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#070 漫画論③|魁!男塾


仕事関連→バンド→仕事関連→バンドetc…のサイクルに若干のマンネリ感を覚えたので、第1回のキン肉マン、第2回のサッカー漫画に続いて、久々に漫画について語りましょう。
記念すべき第2回は、キン肉マンと双璧をなして幼少期の僕の心を掴んだ名作「魁!男塾」をご紹介。


魁!男塾との出会い

時代を超えて語り継がれるバトル・ギャグ漫画「魁!男塾」を初めて読んだのは小学1年生の春休み(2年生になる前)でした。

その頃の僕は喉の扁桃腺の手術で地元から1時間くらい離れた帯広の病院に入院しなくてはならない時期がありました。
祖母が付き添ってくれたものの、当時キッズだった僕には両親と離れる1週間というのが耐えがたく、泣きながら両親と別れた記憶がありますが、そんな僕の孤独を癒やしたのは共用スペースにあったこの漫画でした。
(本当になんでこの本だけあったのか謎笑)

確か天挑五輪のあたり(11巻〜23巻あたり)が置いてあったんですけど、これを読んでハマりました。
そして俺は小2あたりからジャンプを読み出したんですけど、その時には男塾はバトル・オブ・セブン・タスクスの(グダグダな)後編あたりで、恐らく打ち切りが決まっていたのであろうと推察される時期でしたが、とにかく男塾はハマって父親に古本屋に連れて行ってもらい、全巻コンプリートしました。

とにかく男塾は一言で言うと「ロマン」です。
第1回で紹介したキン肉マンと双璧を成し、幼少期の僕の人格形成に大きく役立ててくれました。


男塾あらすじ

男塾とは日本中から手のつけられない「ゴンタクレ(不良の意)」が集まる私塾であり、そこは軍国主義そのものの教官の暴力・シゴキが常態化しているのですが、塾生達は逞しく、そこで開催される虐待でしかない学園イベントを通して塾生たちは団結し、ここから飛躍しますが武闘大会に次々と参加して、死闘が繰り返されると言う筋書きです。

序盤は完全にギャグ漫画ですが、途中からバトルものにして人気を獲得し、恐らく当時の編集などより「このままバトル展開で行きなさい!」と指令が下り、そこからは血で血を洗うバトルになり、アニメ化や映画化、ゲーム化もする人気作品になった次第ですね。

男塾の魅力はキャラクターにあります。
主人公のこと剣桃太郎はハチマキがトレードマークで作中無敗の2枚目。刀から虎を出します。
No.2の伊達は槍使い。元々男塾の塾生でしたが教官を殺して退学になり、転校するもシレッと戻ってきます(転校で済む世界と言うのが何とも笑)
Jはボクサーで、元々アメリカからの留学生でしたが、桃と戦って実力を認めて男塾に入塾。
冨樫虎丸は三枚目として作品を盛り上げるコメディリリーフ。
赤石大豪院邪鬼と言う偉大なるパイセン。
三面拳死天王鎮守何とか三人衆。この辺からギャグ色が強くなっていくのですが…
あとはモブキャラの松尾田沢秀麻呂もかなり重要なキャラですね。
そしてなんといっても塾長・江田島平八です。作中はおろか日本の漫画史上においても最強の呼び声も高い、武闘の鬼。スピンオフも多数存在してます。

他にも300人くらいいるんですが、とにかく魅力的な「男」が多数出てくる作品です。
ちなみに女性は「女子大生ヨーコ」「良男の母のババア」「仁蒋(神拳寺の伊達と戦った奴)」「春蘭」「冨樫がマラソン中に遭遇した老婆」の5人しか出てこないはず(まだいるかもですが絶対モブ)


大学名が本当に狂ってます笑


男塾の魅力

初見で読んだ時は、純粋にバトル漫画として非常に熱くなりました。
魅力的な新技や、次々に現れる強敵、仲間の非業の死やその敵討ちなど…普通に魅力されました。

そして男塾の魅力は、繰り出される技に対して「民明書房」と言う出版社の書籍の引用をしており、この説明が周りくどく、最もらしく、初見の時は普通に信じていましたが、全くのデッチ上げであり、架空の内容であるのですが、このギミックはマジで凄い。
しかも巧妙なのは、「**と言う説が支配的である」とか、断定しないあたりが上手いんです笑

そして本作の最大の魅力は、キン肉マンに同じく宮下あきら先生による荒唐無稽な展開に尽きるでしょう。
もう伏線が伏線をなさず、メチャクチャなんです笑
死んだはずのキャラクターが平気で生き返っていたり、これまでの設定が平気で無視されていたり、巨大化されたキャラクターが縮んでいたり笑
宮下先生がおそらく何も考えずに書いていたが故に、当時の担当編集も「先生、このキャラ死んでます!」とか突っ込んでいたとか笑
ただ、これも突っ込むのは野暮なんですね。「ありのままでいいじゃないか」と言う話です。

男塾の読んで欲しいポイントを紹介しましょう。


ギャグ編(1〜3巻)

何気にこの辺が一番面白いです。
個人的に好きなのは鬼ヒゲ(教官)が女子大生をナンパして外人に懲らしめられるんですが、その逆恨みで鬼ヒゲが塾生を使って外人に復讐するストーリーとかは本当に頭悪くて好みです。
あとは林間学校もアホでいいですね。
あとは「HAAAU!」とか「カニしいよ・・・」とか「部長のばか野郎!」とか無駄なセリフが印象に残ってます笑

カニしいよ・・・・・



驚邏大四凶殺(4〜5巻)

これはマジで面白いです。俺が一番最初に買ったのが4巻だった(昔って漫画途中から買いませんでした?)ので、尚更印象に残ってます。
戦いのテンポもいいし、シチュエーションもいいし、全部いいです。
Jはカッコいいし、冨樫は最高だし、虎丸は渋い。
そして秀麻呂の「この4人のうちに1人とはもう2度と会えないような気がして・・・」が何だったのかがいまだに謎です笑

これは・・・笑



大威震八連制覇(6〜10巻)

これも「驚邏〜」ほどでは無いですが非常に良いです。センクウ vs 飛燕あたりが一番好きですね。
ただ一番好きなのは松尾と田沢の万人橋のシーンですね。あそこは本当に当時は泣けたものです。

ここは泣けます



天挑五輪大武會(11〜28巻)

そしてなんといっても男塾といえばこれでしょう。
ほぼ1/3が天挑五輪だったと考えると本当に長い戦いでした。
そして、この出場動機が塾長の私怨であり、そこで生徒を殺しまくってるのがなんともですが・・・

予選リーグではオリンポスとの戦いあたりは熱かった。
卍丸とジェミニの戦いとか良かったですが、10人に分身できるはずの卍丸が5人にしか分身できなくなっていたこととか突っ込むのが野暮なくらいに良かったです。
あとは独眼鉄の最後は前述の通り病院で初めて読んだんですけど、物凄く衝撃を受けた記憶があります。

決勝トーナメントは、冨樫&虎丸 vs 宝竜黒蓮珠の双子戦や、王家の谷の守護霊達(ファラオスフィンクス)のジュセルとかネスコンスとかがミステリアスに強くて良かった。ファラオも相当カッコ良かったんですが続編では・・・笑

そして一番印象に残ってるのは準決勝の梁山泊戦の男爵ディーノ vs 酔傑ですね。この試合をベストバウトに選ぶ人は多いでしょう。
独眼鉄も蝙翔鬼もいいとこなく死んだのですが、ディーノは頑張って引き分けに持ち込みましたし、散り際もカッコよかった。

決勝は塾長が強すぎて・・・笑
ただ、最後の桃vs藤堂豪毅は良かったですね。
そして最後に藤堂兵衛が真っ二つになった時は確実に死んだと思ったのですが・・・笑


七牙冥界闘(バトルオブセブンタスクス)編(29〜33巻)

結構好きだったんですけど、まさかの途中の尻窄みENDでした。
塾長も宇宙空間から脱出するなよって話ですね笑
そして朱 鴻元は何のために来たのかという笑


風雲羅漢塾編(34巻)

初期のノリが戻ってきて何気に好きでした。この辺は完全にリアルタイムで読んでましたね。
卒業式のシーンは流石に泣けました。絶対泣かない伊達とか泣いてるのが特に印象に残ってます。
そして読み切りの「やばいYATSURA」に関しては割愛笑


まとめ

まぁとにかく、読めという話ですね。
ちなみに民明書房では、古代モンゴルの水中戦について語る書籍と、西部劇のガンマンについて語る書籍の解説はマジで爆笑しますので是非チェックして見てください。

次は「ろくでなしBLUES」で!


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