保険屋のつぶやき38

駆け出しの頃、先輩から教わった体験談です。

その方は製薬業界の営業出身で
お医者さんが主なお客様です。
当時は個人・法人問わず終身保険を持って行ってた時期で、
“一生涯保障の終身保険でお金を貯めましょう”
といった文句で、掛け捨ての保険を
終身保険に変えて行った時期でもありました。

ある先生にも終身保険を2,000万円で成約し
先生も納得して喜んでいらっしゃったそうです。

数年後先生は病気になって亡くなられました。
先輩はこう続けます。
“先生は俺から生命保険に入らなかったら
当時加入していた5,000万円の保険金が降りてきたはずなのに、俺から終身保険に入ったばっかりに保険金が2,000万円に減ってしまった。
奥様に合わせる顔が無かった。”

奥様にお会いした時、
“奥様申し訳ありません。
私から先生が保険に入っていなかったら
5,000万円の保険金が降りてきたのに。”
奥様はこうおっしゃったそうです。
“主人は〇〇さんから終身保険に入ったことをとても喜んでいました。僕の生命保険は一生涯保障の終身保険だ。と。
主人がああ言って喜んでいたのですから
これで良かったんです。”と。

先輩はその言葉で多少救われたものの
こう私に続けました。
“〇〇君、なんぼお金が貯まるからって、
掛け捨てではないからって
保障を簡単に減らしたらいかん。
俺たちは保険で資産形成のお手伝いが出来るが、「本業は保障をお届けすること。」
を忘れたらいかん。”

この話は、聞いて随分経つのですけど
何故か鮮明に覚えているのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?