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「連休明けのだるい自分」にオススメの一冊

GWも終盤ですね。

前半に3連休、そして3日間の平日を挟んで4連休。これぐらいがバランス的にちょうどいいかもしれません。

大型連休明けに元のスケジュールへ戻って動くことは、連日稼動し続けるのとは違ったしんどさを伴います。

年中無休の書店で働く身です。しかし営業マン時代は、年末年始に1週間弱のお休みがありました。年明け最初の朝礼で社訓を叫んだら声がガラガラ。驚きました。毎日やっている時は平気だったのに数日休んだだけでこうなるのかと。

かつてメジャーリーグでリリーフ投手として活躍した上原浩治さんが「登板間隔をあまり開けず、コンスタントに投げる方が調子がいい」と話していました。おそらく私も同じタイプ。休みは1日か2日で十分です。

連休明けの身体とメンタルに、あたかも鉛を埋め込まれたようなだるさを覚える。一方でそんなのは贅沢病じゃないか、休まずにずっと働いている人もいるのにと罪の意識に苛まれる自分もいる。

そういうモヤモヤを抱えた時こそ本の出番です。

身体と心が奮い立つ。そんな一冊を紹介させてください。

岡本太郎さんの「自分の運命に楯を突け」です。版元は青春出版社。文庫も出ています。私はこちらの装丁と手触りが好きですが、お近くの本屋で入手しやすいのは文庫版の方でしょう。

ページが外れかかるぐらい、繰り返し読み込んでいます。難しいことは何もなく、シンプルにひたすら熱い。心に火がつきます。

たとえばこんな感じ。

ぼくは毎朝毎朝、生まれ変わった気持ちで迎えている。毎朝が自分の人生のはじまりだと思って人生を賭けている。

岡本太郎「自分の運命に楯を突け」青春出版社 15P

こんなに弱い、なら弱いまま、ありのままで進めば、逆に勇気が出てくるじゃないか。

同28P

他の著書でも書かれていますが、太郎さんは「絶対に成功しない」ことを目的としていたそうです。結果度外視でいい加減に生きるという意味ではなく、他人の視線や評価に囚われず、自分自身と本気で対決し続ける。かといって生真面目に眉間へしわを寄せることもなく、一生懸命描いた自分の絵を見て「へたくそだなあ」と笑ってしまう。

私もそんな書店員兼物書きでありたい。棚を見て「なかなか売れないなあ」と笑い、noteに書いた記事を読み返して「同じ内容ばかりだなあ」と笑う。どれもこれも本気で取り組んだ。だからこそ結果に囚われない。

ミステリィ作家の森博嗣さんいわく「やらなければやる気は出ません」。逆にいえば、だるい自分を「だるいなあ」「休み過ぎたなあ」と笑って受け入れ、そこを出発点としてだるいなりの本気でスタートすれば、またいつもの調子へ戻っていく。そんなものではないでしょうか?

お互いマイペースでやっていきましょう。

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