自殺未遂者ケア

私が自殺を図って救急搬送され、何時間も経って意識が回復した時。「助かったんだ。生きてて良かった」とは思えなかった。
私は、

「あぁ、死ねなかったんだ」

と思った。

私はまた生きなければならなくなった。
呼吸をし、食事をし、学校へ行き。
学校帰りにバイトをし、家に帰り、寝る。
またその繰り返しをしなければならなかった。

自分の人生なのに、その人生の結末を自分で選ぶことは許されなかったのだ。

怒りや苛立ち。絶望、悔しさ。
いろいろな感情が入り交じった。

でも、それを機に精神科に通院を始めた私は、様々なケアを受け、ゆっくりではあったが回復していった。

「生きなければならない」

から、

「生きていたい」

そう思えた。

そして今、私は自分と同じ自殺未遂者のケアをしたいと思っている。
遺された遺族へのケアは進んでいる。
でも「助かってしまった私たち」のケアはどうだろう。
「失敗です、また今日から生きて下さいね」突然そう吐き捨てられて「今度はしっかり、真面目に」なんて生きていくレールなんか用意されたりして。

私もそういう社会の綺麗事に悩んで、「正しい生き方をしなければ」「もう死にたいと思っちゃいけない」と思っていた。

でも、大切なのはそうじゃない。
また生きていくこと、それは、再出発だ。
いろいろと準備がいる。
その準備はゆっくりしていいと私は思う。
数ヶ月、半年、一年。
歩き出せる、きっと。そう思えたら再出発の時だ。

私はその準備のお手伝いがしたい。
前向きに準備する必要はない。
また「死にたい」と思うのならその気持ちを打ち明けてもらいたい。ひとりで抱えることはない。

少しずつ、自殺未遂者ケアについてここで文字にしていきたいと思っている。

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