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2023年読んで良かった本 ギリシャ哲学・教父哲学・中世哲学編

2023年に読んだ本の振り返り、まだまだ続く。

幸運なことに昨年は素晴らしい書籍に出会う確率が非常に高かった。

本日はとりあえず古代とか中世の哲学、およびキリスト教関連の本を厳選して挙げていく。

まず私にとって決定的に重要だったのが『個の誕生』である。

キリスト教に古代ギリシャ哲学、具体的には新プラトン主義が分かちがたく絡んでいること、さらには中世や近代の西欧の思想に浸透していることがよくわかった。

その次に初めての井筒俊彦も非常に重要だった。

東洋思想やらシャーマニズムまでカバーする博覧強記にドン引きしたのはともかくとして、イスラーム哲学が西洋の哲学に多大なる影響を及ぼしていること、本質とか存在とかを安易に語ってはならないことを知った。

これら2冊を契機としてキリスト教、古代ギリシャにさらに関心を深めるはめになる。

さらにシラスで山内志朗先生のチャンネルを購読して、中世哲学沼にはまることになった。

この全く入門できない入門書、ほとんど理解できないけど楽しい。わからないまま考えていくことも可能なのだと知った。

続けて山内先生に初期の著作である『普遍論争』も読んだ。面白かった、やはりほとんど理解できなかったけど。

中世を理解するためにはギリシャを知らなくてはと思って読んだのがこちら。

古代ギリシャの本来の姿はプラトンやピュタゴラス以前にあるらしい。そして西洋思想の本流は、そうではなくて、プラトン、新プラトン主義、キリスト教なのだ。

以上の5冊が最も印象深く、何度も読み直す必要があると感じた。

中世哲学の入門書としてはこれのほうが良かったけどね。

アリストテレスがイスラーム世界から逆輸入されておこったことを読み物ふうに面白く描いている。
形而上学的なことは必要最小限にしてあるので誰にでもおすすめできる

アリストテレスの解説書とかも読んだ。

わかりやく書いてあるけどそれでもよくわからんかった。アリストテレスはいずれギリシャ語を勉強しつつやっていこうと思う。

こちらは世界的なプラトン学者による『饗宴』の解説だが、けっこう面白かった。納富先生の講義をいくつかYoutubeで拝見したが、とても良い人そうだった。だから著書を買い込んだのである。いつ読めるかわからないが。



中世哲学が理解しがたいのは自分がキリスト教など微塵も信じていないこと、皆がキリスト教をガチで信じていた時代の空気を知らないことのせいである。

リアルなカトリックだった稲垣先生の本を読んでそのことを痛感した。一般人には理解しがたい三位一体論をナチュラルに信じておられたのである。返す刀でカントを形而上学が徹底していないとこき下ろすのにも爆笑したが。

キリスト教徒ではない八木雄二氏の著書のほうが、そのあたりは親切。

当時の人々と現代の日本人の感じ方の違いをわかりやく解説してくれている。


キリスト教の歴史についてもお勉強だ。以下の3冊がとても良かった。

特に弓削先生の本は面白くて、ついでにこんなんも読んでみたのであった。


こういう感じで歴史をお勉強すると良いことがある。ふとしたきっかで手に取った山本義隆『磁力と重力の発見』をとても面白く読むことができた。

これは最初に上げた5冊と同じかそれ以上にインパクトがあった。古代人や中世人の思考の過程、時代背景を丁寧に辿っていく力作だ。認知能力が大きく制限されている中で、どのように磁力や重力のような目に見えないものの発見に至ったか、、、本当に面白かった。


これら以外で面白かったのは以下のとおり。


そういうわけで古代ギリシャ、中世哲学、ラテン語、古典ギリシャ語が今年と来年もっとも注力する分野となりそうである。

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