見出し画像

【筋膜から見た】下腹ぽっこりの特徴

今回はロルフィングの視点でからだのパターンを見ていきます。今回は「エンドレス・ウェブー身体の動きをつくり出す筋膜の構造とつながり」より図を引用しています。

ロルフィングの視点の特徴は、骨や筋肉に注目した解剖学的な視点(骨盤前傾や大胸筋短縮など)より、それらを包んだ筋膜の視点に着目する点です。

写真は2種類の代表的なお腹のパターン。

エンドレス・ウェブー身体の動きをつくり出す筋膜の構造とつながり P76


左の人が痩せても右側のようにはならず、その逆も同様です。
左右のタイプの大きな違いは、胸郭(肋骨、胸骨)の形にあります。そしてその胸郭を包む筋膜が伸縮性が低い(硬い)右タイプの体の特徴を解説していきます。

筋膜は胸郭を包むセーターのイメージで読み進めてください。


体の特徴


右のタイプは胸郭周りの筋膜の伸縮性が低く、胸郭が閉じた傾向にあります。息を吸っても胸郭が広がりづらく、呼吸は吐く方が得意な身体といえます。一見するとスリムで、太りづらい体質に見えますが、胸郭が広がらない分、柔らかい下腹部側に重さ、力が逃げやすいです。腹筋を鍛えてもぽっこりとお腹が出続けるのは、体の力の逃げ場所が下腹部に限定されているからと考えられます。

動きに関しては、右のタイプは比較的腕、胸を使った運動が苦手な傾向があります。腕を動かす重要な筋肉である大胸筋は鎖骨、胸骨から上腕骨に接続しています(もちろんこの筋肉も筋膜に包まれています)。胸郭が拡張しづらいため右タイプは大胸筋も伸長しづらく、ベンチプレスなどのウエイト種目が効きづらい場合があります。一方広背筋などを使った引っ張る動作は得意な場合が多いです。

お勧めのエクササイズ


右のパターンの方は胸郭の動きを高めること、腕と胸の連動を高めることが重要になります。
腕が体幹から遠く離れるような動作がある、水泳やバドミントン、ボルダリングなど理想的です。

日常の中でも腕をあげるストレッチを通して胸を開くと効果的です。呼吸を吸いながら腕を遠くに伸ばすと肋骨の間が広がり、胸が開かれていきます。


施術の場合


施術をする場合も胸郭を包む筋膜が持ち上がるようにワークをします。また肩甲骨と一緒に背中の筋膜が持ち上がっているので、これを下げるようにワークします。(ワークの詳細は別記事で投稿します)
施術の強みは胸郭の構造を取り囲む筋膜全体を調整できるので、胸郭の広がり方の変化が実感しやすい点です。

まとめ


ぽっこりお腹のタイプの体の特徴を解説しました。
骨や筋肉の要素自体は一緒でも、それを包む構造(筋膜)に個性が出ると考えると、身体の見え方、捉え方も広がっていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?