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「文学フリマ東京38」にて
二〇二四年五月十九日、東京流通センターにて行われた「文学フリマ東京38」に行ってきた。前回は彩ふ読書会メンバーとして出店側にも立っていたが、今回は純粋な来場者として参加した。ちなみに前回のイベントレポはこちら。
今回の文学フリマ東京には事前に出店を告知をしてた気になる参加者も居たため、前々から行くことはぼんやりと考えていたのだが、恐らく一人だと当日になって「やっぱり行くのめんど」となりかねな
作り手、受け手としての文学フリマ東京37
はじめに
十一月十一日に行われた「文学フリマ東京37」について書いていこうと思う。作り手(出店者)としても、受け手(一般来場者)としても現場に居たので、その両方から思ったことや感じたことをまとめていきたい。
作り手としての文学フリマ東京37
今回で作り手(出店者)としての参加は三度目となった。とは言え個人での参加というわけではなく、「彩ふ読書会」の文学フリマ出店企画を通じての参加という
『むらさきのスカートの女』に関する幾つかの考察
先日参加した読書会の課題本が、今村夏子の『むらさきのスカートの女』だった。今回、参加に際して初めて読んだが、小説の持つ「奇妙さ」に引き込まれた。一読して感じたこと、その後考えたことを以下にまとめていきたい。
〈わたし〉と「むらさきのスカートの女」
語り手である〈わたし〉は「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性の行動や顔の造形について事細かに観察しており、読み始めて思ったのは、〈わたし〉と
お一人様限定バーに行った話
西武新宿駅から線路沿いに歩いて行き、職安通りと交差するところにあるビルの7階、そこに「お一人様限定BAR ひとり」がある。その名の通り、客はお一人様でしか入店できない。
開店時間の19時にはビルの下にいたのだが、開店と同時に行くのは躊躇われたので、少し周辺をぶらつき、開店から20分ほど経って入店した。扉の前に立つと中の会話が漏れて聞こえ、開けるとそこにはもう何人かの先客が居て、楽しく談笑してい