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かがみの孤城をとうとう観た

かがみの孤城は娘が何かで知って、購入しました。
本屋大賞とかで店頭に置いてあったのかもしれません。
当時は娘は不登校ではなく、ただ、ちょっと友達との関係に悩んでいたころだったと思います。


当時の感想もさして思い入れを感じるようなものではなく、
よかったよ
くらいなものでした。

娘の熱量を感じてなのか読まずにいたのですが、娘が不登校になって
チラホラとそのタイトルを聞くようになりました。
なので娘にも話を振るのですが、これがさっぱり。
すごい嫌な顔をするんです。

私の友人なども読んで、もし読んでいなかったら
読んでみてと言ってくれました。
しかし娘が拒否しているものをわざわざこのタイミングで読み出すのは気が引けました。

時は2022年12月。
完全不登校となりまったく動けない娘と
私は夜な夜なドライブをしたり、ゲリラ映画鑑賞したりして
過ごしていました。

そんな中のかがみの孤城の映画公開です。
私は行きたかったのですが、案の定娘の反応は悪く
「べつにそんなに面白くなかったし」
などと言って拒否し、結局映画館に足を運ぶことはありませんでした。

”良いらしい”

という噂を耳にはしていましたが、
誰かに良いものが、娘にも良いとは限りません。


不登校を題材にしているのはわかっていましたが
だからこそそれはとてつもなく重く、高いハードルでありました。

そうこうするうちに娘も中3になり、受験生として走り始めました。
そして高校生活が見えてきたところで、ああ、だいぶ抜けてきたんだ。と
感じるようになりました。
まず外出の際に、きょどらない(笑)
娘が防御態勢に入るのは学校に行く時だけのようです。
友達やもちろん私に対しても依存傾向が強い気がするのですが
それもいい感じに分散されているようです。
完全に受け身だったのが、自分から連絡をとって話しかけたり
計画したりと能動的な様子がうかがえます。

元気だな。
もう大丈夫なのかも?

そしてかがみの孤城は配信もされるようになり私はひとりでも見てみようと思い立ちました。
きっと私が見ていてもスルー出来る程度に娘は回復しているように思います。
今日はこれ見る~。と言うと、娘も興味がなかったわけではないようで一緒に見ることになりました。
夫もチラッと見るや、「これは○○(娘)の映画化か?」と言って見始めました。

本当に娘を見ているようです!
俄然盛り上がるちゃびん家の面々。

でも娘はあんなに弱弱しくないな、だの
いやココロ強くない?そんなこと言える?できる?

強いのか弱いのかわかんないところも不登校っぽいですね。
親の対応も、友達とのちょっとしたやり取りもリアルで、胸が痛みます。

久しぶりに登校し、下駄箱で友達と出会うココロ。
その友達とココロのすれ違いはえぐられますね。

うわっ、本当にこんな感じ、よくある。


そうだよねぇ。こういうことってあるよね。

あ、と思った時には遅すぎて話しかけられなかったり
言おうと思ったことを言えなかったり。
勘違いしたり、勝手に想像して勝手に傷ついたり。

出来ることならば、常に人には求めず与える人間でありたい。
挨拶は自分から。
いやもう挨拶は自分だけ。くらいな?

意図せず誰かを傷つけないために。
誰かのほんの少しの支えになるために。

強くありたい。

そういうのって、やっぱりそうやって傷ついた経験があるからこそできたりやろうと思ったりすることなのでは?
ナチュラルボーンにこやかだったらいいんだけどね。


娘だったら、(孤城に)行く?
「わかんない。」

母は意味のない仮定の話が大好物なのですが、
大抵夫や子供たちの反応は良くないです。スン


そもそも知らない人とすんなり人間関係築けるならそんなに苦労していないはず。
(映画の登場人物たちの)みんなすごいね、と思うと同時に
それくらい彼らのリアルに居場所がないんだ、とも言えます。

そういう意味では非日常っていいですね。
確かに娘も初期でも遠いところに行けば周りを気にせず動けたような気がします。

娘の居場所は家と塾と・・どこだろ。
でも映画のココロのお母さんには、ものすごく見るのがツライくらい自分を重ねてしまいました。

必死なんだけど、空回り。


◇◇◇

観賞後に、娘は一言。
「まあ、けっこう良くできてたんじゃないの?」
とうそぶいてにやけていました。

夫は今年一番よかった。とのことでした。

今年そんなにまだ見てないけど。

何か、未来にきらっとした光を感じる良い映画でした。

娘と観ることができてよかったなぁ。


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