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技術書典14のオフライン開催で本を出した体験のふりかえり

技術書典14のオンライン開催開催が本日2023年6/4(日)までです。

あと3時間ほどで閉幕だし、クロージングセレモニーも始まるこのタイミングで初めて技術書典に出た参加レポートをまとめてみることにします。書かないと終われない。

とあるDevRelのオンラインイベント開催記

ちなみに私がオフライン用に出版した書籍名はとあるDevRelのオンラインイベント開催記です。おかげさまで目標冊数に達しまして、印刷代はギリギリ回収できました。ありがとうございます。

内容は書いた本人の紹介文から引用してみます。

この書籍は出版での読み方を想定した縦書きです。なお、オンラインイベントの主体体験記の物語となっておりフィクションです。 オンラインで発表を行う機会を求める方々へ向けて、何をすれば良いのか、どこから始めれば良いのかという新鮮な気持ちをまとめました。これからイベントを主催してみたいという方にとって参考になる内容を目指しました。すでに経験をお持ちの方にも役立つ情報かと思います。 オンラインベントが開催したい!そんな思いに答える内容をお届けします。

とあるDevRelのオンラインイベント開催記:ボブレル https://techbookfest.org/product/pr7GdKbrFe8xd9qJqKJY9Q

ノウハウ+体験記にしたかったのがですが、このノウハウを形にするには実際にあったことを持ってくる必要がありました。この調整がうまくいかずフィクションとして体験記録を書く内容に留まり心残りがあります。

元々は、DevRelとして会社で本を出す人を支援できないかなと始めたことがきっかけだったのでもう少し大きなことをしたかったです。ただ、次回参加する際のノウハウがたまったのでここに記録したいと思います。

結果的には個人で本を出すだけに収まりましたが、めちゃくちゃ勉強になったし楽しかったのでここにまとめます。つまり、本書みたいに、とあるDevRelの技術書典体験記です。

初めての技術書典の前提知識

出るなら絶対にオンラインだけじゃなくてオフライン開催と決めていました。やはり、現場の空気を吸いたい。ただ、過去の技術書典には売り手としても買い手としても参加したことはありませんでした。

そして、オフラインとなると出版です。ただ、私はInDesignを契約していてある程度使えるのと、装丁慣れしているの(ノンデザイナー)と、最近のコミケにも参加した経験よりここのハードルは低かったです。

技術書典14に出ることが決まるまでの流れ

とりあえず申請しないとはじまりません。参加したいなと思ったのが2月頃。その時期に募集を開始していました。ただ、申請締め切り期限を意識しておらず最後のギリギリの3月後半にイベント出展の申請を出しました。

この申請自体は3回ほどチャンスがあって、どうやら内容不備で審査落ちの可能性もありました。最後のチャンスに応募という結果はよくなかったなと思い出します。早めに出しましょう。何を書きたいか?を出すだけです。

あと、やり慣れていない人が地味につまずくのがサークル名だと思います。これも、複数人で出す時とかの共通アカウントぐらいに思っておけばいいと思います。私は結局一人出版でしたので迷いませんでしたが。

申請フォームは技術書典のユーザ登録後、マイページにあります。技術書となると技術のことだけなのかなとなりますが、今回のノウハウテーマのお題でも無事に通りました。

あとは、時間を逆算で考える必要があるので応募後のスケジュールをみながらチェックしていました。ここで、4月。あれ?もしかして全然時間がないのでは?とイベント開催まで残り一ヶ月なことに気が付きます。

また、このタイミングでイベント経験のある社内の人が手伝ってくれることになりました。私は一人で大丈夫じゃないのかな?と甘く見ていましたが、絶対に二人はいたほうがいいです。あとでまとめますが一人は絶対大変。

VSCode+textlint+Zennで執筆環境を整える

さて、書くぞとなると書く環境を整える必要があります。まだこのときは、私以外に複数の人にも執筆参加しやすいようにとGitHubのPullRequestベースを検討していました。

また、たたき台はZenn Booksに書こうと思うと書くモチベーションもあがりやすいだろうと考えてました。そこで、VSCode+textlintの組み合わせで校正しながら書く環境を整えることにしました。

しかし、上記のZennにアウトプットしたとおりですが取り組み始めたのがゴールデンウィークの5月です。そして、イベント開催日に確実に間に合う登録期日は、5月16日 23時59分です。

なんでこんなことにギリギリになったのかいうと、私はDevRelとして、RubyKaigi2023にも出ていたのでした。毎週イベントだ。

そのため、応募のタイミングである程度完成しておく必要があるレベルでした。この時点で、他の人を巻き込んでの執筆はあきらめました。なにせ、自分の原稿すらままならなかったからです。

最終的にどうやって本を出したの?となりますが、一言で言うと、急いで書いて頑張って装丁して泣きながら表紙を書いて、オンライン締め切り当日の23:00過ぎに出しました。もう、ほんとすみませんの気持ちです。

その後、これ、うまくいってるのだろうか?と思いながらもまだ印刷をしていない事実に向き合うことにしました。ちなみに、本は先に印刷してOKです。審査が通ってからじゃないと印刷できないとうわけではありません。

開催までの一週間の過ごし方

さて、なんとかオンラインでは表紙付きのPDFを出すことが出来ました。なお、これも締切の30分前と綱渡り。次は出版です。直接搬送サービスは技術書典14のバックアップ印刷所ねこのしっぽさんと、日光企画さんですね。

基本はバックアップ印刷所を使った方が直接本を会場に搬入できるので便利だと思います。私は、とにかく時間がなかったので使い慣れていた印刷所さんを使いました。ただ、そうなると個人での搬入になります。

つまり、印刷した本を自宅に届けてその本をもって、会場に向かう。その必要性がありました。幸い、たくさん印刷するわけでも100ページもある本を作ったわけでもないのでなんとか持っていくことができました。

とあるDevRelのオンラインイベント開催記。段ボールに積まれた印刷物

なお、印刷もギリギリの水曜日で本が届いたのも土曜日の午後です。24時間後には会場に向かうと言うほんとギリギリな動き方でした。よくできたなと思います。印刷サイズミスがあって入稿時の調整もギリギリでした。

本を印刷することができたら当日に向けた準備

オフライン開催2日前の金曜日になると、審査が通ってオンライン側の出店がOKな状態になりました。審査時間はある程度かかるので注意が必要ですね。どうなるんだと正直ドキドキしていました。

ここで、販売書籍のマーケット出品をします。なにせ次の日の土曜日にはオンライン開催ですからね!オフラインが日曜日でオンラインは土曜日からと一日早く開催です。

マーケット出品の注意は、技術書典14だとオフラインの印刷出版のみの参加ができない点です。必ずオンライン。もしくは、会場(電子+紙)といった組み合わせが必要です。

このあたりの注意点は細かいので公式ページのオフライン会場 頒布物の登録についてを参考にしました。こうして金曜日に無事に出せると、オンライ開催当日に早速購入してくださる方がいてうれしかったです。

入場券とサークルチケットとかんたん後払いはご注意

また、決済も現金は例外対応で原則は、技術書典の「かんたん後払い」アプリを使う必要がありました。これ、当日困ってる買い手の方もいたのですが、一度経験しないとわからないので事前準備が必要です。

会場(電子+紙) かんたん後払い 購入者へ紙の書籍を手渡ししてください。とあります。また、入場券もゲットする必要があります。この入場券は無料ですが時間帯に制限があります。

今回の試みでもあるのでしょうが今後の試みの可能性もあります。私が見た時は、11:00は売り切れ。12:00が残っていたのですが、前日になると売り切れで遅い時間が残っていました。なお、サークル主は入場券は不要です。

サークル主はサークルチケットの発行が必要です。いっしょに手伝ってくださるスタッフや売り子さんがいる場合にも発行が必要。これも、参加する人が技術書典にアカウント登録をする必要がある点に注意です。

ただ、このあたりもヘルプが充実しているので書いていることをちゃんと読めば大丈夫です。ありがたいことに技術書典さんからは連絡がこまめでブログ更新やメールが来るので作業漏れがありませんでした。

といいつつ、書籍の登録と出品はこの連絡がなかったらうっかりというのがあったので、慣れていないとけっこうやることがあったなとふりかえると思い出します。

この辺りのたくさんのやりとりを見て不安な人は、技術書典のDiscoardに入っておくと安心感が増すと思います。私は質問予定で入りましたが、他の方の質問を見ると大体聞きたいことが並んでいて参考になり助かりました。

前日準備:実際に何を持っていくの?

初イベントとなると、持ち物はどうするの?となると思います。

まず、最低限必要なのは布です。テーブルの上に見栄えのある布があるといいです。消防法の関係もあって防炎用がよく、有名なのはあの布ですね。今回はコミケ参加者の社内の方からお借りしました。

あとは平積みで大丈夫です。ポスタースタンドがあるとよりよいでしょうし、ブックカバーがあると見本カバーをつくって頒布できて便利ですね。このあたりは会場の経験値が必要に思います。

あとは、100円ショップがとにかく便利。ブックスタンドは100円ショップにも売ってます。カードを立てるスタンドなど工夫を想像すると100円ショップで大体のものがそろっています。

私はこの辺りのイベント知識は経験済だったので大丈夫でした。細かいところだとシールとかガムテープとかカッターとか動きやすい鞄とかですかね。今回はもちろん会場用の本を段ボールごと持っていきました。

あとは健康体を用意して前日の土曜日はのんびり過ごします。ただ、オンライン開催は始まっているので、購入通知連絡が入るたびにはじまってるなーとワクワクしていましたね。

2023年5月21日 技術書典14オフライン開催当日

会場は池袋。設営に時間はかからないと思ったので、のんびり10:00ごろにいきました。すでに協力してくださる売り子さんは到着済。

あ06。イベントグッズや諸注意にパイプ椅子。あと決済専用カード

あ06で設営です。布を広げてポスタースタンドをたてて、椅子を並べてと。あらかじめプリンターで印刷していた表紙+裏表紙を持ってきておきます。これを布正面に貼ったり、ブックスタンドに立てたりして完成です。

あ06 技術書典14 設営完了

この辺りは慣れているので30分程度。11:00開催にあわせてのんびり過ごしました。そのあとは、実際に接客していくのですが、入場制限制なので、めちゃくちゃ忙しいということはなかったです。

ただ、12:00と13:00の波。特に13:00が一番人が来ていたと思います。これが他のイベントとの違いでそもそも17:00の終わりまでサークル主は原則ブースにいてほしいやり方でした。

他のイベントだとけっこう売り切れたら早めに帰るとかするのですが、この10:00ごろの設営から17:00の終わりまで滞在するという体験が初めてでけっこう体力を使いました。

池袋サンシャインシティで見た会場案内

ここで、買いに行くことや休憩することを考えると売り子さんがいないと大変というわけです。自分のブースを終わらせて買いに行くとか他のイベントとの文化の違いを実感しました。

物理本は売り切れても、電子書籍はあるので、来た人が買えないという状態を避ける仕組みはおもしろいなと会場で感じました。なお、もちろんスタッフに連絡して早めに帰ること自体は可能です。私は最後までいました。

なお、池袋というのもあって、休憩する場所が全然なくて苦労しました。15分ほど歩いて遠くのファミレスにいったのに並んでいるという状態。この休憩時間をたまに売り子さんとやりとりすることで余裕がなとかできます。

これも一人だとできなかったことなので、必ず二人で参加したほうがいいですね。決済は会場限定のQRコード決済なので、交代しても支払い周りで困ることはありませんでした。

サークル参加者も買いに行こう

あまり余裕がないと思いつつも売り子さんがいれば、けっこう買いに行けます。事前に技術書典アカウントに書いたいものリストを登録しておいたので、オフライン会場でお目当ての本を買うことができました。

また、16:00ごろには客足も落ち着き、スタンプラリーに参加する余裕もできて、けっこういろんな人と交流できたと思います。17:00の時間ちょうどに片付けを開始して会場を後にしました。

技術書典14の戦利品

帰宅後は戦利品は読ませていただいて、次に参加するときの参考になったり、実際に今すぐ読みたい本が見つかったりと楽しい時間が続きました。そして、書いている今も残り30分ですがオンライン開催しています。

技術書典14のオフラインイベントはこうして無事に終えることができました。

次の技術書典15は複数の執筆者で参加したい

技術書典14の参加自体は楽しかったのですが、作成した本自体はもっとやれることがあったという気持ちでいっぱいでした。本でやりたいことの20%ほどしかできなかった感触です。

そもそも時間を全くかけることができませんでした…。個人的にはもっとできたはずの感触が強く悔しかったです。

次は大勢の人を巻き込んでたくさんの技術的なアウトプットに寄与したいです。私自身も個人として次回作のノウハウ本をバージョンアップして出したいと思います。


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