX生のトレンドからは外れてしまっているようです。
 かわりに、他塾が東洋英和を推しているのでしょう。今年の倍率と合格者最低点から考えれば、来年SAPIX生が戻ってくる印象は持てないので、このまま合格者数を減らしていくのかもしれません。

[横浜雙葉]

 2日に受験日を設けたことで、44名と一気に20名増やしています。やはり、入試日程が増えると、SAPIXの合格者数は増えるものなんですね。単純にSAPIXの強さを象徴していると思います。

[山脇学園]

 昨年の110名から86名に減っています。三輪田学園の人気が上がったり、今年は東京女学館が盛り返していたりと、近年の山脇人気に危険を感じた層が流れているのかもしれません。

【まとめ】

 俯瞰してみると、伝統的なミッションスクールはSAPIX生のトレンドに入っていないような感じがします。進学指導に力を入れている大学進学実績の良い学校の方が支持を受けている印象です。当然と言えば当然かもしれませんが、女子校の方が男子校よりも、その傾向を顕著に感じます。
 鴎友学園・吉祥女子・洗足学園は、安定期に入っているようなので、次は頌栄がその仲間入りをする気がします。少し前までは、まだ1日の頌栄は入りやすかった印象があるのですが、時代が進むにつれて、どんどん上の方の学校は入りづらくなっています。その原因は、SAPIXのシェア拡大なのでしょう。合格実績の推移を見ていると、そんなことを感じざるをえません。

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