マガジンのカバー画像

散文とか短編小説とか

123
僕の回りくどい手紙のような散文
運営しているクリエイター

記事一覧

ガザのこと

 本書の著者である藤原亮司さんは、パレスチナの状況を長年にわたり取材されてこられた日本人…

7

パレスチナと日本の災害対応:連携する不平等

国内外での平和への訴え先週、金沢市内の交差点で信号待ちをしていた。車窓の外にガザ侵攻反対…

卍丸の本棚
1か月前
7

閑話休題:アベノミクスの功罪 ── 一時的効果とその後の構造課題

アベノミクスの概要と一時的な効果X(旧Twitter)を見ると、トレンドに「アベノミクス」があ…

卍丸の本棚
1か月前
6

『非-知』と現代社会の危機

はじめにジョルジョ・バタイユが提唱する「非-知」の概念は、合理性や理性主義に対するラディ…

卍丸の本棚
1か月前
12

Harmony in Alexander’s Words: A Triad of Philosophy, Enlightenment, and Science

I strongly believe in the importance of objective reality and clear language. While I en…

卍丸の本棚
2か月前
6

対立と調和─思考実験:真空状態と運命の関係性について

要旨本エッセイは、偶発性と不確定性に着目した数理モデルと文学的思索を織り交ぜながら、人間…

卍丸の本棚
2か月前
7

人間存在の複雑性 補足

章立て、加筆致しました。 難解で抽象度が高すぎるきらいがあり、一般読者層にはハードルが高い部分が否めませんが、僕なりに、様々な哲学的視点から対立と調和の概念を探求しています。バタイユの思想に触発されながら、生物学的性差とジェンダーの関係、フェミニズムとヒューマニズムの関係、そして人間存在の根源的な曖昧さと矛盾を掘り下げています。 時間を見繕って、関連参照文献からの引用をさらに補完していく予定です。 執筆動機昨今の時事問題、戦争や紛争、災害への対応や差別問題などから、人間

人間存在の複雑性──バタイユの視点から

0.要旨 『人間存在の複雑性』をテーマに、本エッセイは人間の存在の意味、対立と調和、内面的…

卍丸の本棚
2か月前
20

雨が降り

 つめたくもあたたかくもない雨がそぼふる中、ふいに、いつも通る苔の生えかけた階段に目をと…

卍丸の本棚
2か月前
8

77 x 3の求め方

77 x 3の求め方 7 x 3=21 2 + 1=3 ∴77 x 3 = 231 複素数の場合はどうか?──複素数の場合な…

卍丸の本棚
3か月前
6

掌握小説 惣菜

惣菜コーナーのアルバイトが休みの日だった。アルバイトは多分十五年ぶりだろう。大学を出て、…

卍丸の本棚
3か月前
11

散歩道

つめたい夕暮れ、喧騒のなかで、雪のことを考えていた。 夢の中のその雪はやがて雨に変わった…

卍丸の本棚
5か月前
21

Museu Picasso──バルセロナのピカソ美術館

 スペインの偉大な画家の絵は、どれも無言のまま語りかけてくる──晴れたり曇ったりするなか…

卍丸の本棚
6か月前
41

短編連作『沈める寺』 あとがきのようなもの

 民族の物語を語り継ぐことのない民族はやがて滅ぶ、とトインビーが確かどこかで書いていた気がする。 書物に書かれた歴史ではなく、神話や家族の口伝──物語や詩を誰かに語るとき、誰かの現実をほんの少しやさしく包んであげることもできるかもしれない。 そうして、じぶんたちの物語を大事にしていたら、他者の物語や神話、伝承、伝統、文化だって他者にとっての大事さに理解を示すこともできるかもしれない。 最終回を書き終えて、そのようなことをふと考えた。 いまをくぐり抜けるために逃げるかの