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「解散」は「独り立ち」の証

11年の活動に終止符。

よく使われる「卒業」や「活動休止」ではなく「解散します」とハッキリ宣言したのが印象的でした。

「理由? いろいろ。もう俺の助けなんかいらねえじゃねえか。強えじゃねえか、みんな。それと、それぞれがやりたいことが変わってきたんだ。この話は全員にしてある。全員が納得している」

↑のコメントを読んで、人気バンドの最後みたいだと感じました。

2011年に結成されてから、鈴木軍は長らく「鈴木みのる」が一枚看板でした。音楽にたとえるなら彼が作詞・作曲とヴォーカルを務め、バンドのコンセプトや作品の方向性、ヴィジュアルなどすべてをプロデュースしていたのです。「米米CLUB」におけるカールスモーキー石井さんのように。

しかし徐々に各メンバーが成長。2018年にはタイチ選手がヘビー級に転向し、それまでの小ズルい試合と並行して熱い真っ向勝負を展開するようになりました。ずっと低迷していたエル・デスペラード選手も2019年の葛西純選手との闘いでアゴを骨折してから何かが変わり、翌年にはジュニアヘビーの中心へ躍り出ました。

従来はみのる選手と彼らが組んだら、入場テーマは常に中村あゆみさんの「風になれ」でした。みのる選手が若い頃から使い続けている名曲です。でも最近ではタイチ選手やデスぺ選手の曲が流れる方が多い。いわば彼らのリードする楽曲がシングルカットされ、ファンもそれを認めるようになってきたのです。

タイチ選手は「独立」を望んでいました。言葉や態度の端々にそれを仄めかしつつ、決定的な行動には出ない。臆病や日和見ではなく、私は優しさだと思いました。あとは信頼。みのる選手なら、必ず自分から解散と言い出してくれる。わだかまりが残らぬようにスパッと決断してくれると。

23日の「鈴木軍ファイナル」で両者はぶつかります。

どんな結末を迎えるのか。「独り立ち」を刮目します。

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