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やれば出来る子

3人いる子供のうち、長男は小さいときから色々あり、
道中も険しかったため「話すも涙聞くも涙」になってしまい
極力語らないようにはしているが語り出すと止まらない。
一人目ということもあり相当思い入れも強かったけれど、途中で
「子供から目を離す(心理面で)ことも大事」と学んだ。
3人目の女子は「男男」の次に産まれてきた女子で、それはそれはかわいくて全員で愛でた。結果、大変な人間になりつつある・・・。

そしてあまり登場しない次男。
長男と6歳離れているので小1、中1となり学校が重ならず
妹とは2学年離れているため妹の面倒をそれはよく見たし、見させられもした。今でも小競り合いは続いているが妹は「将来彼氏と兄を比べてしまいそうで怖い」と言うほどのブラコンだ。

彼は小学校に入る前からサッカー一筋。
これは本人の意思か親の意向かわからないけれど、走ることが苦ではない
次男の体にはあっていると思う。
ただ、基本「守り」タイプの人間で、試合中負けてるのにひたすら
守りに徹してしまい周りの親野次で「負けてるんだぞ!守ってどうする!」とやいのやいの言われた経験もあり。
そして彼の一番の問題点は「やりたいことがない」である。
なんでもある程度一通り人並みにできるからか、なんとな~く
なんでもこなして終わってしまう。それが一位じゃなくても「ま、いっか」と思うタイプだ。
余力で生きているようにみえて私から見るととってももどかしい。
そんな彼は子供3人の中で一番素直で、私が「これ面白いよ」と言った
本や映画をすぐ読んだり見たりしてくれるのでとても話が合う。
そして3人兄弟の真ん中の宿命で「和を乱さないように」過ごすことが
とても得意かつ、私を怒らせなければ家族がうまくいくということを
察知して私に話を合わせることがとてもうまいし、家族の間でもうまくやろうとする。
彼と二人で行った屋久島旅行、彼と長女の三人で行った徳島旅行は
本当に楽しかった。彼がみんなに気を使って上手くやってくれるからだ。

家族でも上手く立ち回り外でも和を乱さないように過ごしているなら、それは非常に問題である。いつか壊れる。
と思っていたら私の見えないところでは相当やんちゃらしい。
保育所の頃から「チョロ」のリーダーだった。保育所の先生に
「彼は保育所のリーダーです」と言われ「え???」と驚いたら
「お母さんが驚くことに驚きました」と言われた。中と外の顔が相当違うということがよくわかった出来事だった。
そうして彼は外では相当な悪ガキで家では温厚な子供、かと思っていたら・・。
長男は年が離れている弟に暴力をふるって泣かせたこと数知れず。いつか殺してしまうんじゃないかと思って本気で落ち込んだ。長男の性格の悪さ、というか小さな弟にまで手をあげてしまう暴力性とかを考えて、どこに相談したらよいのか本当に心配した。
そしたらある日長男が言った。「お母さん、弟はいい子にみえるだろうけど
あいつ相当悪いんだからね!!お母さんのみえないところで俺にすっごい
悪態ついてくるの知ってる?年が離れてるから我慢してたけど俺だって
もう限界だから」と半泣きで訴えてきた。
そう、影で兄をいじめていたのだった。

こうやって次男の本性がどんどん露呈されていったわけだが
相変わらず私の前では波風を立てないように生きている。
少し遠くの高校に行くようになったが、サッカーに明け暮れているから
学業の成績は予想通り。
特になりたいものも行きたい学校もなく、どうやらサッカー選手には
なれないらしいと気づき、どうすんのかなーと思ったら
ある日突然勉強をしだした。友達同士で勉強時間を競うことができるスマホのアプリがあるらしく、それが面白くて勉強することにしたというのだ。
そうしたら結果もついてきてますます楽しくなったらしい。

私は親に褒められたことがなく、育てられたように育てるのが人間なので
もちろんうちの子供たちも私に褒められることはまずない。
私にそういう部分はなかったのだが、うちの子供たちは
あまりに私に褒められないものだから、自分で些細な良い所をみつけて
「これができるオレ、私ってすごい!」と良い所をみつける名人になった。
そして次男もある日私に近寄ってきて嬉しそうに言った。
「俺はやっぱりやれば出来る子だわ!お母さん!」

今日も元気にサッカーして勉強して楽しそうです。

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