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シェイクスピアは不注意で無神経。ケアレスミス多数。でも偉大(素敵なリーダーになりたい編_v4-85)

仲間と話をしていて、強いやさしさを人生の目標とするなら、そういうひとになることを夢にしているなら、そういうリーダーが会社を強くすると信じているのであれば、やはり、シェークスピアの「ヴェニスの商人」を読まないとダメでしょ、とのこと。

薄々感じてはいたが、まだ読んでいなかった。「走れメロス」やら「王子と乞食」、「友情」、「星の王子さま」やらからも「やさしくあろう、そして同時に強くあろう、と思えるけど、「ヴェニスの商人」は外せないでしょう、とのこと。

で、岩波書店の「ヴェニスの商人」(中野好夫訳)を読み出した。

シェイクスピアは、高校生と大学生で、トライしたのだが、なんだかこの戯曲の、セリフの日本語がどうもなじめず、諦めた。それ以来、苦手と思っていた。

で、大人になって、今、読み出すと、あれれ、面白い。今、まだ半ばなんだけど、これからの展開も楽しみ。

で、話は横道にそれるのだが、塩野七生さんの「ロードス島攻防記」もなんだか読みたくなって読み出した。仕事中のBGMで、リラックス音楽を流していたら、その画像が、ギリシアの島々だったのだ。ミコノス、クレタ、ロードス。

で、ギリシア・地中海の地図を見ていたらこの本を読みたくなってしまって。で、キリストとイスラムの闘い。「攻めるは20万(イスラム側)、守るは600(キリスト側)」なんてキャッチコピーでわくわくさせられる凄絶な闘い。

キリスト側が聖ヨハネ騎士団。で、イスラム側は、オスマン・トルコのスレイマン一世。

で、このスルタン・スレイマン(スルタンはイスラム世界での王、君主、支配者)のことが「ヴェニス商人」にも言及されるのだが、そこに★印がついていて、解説に「シェイクスピアの歴史的知識の不足と不注意から」間違って記載されている、とあった。

え!?
シェイクスピアに対して、「知識不足」やら「不注意」なんて言ってしまうんだ。。。

で、気になって、訳者が書いた後書きの解説を読んだら、このヴェニスの商人という戯曲の内容は他の話のパクリらしい。パクリと言っていいのか、「シェイクスピアの作品においても、例によって素材、原話はほとんどすべて他人まかせである。」「すでに先輩劇作家により一通り外形的にほとんど現在の「ヴェニスの商人」にまでなっていたものを取り上げ」た、とのこと。

「説話的なものから演劇的なものに高めた功績さえ、実はシェイクスピアのものではないというのが真相に近いだろう。」

「「ヴェニスの商人」が他の作者の古い凡庸作の改修であることは、シェイクスピアの常套手段と思い合わせ、また現に「ヴェニスの商人」の中に、明らかに古脚本の残物かと見られるものがいくつも残されている事実から考えると、ほとんど疑を容れる余地はないように思える」。とのこと。「不注意」、「忘れた結果」、消し忘れなど、ケアレスミスが多々ある。

「シェイクスピアくらい作者として不注意な、ある意味では無神経にさえ近い作者というのもめずらしい」とのこと。

えええ、そうなんだ。。。

話を自ら作り上げ、その展開、メッセージ、斬新さ(もちろん世代が経過するにつれて斬新さは失われるけど)が素晴らしくて、完璧な会話の流れ、言葉遊び、そして、後世に残る珠玉の名言・格言が随所にあって、現代にも引継がれている、のかと思っていた。「完璧」を思っていた。もちろん、そういう面もあるのでしょうが。ケアレスミス多数で、細かいことは気にしなかった、無神経、とは知らなかった。

でも、一瞬、ビックリしたが、それはそれでよいかなと思う。それでも現代に生き残る素晴らしさがある。

会社のリーダーに無理矢理関連付けると、自分が創業者ではなくても、オーナーではなくても、サラリーマン社長として持つべき心根・行動を鼓舞できると思った。このシェイクスピアのテキトーさ。

受け継いだ事業を、発展させ、成長させる。ビジョンは変えられない。創業者が定義した理念などが残っている。変えられない。でも、日々の社員に向けてのメッセージは、アレンジして自分の言葉で伝え、鼓舞する。ターゲットも変えていく。時代にあわせて。とにかく自分らしく。

創業の精神を残しながら、自分のアレンジ。良く考えると整合しないこともあるかもだけど、細かいことは気にしない。今、自分がリーダーとして責任を持って、創業の想い・理念・ビジョンの枠の中で、あるいは、ちょっとははみ出すかもしれないけど、仲間の力を結集して社会に貢献していく。

シェイクスピア的、と定義しよう、と思った。

「素敵なリーダー」: 
自分は創業者ではない。後から社長になったいわゆるサラリーマン社長。自分の責任で自分らしく経営したい一方で、創業者の目も気になる。踏襲したくないことも多々ある。が、どう変えていいのか。

変えること、変えないことを、巧みに選択して、事業を、組織を大きく成長させる。それはそれでタフ。やりがいがある。

で、思うに、細かいことは気にしない。よく考えると自分のメッセージが創業の理念とちょっと違うかも。ま、そういうこともあろう、と流そう。自らのアレンジで物語をつくっていこう。まさにシェイクスピア。今までの出来上がった物語に、自分でアレンジ。自分らしく社内を率いていく。

そして、シェイクスピアだって、不注意で、無神経で、抜けていたのだから! 結果が最後にでれば、小さなことは目をつぶられるものです。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。

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