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就職氷河期の就職活動


それはもう悲惨なものでした。
1番強烈だったのは、集団面接でのこと。
面接官の、「何社くらいエントリーしましたか?」
という質問に対して、
「300社です」
「400社です」
「500社です」
という桁違いの数を他の就活生が答えてた事。
私が何社と言ったか忘れましたが、
「それってアピールになるのか?」
と、心の中で思ってました。



宝塚市の就職氷河期世代対象採用試験

皆さん記憶にございますでしょうか?

兵庫県宝塚市が2019年に全国に先駆けて、氷河期世代を対象にした職員採用試験を実施したところ、3人程度の採用予定枠に、北海道から沖縄まで1800人以上から応募が殺到した。

倍率なんと、600倍です。
これで国は気付くべきだった、と常々思ってます。
これで分からなくては、国は我々世代を見殺しにする気だ。
要するに、本気で取り組み気が無いんだな、と。


イエール大学・成田さんの発言

一番辛い世代は氷河期世代とかだと思うんですよ。今40代。実は付加価値とか生産性とかで言うと、一番油が乗っている時期のはずなのに、就職の時期にたまたま不況だったということで、今でもそのダメージが続いてしまっている。仕組みとか世の中の歪みっていうのに翻弄されている世代。世代間の不平等というのが凄く大きな問題」

メディアで人気の成田さんのこの発言に、なんか憑き物が取れたというか、ホッとしたというか、凄く救われた人も私だけじゃないんじゃないか、と思いました。

「良かった・・・このような人が分かってくれていて・・・」
と少し涙ぐみました。


運よく正社員になれたとして・・・

私のように、運よく正社員になれたとして、そこからが問題です。
一番思うのは・・・
転職は容易ではない。この会社で頑張らないと食べていけない
という思いが常に付き纏うということです。
有給申請や、残業代申請なんてもってのほかです。
他の誰よりも早く出社し、たった一人で全部の机の拭き掃除をし、それが終わったらトイレ掃除をして。
そんな毎日です。
関連会社には自殺をした人を何人もいました。
数日前に自動車保険の更新をしてくれた人が、数日後にマンション屋上から飛び降りている。
すぐ思いつくだけで2人います。
そういう人は決まって優しい人でした。
新人で低姿勢で汗している私に対して、快く保険を更新してくれる優しい人。
今思い出しても辛いです。


結婚をする気になれなかった最大の理由

言い訳に聞こえるかもしれませんが、就職氷河期がそういうメンタルにさせたと思ってます。
どういうことかというと・・・
この人と結婚しても、こんな辛い営業で、こんなキツイノルマで、こんなキツイ上下関係の会社で、本当に耐えられなくなった時に、飛び降りて死んだあの人と一緒の道を歩むことになってしまう。だったら何も背負わない方が良い
ということに尽きます。
売り手市場の現代になっても、この気負いは払拭できていません。


それでも・・・

1社目の会社を15年続けて、お金もそこそこ貯められたことは、就職氷河期同世代の人たちと比べたら、だいぶマシだと思います。
転職なんて、声が掛からなかったらさらさら考えてなかったです。
そのへんのことについては、また別の機会に。。。


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