見出し画像

「プロレスの力」はこんなもんじゃない

日本武道館に4583人。

2011年の第1回大会には17000人が集まったので、たしかに3分の1以下です。6団体が参加したオールスター戦にもかかわらず。

しかしこれで「プロレス界に厳しい現実が突きつけられた」と判断するのは違う気がします。

理由はふたつ。

ひとつ目は日程。新日本もノアもDDTも同じ時期に重要な興行を開催していました(参加しなかった全日本プロレスも後楽園大会があった)。チャリティーには協力したい。でも物価高のご時世で交通費を含む安くないお金を払う以上は、どうしても判断がシビアになります。募金や寄付は他の方法でもできるし。

ふたつ目は対戦カード。他のビッグマッチに挟まれていても「ここを逃したら二度と見られない!」という試合が組まれていれば、もっと多くの人が足を運んだはず。1回目の大会で武藤敬司&小橋建太のドリームタッグが実現し、大森隆男&高山善廣の「ノーフィアー」が一夜限りの復活を果たしたように(生観戦できず、後日どうしても見たくてDVDを買いました)。

いまなら内藤哲也&拳王 vs ジェイク・リー&青柳優馬とか? 4人とも口が達者だから、事前の煽りで一気にチケットが動いた気がします。

スケジュールもカードも申し分なく、それで武道館に4583人はあり得ない。プロレスの力はこんなもんじゃないです。過去に新日本の東京ドーム大会がゴールデンタイムで放送され、視聴率が振るわなかった際も似たような感情を覚えました。「普段の方が面白い」「パートナーや対戦相手との物語をもっと大事にして」と。

そう考えると、この状況で4583人は大健闘かもしれない。せっかくのオールスター。ベターなタイミングとベストのカードを整えたうえで開催していただきたい。プロレスを楽しめて、しかも被災地へ義援金を送れる。ファンからしたら最高の喜びです。ぜひご検討を。

この記事が参加している募集

見返したい名試合

この経験に学べ

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!