【2024年受験】SAPIXの合格実績を眺めて@共学校編

 男子校女子校に引き続き、昨年同様に共学校のSAPIXの合格実績を眺めてまいります。独断と偏見の主観的意見でしかありませんが、よろしければお付き合いください。

 昨年の記事は、こちらです。

 データは、サピサピ受験様の記事を参考にさせていただいております。


【埼玉受験】

 共学校の実績で目立つのは、埼玉の学校の合格者数が軒並み増えていることです。女子校編の淑徳与野のときにも触れましたが、おそらく進学先として確保しておくご家庭が増えたのだと思います。栄東はもとより、大宮開成、開智、埼玉栄などまで、軒並み受験者数を増やしているのは、最悪の事態の進学先として考えているからなのでしょう。一昔前は、ここまで多くの受験生がいたイメージはありません。東急沿線の受験生には考えづらいですが、東京北部や東部の受験生にとっては、たとえ入学金を捨てても痛くない保険になっているのかもしれません。埼玉千葉で押さえられていれば、多少攻めた受験ができるものです。ここ数年で、1月受験に対する考え方が変わってきた気がします。

【学校別】

[東京農業大学第一]

 真っ先に目につくのは、東京農業大学第一です。一昨年から200名の大台を超えていますが、今年は一気に60名増やしての271名です。この学習塾を設立した初年度にも合格者を輩出しましたが、その時と今では全く違う学校になってしまいました。来年もどうなるのかわかりません。評判の良い学校なので、さらに優秀層の受験生を集めるのかもしれません。

[神奈川大学付属]

 ここ3年100名の大台を超えていて、今年の106名まで右肩上がりです。
若干、中山駅から歩きますが、JR横浜線と市営地下鉄グリーンラインの2路線が通っており、アクセスは悪くありません。都内から行ける学校の中では敷地の広さや施設の充実度は有数だと思います。大学付属でありながら、進学校的であり、共学人気も相まって、ここ数年の受験者数増に乗って、SAPIX生からの支持も定着したようです。受験日程も、様々な学校の併願先になりやすいので、ここから増える気もします。

[関東学院]

 もう一つポジティブに気になったのが、関東学院です。ここ5年、右肩上がりに36名まで増やしてきています。先に触れた神奈川大学付属が難関校の仲間入りをしそうな今、中堅層が関東学院に流れる可能性はあると考えています。見学に行っていただいた家庭からは、ここ最近は良い評価しか聞きません。個人的には、一見の価値があると考えています。

 どうやら、本格的に進学指導に力を入れているようで、学校から活力を感じます。神奈川大学付属が、大学付属共学校でありながら進学校的な評価で人気を上げてきたことを考えれば、次に関東学院が同じ流れでブレイクする可能性はあるのではないでしょうか。その兆しが、SAPIXの合格実績からも感じられる次第です。

[青稜]

 昨年右肩上がりに84名まで合格者数を伸ばしたので、今年は一気に100名を超えるのかなと思っていたのですが、67名と減少していました。去年の入試問題が、それまでよりも難しくなっていたので、敬遠されたのかもしれません。近場で言うと、東京都市大学等々力は200名を超えているので、青稜も似たような立ち位置に上がっていく可能性もあると思うのですが。
 今年の入試問題には、まだ目を通していないので、正確なことはいえないのですが、合格者最低点も下がっているので、来年はまた増えるのではないかと考えています。

[広尾学園小石川]

 年々合格者数を減らしていて、ついに今年は二桁の88名になりました。まだ新しい学校で、伝統を積み上げているわけではないので、こうなってくると苦しいのかなと。SAPIXの御家庭の支持は、あまり大きくないようです。

【総合】

 以前に比べると大学付属人気は落ち着いてきた感じを受けますが、依然として共学校の人気は高まっているように感じます。今回取り上げなかった学校でも、この5年で少しずつ分散傾向にあると言いますか、微増ながら合格者数を増やしている学校が多いです。昔なら、SAPIXに合格実績がなかったという学校でも、少しずつ合格者が増えているところがあり、そういうところに時代の流れを感じます。

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