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もしハードボイルド書店員が「SHIBUYA TSUTAYA」の従業員なら

渋谷のスクランブルにTSUTAYAが帰ってきます。

4月25日にリニューアルオープン。書店は5階~7階の「ここでしか出会えない体験でつながるフロア」のなかで展開されるようです。

イメージが浮かびました。居心地のいいクールな空間。ワールドワイドでクリエイティブな客層を想定した品揃え。「こんな本があるのか」と「この棚にこれ?」「この本の隣に?」を併せた驚きに期待したい。三者が揃えば確実に「ここでしか出会えない体験」が生まれます。

「ここでしか出会えない」=「新しさ」

新刊や直近の話題書を並べるだけで「新しさ」は演出されません。複数フロアを持つ書店のエントランスへ足を踏み入れればいつでも見られます。

己も当事者である事実を忘れて「どこの大型店も同じような本が同じように並んでいる」と評論家みたいな感想を抱きがち。無論そこで終わりたくない。でも現実はなかなか選書に時間を割けない。だからこそ一冊の差しによる小さなサプライズを棚へ忍ばせています。「その辺の本屋には置いてないシロモノが隠れてますよ~」と。

たとえば↓。文庫版はどこでも目にします。でもこちらの配色の方が所有欲をそそられるし、中身にふさわしい。不思議な安心感をくれる余白の大きさもポイントです。

あるいは↓。某芸能人のスキャンダルで話題になっているのに、あまり書店で目にしません。本書を読み、週刊文春がどういうメディアなのかを知ることでニュースの見方が変わってくるはず。

↓も推したい。直木賞を受賞した万城目学さんのエッセイ集。いまが売り時なのにめったに置いていません。横に長い斬新な装丁が目を引きます。内容は庶民目線の「ジワル系」でしょうか。「オペレーターは知っている」がツボでした。

もし私が「SHIBUYA TSUTAYA」の従業員なら、以上の本を置きたい。4月25日が楽しみです。

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