見出し画像

現金はインフレに弱い、現金のリスク・・・「だから株式に投資しよう!」は本当なのか?

最近は、日本でもインフレがドラゴンボールしそうということで、「投資しないことのリスク」というのをよく耳にするようになりました。
ちょうど新NISAも始まる時期なので、「新NISAで何を投資するか?」みたいなことが、Xでも盛んに言われています。
しかし、これは本当なのでしょうか?
個人的には、「投資しないリスク」なんて意味不明だと思っています。
「投資というのはリスクを取ること」であって、だからこそ投資なわけです。
「投資しないリスク」というのは、機会損失を指しているのでしょうが、機会損失かどうかは後にならないと分からない以上、早計なのではないか、と思っています。
あとは「現金はインフレに弱い」というのはその通りだとしても、「だから株式に投資しよう」というのは、本当につながっていくのでしょうか。
株式の価格にしても、結局は通貨で表示されるので、インフレすれば額面の価値が目減りする点は、株式も現金も何も変わらないと思います。
(例えば、1000円の株が、一年後も1000円のままだとします。当然、同じ額面の1000円でもインフレ率分目減りする、というのは現金と同じです)
株式の場合は、インフレによって利益が増えて、その分株価も上昇するから、という理屈でしょう。
(先の例で言うと、1000円→1100円、みたいな感じですね)
では、インフレすると、株価は上がるのでしょうか?
それをチャートなどで示した人は、誰も見たことがありません。
何のデータもないことを、なぜそこまで自信をもって言えるのでしょうか。
「株式は実物資産だから」というのであれば、それこそゴールドや不動産などの実物資産でもいいわけです。
ゴールドに関しては、株式のような事業リスクを負うこともありません。
なぜ、急に株式なのでしょうか?
株価が上がらなければ、当然同じ株価ならインフレで目減りしている、というのは現金と同じわけです。
法人税の増税などもあれば、逆に株式の価値は下がってしまいます。
別に日本だけの話でもなく、米国でも法人税の増税の可能性はあります。
(少子高齢化が進んでいることや、社会保障費の増大、今までの法人税の減税しすぎ、など)
色んな可能性を考えて、投資先を分散しておかないといけないし、投資先は株式だけでもありません。
インフレから守るには、節約もありますし、貯金も場合によっては有効な資産運用手段です。
投資についてよく分からないうちから、急いで投資する必要はありません。
じっくり勉強してから取り組んでも、遅くないでしょう。
インフレしているといっても、ジンバブエやトルコのようなハイパーインフレでもないので、十分時間を取って、じっくり取り組むべきだと思います。
投資というのは、別に慌てる必要はないのです。

もう一つ、逆に考えたいことがあります。
それは「デフレなら投資する必要はなく、現金の方が有利なのか?」ということです。
アベノミクス開始から、最近のインフレまで、ずっと日本はデフレでした。
しかし、株価はその間に何倍にもなっています。
つまり、「投資をするのにインフレやデフレは関係ない」ということです。
インフレだから有利、というのも疑ってかかった方がいいと思います。特に個別株の場合は、結局は銘柄選定がキモなので、そこで失敗すればインフレもへったくれもありません。インデックス投資でも、タイミングを図って投入する場合は、特に注意した方がいいと思います。

投資は、自らの命と同等と言ってもいいくらいの資産を投じる行為です。
福本漫画でよく出てくる、崖を飛ぼうとするアレですね(笑)
大事な資産のことなので、特に貯金でいい人は、無理して投資しなくていいと思います。
特に高齢者が「20年で負けたことは一度もない!」と言って今から米国株に投資するのは、かなり危険ですよね。
極端な例を出しましたが、要するに投資する前に一番大事なのは、その人の人生のマネープランです。
もう十分なお金があるなら、投資しなくていい、という選択肢も十分にあり得ると思います。
何が自分にとって必要なのか、まずはそこをしっかりと確認しましょう。
それすらできない人は、少なくとも投資するのは厳しいと思います・・・
とは言いつつ、僕も単純に「お金欲しい・・・!」という考えで投資しているので、あまり人のことを偉そうに言える立場にないですが・・・(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?