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「なんでもある」「どれでもある」「無形の財産」

伝説は終わらない。

昨年3月に閉店した「八重洲ブックセンター本店」のレガシーを継ぐ「八重洲ブックセンター・グランスタ八重洲店」が6月14日に東京駅構内にオープンします。

営業時間は10時から21時で、場所はグランスタ八重洲の地下1階とのこと(八重洲地下中央口より徒歩1分)。72坪のワンフロア店のようです。地下1階~地上8階の9フロアに1400坪あった本店とは異なるアプローチで、意外な出会いを提供してくれそう。

大型書店で働きつつ、一冊の棚差しで他店との違いを打ち出したいと考えている身です。オープンしたら研究も兼ねて買いに行きたい。

先日読了し、noteでも紹介させていただいた↓が頭に浮かびました。

著者は昨年閉店した「定有堂書店」の店主・奈良敏行さん。彼はお店を紹介する際にこんな文章を書いています。

品揃えのコンセプトは、総合でなく統合、なんでもあるのではなく、どれでもある。

「町の本屋という物語」 奈良敏行 作品社 36P

「八重洲ブックセンター本店」は、まさに「なんでもある」の総本山でした。では後継店が「どれでもある」へシフトしたら何が生まれるか?

在庫の量が売りの「メガ書店」と選書の妙で勝負する「独立系書店」のアウフヘーベン。そんな見方もできます。

いずれにしても「なんでもある」のエッセンスは絶対に残る。

思い出すのは、昨年まで東北楽天ゴールデンイーグルスで監督を務めていた石井一久さん。若い頃の彼は150キロを超える剛速球で三振の山を築く本格派でした。MLBから復帰後は変化球主体の技巧派へ転身。それでもツーシームやカットボール、チェンジアップと140キロそこそこの直球で三振を荒稼ぎしていたのです。

スタイルが変わっても長年磨き上げた技と培った経験、無形の財産は決して消えない。どんな空間を味わえるのか、いまから待ち遠しいです。

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