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読書メーターと「いまできること」

数年前、ジャーナリストの後藤健二さんが亡くなった際、職場で彼の本を全て買いました。

読書メーターにレビューを書きました。何もできないことがもどかしくて。どれも心に染みる一冊でした。特に好きなのは↓。何度も読み返しています。

読書メーターには日本を含む各国で傷ましい事件が起きると、関連する本を読んでレビューを投稿する文化があります。たとえば最近読友さんが紹介してくれたのはこちら。

どちらもウクライナの絵本です。

「本の感想を書いたら何か変わるの?」と訊かれたら返す言葉もありません。でももしかしたらレビューを見てくれた人の心情が動くかもしれない。平和に対する考え方や日々の行動が少しだけ変わるかもしれない。それだって世界を昨日よりも良くするための小さな一歩だと思いませんか?

もうひとつ。他人や社会を変えるのは難しい。でも自分自身を変えることはいつでもできます。私も後藤さんの著作に触れたことで、虚無へ移ろいやすい己の思考体系を少なからず改めました。

できることはあります。なぜならこのちっぽけで無名な自分だって広大な世界を構成する一員だから。つまり私が変わることはそのまま世界が変わることに直結するのです。たとえ0.000000001ミリの前進にすぎないとしても。

そもそも他人や国や世界を変えようなんて傲慢かもしれません。もちろん高い志を持つのは素晴らしいこと。でも私は自発的に、主体的にみんなが自らの意志で徐々に変わっていく方が好きです。全員が同じ方角へ向かわなくてもいい。意見は各々違っていていい。「自分自分」ではなく「誰か」や「公」のためにという点さえ共有できていれば。

イチ書店員&物書きにすぎない私がいまできることはせいぜいこれぐらい。でももう無力だなんて思いません。本を読んで考えて発信する。その行為に秘められた可能性を全身全霊で信じています。

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