見出し画像

過去作の紹介 ~名刺代わりの自作四選~

はじめに

 noteを始める前まで、私はある読書会で知り合った仲間と文芸部を立ち上げ、専用サイトで小説を公開していた。ここではそのサイトに載せていた過去作の中から、個人的にお気に入りの小説を、少々の解説を交えながら紹介したいと思う。リンクも張っておくので、気になる方にはぜひ読んでもらいたい。なお、紹介順は専用サイトへの投稿日時が新しい順となっている。

「瑠璃子の舌」

 この作品は谷崎潤一郎の「富美子の足」を読んでインスパイアされたものである。「富美子の足」は谷崎の真骨頂とも言える「足フェチ」の小説で、富美子という女性の足の美しさを言葉豊かに描いている。そこで私は、自分自身も少なからずフェティッシュを見出している「舌」を題材とし、一作丸々「舌」について書いてみようと思って書いた。題名もそのまま真似した。

「ヘイズ」

 好きな作家を問われた時、大抵の場合は「村上龍と金原ひとみ」と答えるのだが、この作品は「もし自分が金原ひとみと不倫したら?」という妄想から書き始めた。私の分身とも言えるwebマガジンのライター(キャラ造形という意味で。私はライター職ではない)が、彼女をモデルとした女流作家と関係を持ち、翻弄されていく物語。

「面汚し」

 何かの際に、「ウエット&メッシー」という性癖を知り、それについて書いてみたいと思って書いた。ウエット&メッシーとは、服が濡れていたり(ウエット)、顔がペンキで汚れていたり(メッシー)することに興奮を覚えるもので、小説の中では汚されることが好きな女性と、あるきっかけからそれに付き合うこととなった男が登場する。読者に不快感や嫌悪感を与えるような描写をしようと挑戦した。

「愛に、鬱血。」

 これは文芸部を立ち上げた直後に書いた小説で、上記の小説の中で最も古い。小説の書き方も分かっていなかった私は、金原ひとみっぽい小説を目指し、見よう見まねで書いていったことを覚えている。この小説から既に歪んだ性癖が登場しており、私の作風を決定づけたと言っても良いかもしれない。

さいごに

 いかがだっただろうか。この記事は、私がnoteに最初に上げた小説「ポルノグラフィー」を読むにあたっての、自己紹介という意味を込めて書いた。「ポルノグラフィー」は量もそこそこあるうえ、とっつきにくい内容であることは自覚している。なので、この記事を読んで、「ああ、この人はこういう小説を書くのか」と少しでも理解してもらえたら幸いである。そして紹介したものの中に気になる小説があったのなら嬉しいし、今後もこの人の書く小説を読んでみたいと思ってくれる人がいるのならば、それは何よりの幸福であり、そう願っている。


この記事が参加している募集

自己紹介

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?