レティシア書房店長日誌
文庫サイズのミニプレスが面白い!
●松永弾正「本屋の周辺1」(990円)
「旅をして、本屋に赴き、話を聞く。資料を探り、事実を整理し、書き残す。本屋の歴史を繁げていく。いずれ失われてしまうかもしれない遠い未来のために「そこに本屋があった記憶』を留める本屋訪問記」と裏表紙に書かれています。
札幌、函館、松本、松山、熊本そのほか、各地の老舗の古書店から、新しいスタイルの本屋まで全18店の訪問の記録です。ここには、スタイリッシュな雑誌の特集に掲載されるような店はほとんどありません。町の中に溶け込んだような本屋ばかりです。読んでいて、美術評論家の洲之内徹が、松山で古本屋をやっていたことを初めて知りました。店舗紹介には、写真が付いていますので、なんとなく店内の雰囲気もわかります。また、その店で買った本の解説も付いてあります。
著者の松永さんとは一度当店に来られた時、1時間ほどお話をさせていただきました。書店研究の熱心さには頭が下がりました。いずれ、近畿版も出したいのことでした。期待しています。
●「台湾手帳」(500円)
地元京都の田中六花さんが、渡航するたびに大好きな台湾の各地の表情を捉えた小冊子「台湾手帳」を出し続けて、すでに9冊になります。「レトロあれこれ(上)」「台北あれこれ」「妙味あれこれ」「台中あれこれ」「高雄あれこれ」「日々あれこれ」と、特集を組んで出版されています。写真がどれも素敵で、台湾の街角をウロウロしている気分になります。
本好きには「書店あれこれ」は是非一度お読みいただきたい一冊です。これ、台湾の書店巡りの本です。ヘェ〜こんなに様々なスタイルの本屋があるんだ!と驚かされます。以前、ここに掲載されている書店の方が来店されて、ZINE、ミニプレスの話をしたことを思い出します。また、高雄にある絵本専門店のライブラリーは凄い!!と唸りました。
当店ギャラリーでは、7月12日(水)〜23日(日)「田中六花的52台湾」と題した「台湾手帳」の展覧会を開催します。10冊目となる「レトロあれこれ(下)の刊行を記念して、「台湾手帳バックナンバー」を並べ、著者が愛する台湾各地の写真の展示、雑貨などの販売をする予定です。台湾好きの方、初めて台湾に触れる方、どうぞお越しくださいませ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?