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日本の漫画の可能性を感じた。「メイドインアビス」

店主は古本屋の店主ですが、今日は2つの学校の部活を指導するという機会に恵まれました。それぞれの学校には、それぞれ特色があり(良かれ悪かれ)、同じように指導する訳にはいきません。部活指導といっても似て非になるものがあります。

早朝より指導を続け、午後3時過ぎに古本屋に戻り仕事に励みました。そして、暗くなってからいつも通り読書タイム。今日は「メイドインアビス」という漫画を5巻まで読みました。そしてその結果、日本の漫画に可能性を感じました。

ストーリーは、孤児の少女リコと彼女のロボットの友人レグが、神秘の巨大穴「アビス」に挑む冒険物語です。リコは母を探し、危険な「アビス」の深層部へ向かいます。様々な障害や敵に立ち向かいながら、二人は「アビス」の秘密に迫っていく。

正直に書くと、初見は独特の世界観に馴染めず少々辛い読書となりました。絵が細かいので目も疲れました。古本屋のおじさんには合わない漫画だと思いました。

しかし、2巻あたりから徐々に面白くなりました。よく練り込んで考えられた世界観や、ダークな雰囲気に惹かれ、他の漫画にない魅力を感じました。

ただ、この作品が世界的、グローバル的に見て異質であることを早々から感じていました。それは、①主人公の幼女の裸が描かれているシーンがあること、②残虐的なシーンが描かれていること、③道徳的に問題がある発言や状況設定、などなどです。

店主は「日本の漫画を読んでいる」という意識があるので、特にどの表現に対しても抵抗はなかったのですが、グローバル視点で考えると少々問題がある表現が盛り込まれているのは間違いありません。

で、ここからは、この日本の漫画表現の問題を少し考えてみたいと思います。

メイドインアビスの残虐なシーンに対し、「子供が読んだらどうするだ!けしからん!」と怒ってもいいのですが、「海外ではできない表現が日本ではできる!」と前向きに考えることもできます。とすれば、ここに「大きな魅力やビジネスチャンスが眠っている」と考えることができます。

漫画というカルチャーについては海外よりも日本の方が規制がゆるく、育ちやすい。だから、幅広い表現や高度な描写の漫画が日本でこそ発展する。だから日本の漫画はもっと素晴らしくなる、と考えることができます。

以前、韓国生まれの縦スクロールの漫画を読んでブログを書きました。この時に、韓国の漫画カルチャーは日本とは異質な方向に向かっていることを感じました。アメリカやヨーロッパとも違う韓国生まれの漫画文化です。それがいいとか悪いとかじゃなくて、とにかく違う方向なのです。

ここで更に話が変わります。海外のスポーツ選手の給料は、日本とは比べ物にならないほど高額です。大谷翔平選手がドジャースに10年7億ドル(約1015億円)の契約で移籍した話は記憶に新しいところでしょう。

海外でスポーツ選手の給料が高い裏には、リーグやチームの放映権収入があります。そして日本にいるとピンときませんが、なぜ有料の放送を視聴する人が多いかというと、その裏には合法的なスポーツ賭博の存在があります(賭博に参加している人は、有料放送を必ず見る)。つまり、海外の方が日本よりスポーツ賭博に寛容なのです。(アメリカでスポーツ賭博が違法なのはカリフォルニア州を含めて12州だけ。38州では合法)

要するに、寛容なところに高い技術を持った人とお金が集まりやすいと考えることができる。そういった意味では、この日本の寛容な漫画表現を維持することによって、日本の文化と経済が発展すると店主は考えています。

ただ、突然話が冒頭に戻りますが、国内の子供たちの部活動の環境の差は、いくら寛容だ、グローバルな時代だといっても、もう少し平等にしてあげてほしいなと思います。西東京市の柳沢中学校の水捌けが悪い校庭は、間違いなく日本のワーストという意味でトップクラス。今日、そんな環境が普通だと思ってテニスをしている子供たちを少々不憫だと感じました。いや、もしかしたら、彼らこそが寛容なのかもしれません。


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