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廃校に住んじゃった!〜長期滞在メンバーストーリーズ〜黒木誠さん編

福岡県田川市にある廃校利活用施設いいかねPalette。「なんでもできる世界をつくる」をキャッチフレーズに音楽スタジオや宿泊など、様々なことができる施設として運営しています。

いいかねPaletteにはワーケーションなどで利用できる宿泊プランのほかに、「長期滞在プラン」というものがあり、現在、この施設の中には約二十名が暮らしています。

この記事では「長期滞在プラン」でいいかねPaletteに暮らす人たちがどんな理由でここにやってきて、どんな暮らしをしているのか、彼ら彼女らにインタビューすることで、その実態を探っていきます。


今回、お話をお伺いする黒木誠さん

長期滞在者:黒木誠さん(以下「黒木さん」と表記)
聞き手:タカキユウト

コロナ禍をキッカケに・・・

ー黒木さんは、いいかねPaletteで暮らしはじめて何年経ちますか?

3年2ヶ月です。2018年、僕が大学生の頃に1週間くらい宿泊したことがあったのですが、その後、大学を卒業し、東京で就職、システムエンジニアをしていました。

2020年にコロナ禍になって、仕事のほとんどがリモートワークになり、そのタイミングで福岡の支局に転勤になって、こちらで家を探すことになったんです。

その時、知人から、いいかねPaletteで新しく始まった「長期滞在プラン」のことを教えてもらって、それ以来、ずっとここで暮らしています。

ー仕事をする上でここに住んでよかったことはありますか?

ここに住み始めた当初は、システムエンジニアの仕事をしていました。なので、いいかねPalette内で全ての業務が出来ましたし、困ったことはないですね。

東京でリモートワークしていた時と比べると、開放的な空間で作業が出来たし、気分転換に外に出ると自然があるし、夜は星が綺麗だし、最高の環境でした。

それに、ここでは他の長期滞在者と一緒にご飯を食べることが多いので、一人暮らしの時と比べて、健康的な生活が送れています。

東京の時は、一人で仕事をしながらカップラーメンを食べるような生活をしていたので。

ー仕事以外のことについて、ここに住んでよかったことはありますか?

色んな人に出会えることですね。ここには様々な長期滞在者が暮らしています。やっている仕事もここに来る理由も本当に様々で、とても刺激になります。

様々な人たちとただ会って話をするだけじゃなく、ここでは彼ら彼女らと一緒に暮らすことになります。

だからこそ、その人のことを深く知ることができるし、心から尊敬したり、憧れたりすることもありますね。

よく笑ってくれるので話しやすかったです

「広いから逃げれる」というメリット

ー住んで大変だったことはありますか?

学校だからなのか、冬は寒くなりますね。あと人間関係のトラブルは大変だなと感じます。

これだけの人たちが一緒に暮らして、長い時間一緒に居たら、やはりトラブルは起きますよね。

でも、長期滞在者の中には、トラブルをうまく解決してくれる人もいるし、フォローしたり、間を取り持ってくれる人もいます。

それに長期滞在者の間には「干渉しすぎない」独特な距離感があるような気がします。

それと、普通のシェアハウスと比べて、圧倒的に広いので、物理的に距離を取ることができますね。

ーなるほど。場所が広いから、いつでも一人になれるということですか?

そうですね。例えば、運動場に出たり、裏山に行ったりすることで、他者との距離を取ることができます。

人間誰しも、一人になりたい時、誰とも一緒に居たくない時ってあるじゃないですか?いいかねPaletteなら、どこかに出かけなくても、一人になることができます。

これは普通のシェアハウスにはない素晴らしいところだと思いますね。シェアハウスにも行ったことありますが、一軒家だから広いとはいえ、複数人で暮せば、どうしても「逃げ場がない」と感じてしまうと思います。

いいかねPaletteには広い空間も、自然もあるので、ある意味でどこでも逃げることができます。

明るい黒木さんでもどこかに逃げることもあるのだとか

みんなそれぞれ

ーここに住んでみて、自分自身の中で変化したことはありますか?

たくさんありますが、一つだけ言うと、前よりも寛容になったと思います。

自分以外の人に対してイラッとすることが減りました。おそらくそれは、ここでいろんな人と生活を共にしているからだと思います。性格やこだわりは人それぞれ。

例えば、ご飯を食べた後、すぐにお皿を洗わない人がいたり、部屋のドアを閉め忘れる人がいたりしますが、わざとやっているわけではなくて、「みんな、自分のペースで生きているから、そうなってしまうんだ」と考えられるようになりましたね。

ーなるほど、悟ったわけですね。休日は何をしていますか?

仲の良い長期滞在者と一緒に出かけたり、旅行に行ったり、キャンプに行ったりもしますね。めちゃくちゃ楽しんでいます。

気の合う仲間とは、一緒に暮らしているからこそ、価値観を共有できていたり、深く理解し合っているなと感じています。そんな仲間と一緒に旅行やキャンプに行くと、めちゃくちゃ楽しいんですよね。

中には2年以上一緒にいる人もいるので、とても深いつながりになっているなと感じる時もあります。

キッチンが一番すきな場所なのだそうです!

安心して来てほしい

ー素敵ですね。どんな人に長期滞在プランをオススメしますか?

どんな人にもオススメできますね。ここは寛容な人ばかりなので、誰かと一緒に暮らす自信がない人でも安心してほしいです。

長く暮らしている人ほど寛容だと思いますね。それと、色々な人と出会えることが、長期滞在の魅力だと思っているので、人との出会いを求めていたり、新しい自分を見つけたい人にもオススメしたいです。

ー新しくここで暮らそうと思っている方にメッセージがあればお願いします。

実は、僕は最初、試しに2週間だけ暮らそうと思って、ここに来ました。それから3年2ヶ月が経とうとしています。

長くいればいるほど、いいかねPaletteが好きになって、一緒に暮らす仲間が好きになっていきました。

キッチンで仲間と一緒にご飯を食べている時が、一番好きな時間です。

また、今は転職して農業をしています。近くのビニールハウスで「あまおう」を栽培していますし、地域の人ともつながりも増え、どんどん地域に溶け込んでいます。

昨年は地域のお祭にも参加し、地域の人と一緒にお神輿を担ぎました。身体はきつかったけど、いい思い出になりましたね。

東京で一人、変なご飯を食べている時からは想像できないくらい、良い時間を過ごしています。

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